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【小説】鋼鉄の砂塵

2016-10-18 22:22:21 | 今日の小話
 これはある人物の移送を任されたものたちの、命を賭けた任務遂行の物語。

 彼らがこの戦いの末に見たものは……

 ”鋼鉄の砂塵”、開幕です。

 〇機体説明

 

 ・オストリッチ

 5m級アクト・モビル(作業用ロボットの意)。俊敏性と射撃戦に長けている高速移動型。

 

 ・ダグダック

 5m級アクト・モビル。速度こそ並みだが安定した性能を持ち、格闘戦には効果を発揮する。

 

 ・コーカサック

 10m級アクト・モビル。高速移動を主体とした機体で、格闘戦、射撃戦ともに秀でている。




 凪いだ風が密やかな別れの言葉を紡ぐ中、数機の随伴用のアクトモビルを従えたエアリムジンを見送り、中年のヒューマンのオーベイはかすかな嘆息を漏らした。

『ここからが大仕事だな……』

 そんな感想とともに、彼は周囲に待機する部下の機体たちを一瞥する。
 彼自身は、アクトモビルと呼ばれる作業用ロボットの中でも大型の機体である20m級のフルゴーヴァと呼ばれる機体に騎乗していた。
 だが部下たちは違う。
 彼らは小型のアクトモビルである5m級のダグダックやオストリッチと呼ばれる機体に騎乗している。
 その数は彼を入れても五機。
 それは今彼らが対峙しようとする勢力相手には決して十分ではなく、生還すら危ぶまれるものだった。
 だがオーベイはかすかな笑みを浮かべる。

『これも仕事、だからな……』

 彼は暗いコクピットの中で、計器類とメインモニターが放つ光の照り返しを受け、目を閉じる。
 これから彼が部下たちに下す命令。

 たとえ死んでも一機たりともここを通すな。
 
 その言葉を心の中で何度も唱えながら。

 オーベイたちの任務。
 それは惑星ドゥガンジーにある、とある企業機密を得るものの逃亡を手助けすることだった。
 その機密の内容が何かは知る必要はない。
 ただそのものの逃亡を完遂させること。
 仕事内容で知る必要があるのは、それだけだ。
 そのために彼らはドゥガンジーの一都市であるベルキドから逃亡先であるボウワへの道中を三日かけてやってきた。
 だがその情報は追っ手にも伝わり、そして多数の追手が迫っているという事実を知った時、オーベイとその部下たちは一つの決断を下した。
 幸いボウワへの途中には、両端が切り立った断崖となった場所がある。
 そこで自分たちが足止めをしている間に、他のものは逃亡者を守りボウワへとたどり着け、と。

「隊長、いよいよっすねぇ」
 軽い口調の若い声が通信機から聞こえる。最年少でヒューマンのブレンだ。
 年は若いが経験は豊富で、何度も荒事をこなし、信頼できる片腕だ。彼は高速移動と射撃戦が特徴の赤く塗られたオストリッチに乗り、これからの事態に冷静に備えている。
「敵は何機いますか?」
 低い獣のような声が聞こえる。獣人族ガンバント人のパイロットのカウイ。
 鋭い反射神経と頑強な肉体を誇り、格闘戦ではたぐい稀な戦力としていつも前線で戦っていた。彼の機体はダグダック。移動速度は並みだが格闘戦に秀でた機体で、彼の機体は青地に金色の稲妻が走るデザインが施されており、手にはアクトアクスという鋼鉄製の斧を装備している。
「全部で十二機。正直逃げ出したくなる」
 苦笑まじりに応える声は、半魚人であるメロウ人のパウレッタ。
 高い知性と反応速度が特徴のパイロットだ。
 彼はブレン同様オストリッチに乗っていたが、緑色に塗られた彼の機体の上部にはレーダーが設置されており、部隊全体の管制ができるように改造されていた。
「でも仕事だろ? やるしかねぇな」
 ニヤニヤした声で返すのは軟体人種であるフログ人のダウレード。
 茶色に塗装されたダグダックに乗っている彼の機体は、だがカウイのものとは違い、かなりの重装甲とシールドを備えており、この機体がチームの盾として前面に立つことを意味するものであることが見た目からもわかった。
「……そうだな……」
 彼らの声を受け、オーベイが重々しく言葉を発する。
 オーベイは感じていた。
『野暮な命令は、いらんな……』
 それが今まで彼らが築いた絆の証だった。
「じゃあ、いくか!」
 オーベイがレバーを倒す。青く塗られたフルゴーヴァの巨体が応えるように起動する。
「応!」
 それぞれの声とともに、彼らの機体もまた、起動した。

「敵、500mの距離に接近!」
 パウレッタが声を上げる。
「ダウレードを前面に立てカウイたちは前進。ブレンは右に迂回し敵の横腹をつけ。パウレッタは後方で待機しつつ管制作業。俺も前に出る!」
 オーベイが手短に指示を出す。
 この声に従い、チームが動きはじめる。
 一方敵軍の大部分は機動性を重視したオストリッチで構成されている。その数は八機。
 だがその中で厄介な敵も散見された。
 まずはコーカサック。10m級の中型アクトモビルだが機動性があり、戦闘にも秀でている。それが二機。
 そして一番厄介と思われたのは反重力で飛行するルーヴァーンと呼ばれる機体だ。機動性もさることながら、飛行できるという長所はオーベイたちが持ちえない点だ。
 上空の射程外から一方的に攻撃されたのであれば、被害は甚大になる。
「まずはこいつらからか……」
 オーベイが両陣営の配置が映し出された指揮用マップを見ながら呟く。そして……
「いけ!」
 掛け声とともに、フルゴーヴァが大きく右腕を振り回すモーションをとったかと思うと、次の瞬間、すさまじい勢いとともにその腕を接近するルーヴァーンめがけて突き出した!
 その動きによって生みだされた衝撃波は音を立てながら大気を裂き、そしてルーヴァーンの胴体に直撃した!
「!?」
 突然の攻撃に姿勢を崩すルーヴァーン。破片をまき散らしながら一気に高度を下げたものの、墜落には至らなかった。
「ち! しくった!」
 オーベイが愚痴る。次の瞬間もう一機のルーヴァーンから反撃のビームが撃ち返されるが大事には至らず、
「ブレン! お前の位置から俺がやった奴をやれるか?」
「いけるっすよ!」
 その応答とともにブレンのオストリッチが高度を下げたルーヴァーンに幾筋ものビームを発射し……
 バッテリー部分に直撃を受けたルーヴァーンが、派手な爆炎を上げながら地上へと激突し四散した。
「まずは一機!」
 オーベイの声とともにチームの士気が上がる。
 そして敵陣の多数のオストリッチが、闇雲にビームを発射しながら接近する。
『奴ら、追撃のために急場しのぎで数をそろえたが、質が伴ってないな』
 オーベイが心の隅で感想を漏らす。
「あいつらは烏合の衆だ。まともに前面から当たるな! 一機ずつ確実に潰していき、息の根を止めろ」
 オーベイは冷静に指示を発する。
 その言葉とともに、チームに勢いが増した。
 ダウレードとカウイのタグダックは、ダウレードの機体を前面に立てて敵の左翼へと接近する。
 敵のオストリッチたちもビームで応戦するが、飛び道具をそらせる効果を持つフォースフィールドを展開しているダウレードの機体にはさほど効果なく、またたとえ当たったとしてもシールドによって防がれるために、決定打どころか傷すらもつけられない有様だった。
 その間にカウイが接近し、手にしたアクスで攻撃する。
 ダウレードの助力もあり、一機、また一機と倒した。
 一方右翼に展開したブレンは、オストリッチ数機を相手に射撃戦を演じていたが、同じ機体でも腕ではブレンの方が勝り、敵の攻撃は当たりはするものの決定打には至らず、ブレンの的確なビーム攻撃により、徐々に傷ついていった。

 一方オーベイは飛行するルーヴァーンへと攻撃を集中していたが、
『こいつだけ、違う……?』
 そんな違和感を感じていた。
『まさかこいつ、上空から指揮するために……』
 そう考えていた刹那、
「ダウレード!?」
 カウイの声が通信機から響く!
 何事かと思い指揮用マップを見ると、今まで後方にいたコーカサックたちが前進し、ダウレードとカウイの機体に肉薄している。
 そしてキャノピーから覗いた光景は、二機のコーカサックに上から叩き潰されるように殴れ続けられるダウレードのダグダックだった!
「チィィィィィィィィィィィィィ!」
 通信機からダウレードの舌打ちが聞こえる。
「ダウレード、そこから退避しろ!」
 オーベイが指示を飛ばすが、
「だ、ダメです! 二機に挟まれて身動きとれねぇ!」
 ダウレードの悲痛な声が響く。
「カウイ! 脱出を援護しろ!」
「やってます!」
 カウイの必死な声がこだまする。
 事実カウイのダグダックは一機のコーカサックの足をとらえ、何度もアクスを撃ちこんでいる。
 だが相手はダグダックに倍する体格を誇るコーカサック。
 一撃二撃では決定打にはならず、またコーカサックもただやられているわけではなく、キックなどを出して応戦し、その合間を縫っての攻撃にならざるを得ない。
 そしてその間にももう一機のコーカサックが、ダウレードのダグダックへと攻撃を続け、
「ウ……ゴァァァァ……」
 不気味な破壊音とともに、ダウレードの断末魔が聞こえ……途切れた。
 一機のコーカサックがなにものかをその巨大な足で踏みつけていた。
 それはかつてダグダックであり、そして今は胴体部分が潰された、赤く染まった茶色い鉄塊だった。
「!?」
 カウイが声にならない息を漏らす。
 と同時に、カウイのダグダックがブースターを吹かし、今まさにダグダックを踏みつけているコーカサックの頭頂部までジャンプし、そのコクピットがある頭部へとアクスを振り下ろした!
 渾身の力をこめた一撃は頭部を割り、赤い液体を周囲に飛散させる!
 一瞬、カウイの笑みが聞こえたような気がした。
 が!
 次の瞬間、カウイのダグダックが凄まじい勢いで弾き飛ばされ、地面に激突した!
 僚機を破壊されたもう一機のコーカサックが、殴りやすい位置に飛び出したカウイのダグダックを殴り飛ばしたのだ。カウイがこの攻撃をしなかったのは、その危険性があるからであり、いわば捨て身の攻撃だったのだ。

「…………!」
 一気に二機を失ったオーベイは思案する。この事態に対して、どう手を打つかを。
 指揮用マップに目を移すと、敵の残存機数は六機。
 うちルーヴァーン一機。これは指揮官機だと思われる。
 コーカサック一機。だがこれはすでに傷ついている。
 オストリッチ四機。うち二機がブレンと交戦し、かなりの手傷を追っており、残る二機も無傷とはいえない。
 ここでオーベイは自身が対峙していたルーヴァーンへの対処をやめ、後方に控えているパウレッタに、
「パウ、お前射撃に自信は?」
 そう声を落として尋ねる。
「自信? 何を今さら?」
 パウが余裕のある声で応える。
「正直部隊の目であるお前を前面に出すのはひけるが、今はこうするしかない」
「安心してください。たとえやられても、最低でも道連れにしてやりますよ」
「……すまんな……」
 その言葉と共に、オーベイのフルゴーヴァが動いた。

 フルゴーヴァは決して足は速くない。あくまで並みだ。
 だが今のオーベイのフルゴーヴァには何かが宿っていた。
 前線で苦戦を強いられているブレン。
 その救援のためにも、一秒たりとも無駄にできない!
「早く……早く進め……」
 オーベイはまるで呪文を唱えるように何度も口の中でその言葉を繰り返す。

「さて、と……私はあいつの相手か……」
 後方に控えていたパウレッタがそう呟き、乗機のオストリッチを前進させる。
 その動きに気づいた敵のルーヴァーンが、ゆっくりとパウレッタのオストリッチへと向きを変える。
 甲高い半重力エンジンから発せられる怪音とともに、まるで空を滑るかのような勢いでルーヴァーンがパウレッタに近づいてくる。
「この装備、高かったんだぞ……」
 その言葉とともに、パウレッタのオストリッチに装備されていたレーダーが、軽い爆音とともに排除された。
「いくよ……」

「チィ! まだ倒れねぇ!」
 ブレンのオストリッチはコーカサック相手にてこずっていた。
 確かにカウイがダメージを与えていたが、それは脚部を中心にしてであり、上半身はいまだ健在で、移動力さえあまり気にしなければ、十分な戦力となり得ていた。
 さらにそれに加え、敵の残されたオストリッチたちが包囲陣を敷き、ブレンのオストリッチを取り囲む形でビーム攻撃を繰り出していた。
 ブレンはビームを避けつつコーカサクックを攻撃していたが、ビームを回避する方に集中せざるを得ず、いつの間にかコーカサックの接近すらも許していた。
「!?」
 知らぬ間に機体の直上に迫ったコーカサック!
 その太く強靭な腕が、ブレンのオストリッチに振り下ろされようとした時!
 コーカサックに倍する影がコーカサックへと激突し、押し倒す!
 身動きが取れずにもがくコーカサック!
 だがその頭部を強大な腕が叩き潰す!
「信じてたっすよ!」
 ブレンが安堵の声を上げる。
「すまんな……」
 オーベイがかすかな笑みを浮かべる。
「いけるか?」
「うっす!」
 その言葉とともに、ブレンのオストリッチが体勢を立て直す。
 その光景を見て、残されたオストリッチたちの動きに変化が見えはじめる。
 あるものはその動きを止め、またあるものはこの場から逃げ出そうとしていた。
 だが……
「逃がさんよ……」
 その言葉とともに、オーベイのフルゴーヴァが右腕を振り回し、ブレンのオストリッチがビームを発射する。
 その場にいたものは衝撃波の直撃を何度も受け、破片をまき散らしながら破壊され、そして逃げ出したものはブレンのオストリッチに追撃され、後方からビームを浴びせられ四散する。これが彼らの流儀であり運命だった。

「まだ倒れないよ!」
 パウレッタのオストリッチは、無数に降り注ぐビームの攻撃の中でも倒れずにいた。
 上空に位置しているルーヴァーン相手には、格闘攻撃や衝撃波では決定打は与えにくい。
 そのためにオーベイが下した判断。
 それはもう一機の射撃戦主体の機体であるパウレッタのオストリッチを当てることだった。
 小型アクトモビルであるオストリッチに、中型アクトモビルであるルーヴァーンの相手はかなりきついものがある。
 そう感じてはいたが、オーベイはパウレッタにその場を託した。
 それはオーベイが彼の実力を知っており、彼以外にはその時なしえないであろうと考えたからだ。
 無数のビーム光にさらされながらも、パウレッタの機体は器用に回避行動をとりながら、ビーム攻撃を行っていた。
 ルーヴァーンは確かにオストリッチよりは硬い。
 だがそれは通常機体であれば、だ。
 パウレッタが機体に施した改造は、レーダーばかりではない。
 センサー、回避性能、機体強度、そして射撃用の能力。
 それらの改造が施されており、それはパウレッタが万が一に備え、自身が前面に出たときに対処できるようにしたものだ。
「まだ……まだだ……」
 パウレッタが口の中で何度も繰り返す。
「もっと近づいてこい……もっと……」
 その言葉に吸いこまれるように、ルーヴァーンが近づいてくる。
 だがその分ビーム攻撃の精度も上がり、パウレッタのオストリッチが確実に傷ついていく。
 腹部についているアームが吹き飛び、脚部装甲が弾け飛ぶ!
 だが……
「もう少し……もう少し……」
 パウレッタが繰り返す。ルーヴァーンが接近する。
「今だ!」
 パウレッタの声とともに、何かが勢いよく発射された。

 戦場には砂塵が舞っている。
 そこにはかつて、十七機のアクトモビルたちが死闘を演じていた。
 うち、十五機がその機能を停止し擱座している。
 彼らのうち、ほとんどの乗員が息絶えていた。
 そして……

「おい、パウ。生きてるか?」
 その言葉とともに、パウレッタは意識を取り戻した。
 最初意識が朦朧としていて事態がつかめなかったが、やがて自分が生き残ったこと、そしてその声の主がオーベイであることに気づいた。
「ええ、なんとかね」
 パウレッタが苦笑とともに言葉を返す。
「でもあの爆発でよく生きてたなぁ」
 ブレンが軽口を叩く。
「ああでもしなければ、オストリッチでルーヴァーンは倒せませんよ」
 パウレッタが冷静に応える。
「まぁ、な」
 オーベイが口元を歪める。
 そして……
「カウイの機体に生存反応、ありっすよ!」
 ブレンが突然声を上げた。
「おお! あいつ生きてたか!」
 オーベイの口元がほころぶ。
 そしてオーベイとブレンが弾き飛ばされたカウイの機体へと走る。
 その足取りは決して重くなく、そして嬉しさが滲みだしていた。
 その後ろ姿を見ながらパウレッタは、今さっき自分が招いた事態を思い返していた。

 ルーヴァーンはパウレッタのオストリッチに迫った。何度もビームを撃ちこんでも回避する、その憎き機体に。
 しかしパウレッタは、ギリギリまで近づくことに賭けていた。外すことが許されず、致命傷を与えるために。
 そしてルーヴァーンが近距離まで迫った時、彼は装備していたミサイルポッドを至近距離から全弾発射した。ミサイルは彼とルーヴァンを巻き込み、至近で爆発した。

 その晩、オーベイたちは救援にきたエアトラックに乗り、ボウワへと到着していた。
 彼らの機体は会社で回収する手はずが整っており、すでにそのためのチームが派遣されている。
 オーベイたちは少ない休暇を楽しめばいい。
 そんな思いで過ごそうと考えていた。

「カウイ、調子はどうた?」
 オーベイが一つの病室を訪ねる。
 そこはボウワきっての総合病院であり、彼らのような戦闘で負傷したものの入院も珍しくはなかった。
「ええ、もうだいぶ良くなりました」
 カウイが静かな声で応える。
 よく見るとカウイの右腕と右足には手術を施されたらしく、重々しいギプスが装着されていた。
 あの時、吹き飛ばされた衝撃で右半身を大きく痛めたらしく、腕や足ばかりではなく、内臓にもいくらかの損傷を受けていたという。
 だがそれでもカウイは笑顔を浮かべ、
「隊長にはお世話をかけます」
 そう応える声にオーベイはふと息を漏らし、
「いや、俺がもう少し早く判断していたら、ダウレードは……」
 そう言葉を飲みこんだ。しかしカウイは静かな口調で、
「いえ、隊長の判断は間違っていませんでした。我々が力を過信し突出した結果です。もう少し隊長と足並みを合わせていれば……」
「あのルーヴァーン、乗員は助かったらしい」
 オーベイの言葉にカウイは少し緊張し、
「どんな奴でした?」
 そう低い声で言葉を返す。
 オーベイは苦笑まじりに、
「十代の女の子だ。指揮や戦闘をゲーム感覚でやっていたらしい。時代が変わったな」
「我々の時代じゃないですね」
 そういうと、二人は顔を見合わせ笑いあう。
「で、次のパートナー候補なんだが」
 そういって候補者のデーターが載った書類を渡す。
 こうして彼らの日々は、明日も続いていくのだ。
                                    鋼鉄の砂塵(END)

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