劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

「ぷにぷに!没作品供養祭」のコンセプト

2013-01-31 07:27:59 | 演劇
劇団ぷにぷにパイレーツは、旗揚げ以来、50本を超えるオリジナル作品を上演してきました。
いずれも、座長の僕が書き下ろし、演出したものです。
しかし、皆様にご覧頂いた作品の陰には、その数倍もの“没作品”が存在しています。
難産の末、ようやく生まれてはきたものの、舞台で上演されることもなく、すっかり忘れ去られてしまっている不幸な脚本の数々が、今や、僕のPCの”マイ・ドキュメント“を占拠してしまっているのです。
たまに”マイ・ドキュメント“を開くと、没作品たちが、作者の僕に向かって、悲痛な叫びをあげてきます。
「うぉー!苦しい…。こんな狭くて暗い所に、押し込めないでくれ!」
「なんで私を上演してくれないの?私、何か、悪いことをした?」
「どうして僕を生んだの?こんな目に遭うんだったら、いっそ、僕を書かないで欲しかった…」
「そりゃあ、俺は、出来が悪いかもしれない。でも、俺のような出来の悪い作品を書いたのは、お前なんだからな!責任を取って貰うぞ!」
「恨んでやる…、地の底から…、貴様を…、恨んでやる…!」
こんな没作品たちの怒りを放置しておいたら、僕はいずれ、呪い殺されてしまうことでしょう!
没作品の積年の恨みを晴らす為には、やはり、舞台で上演するしかありません。
実際にお客様にお見せして、腹を抱えて笑って頂くことで、没作品たちを供養して、呪いを解く以外、僕が生き残る術はないのです。

(自分で言うのも何ですが)これまで没にしてきた作品の中には、実際に舞台に掛けた脚本よりも出来の良いモノが少なくありません。
ただ“ご縁がなかった”という理由だけで、相当数の戯曲が、没にされてきたのです。
例えば、「その役に相応しい俳優がいない…」
「大勢モノの台本を書いたけど、劇団員が足りない…」
「公演全体の流れに合わないので、毎回、上演候補から弾き出されてしまう…」
「お客様を選ぶ作品なので、なかなか上演を決断できない…」
「決して古くならないお話なので、今回、無理して上演する必要はない…」
「壮大なスケールの作品だから、尺が長すぎる…」などなど、さまざまな事情で放置せざるを得なかった脚本が、少なく見積もっても、数十本あるのです。

「ぷにぷに!没作品供養祭」では、そんな作品を、まとめて6本(劇中劇を含めると全9本)上演いたしました。
公演に“通しテーマ”がない分、逆に、社会風刺コントやサスペンス劇、不条理劇など、バラエティに富んだ内容となりました。
当然、相当過激な内容になりましたが、ほとんどのお客様に受け入れて貰って、本当に良かったです。

実は、まだまだ没作品が眠っています。
いつか機会を見つけて、「没作品供養祭」の第2弾を開催してみたいと思っています。

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