エミール・ガボリオ ライブラリ

ホームズに先立ち、「推理する探偵」を生み出した19世紀フランスの作家ガボリオの未邦訳作品をフランス語から翻訳しています。

第一部  第五章 17

2017-04-21 13:20:17 | 「ファイルナンバー1...
あなたはしみったれた先入観などとは無縁なお人だ。ロンドンでこっそり赤ん坊を産み落とした後、あなたはその子を捨てた。その子供のことをあなたが完全に忘れてしまったことは認めますね。自分は百万長者だったくせに、その子がちゃんとパンを得られているか調べてみようともしなかったのだから。
フォヴェル氏と結婚したとき、あなたの良心はどこにあったのです? 花嫁の被るオレンジの花の冠の下にどんな別の顔が隠されていたか、あなたはあの立派な紳士に打ち明けましたか? それこそが犯罪です。それなのにガストンの名において、あなたに償いを求めようとすると、あなたは反発する! もう手遅れです。あなたはその父親を失ったのだから、子供の方を救うのです。さもないと、もはや世間の目を欺いてはいられなくなりますぞ」
「あなたの仰るとおりにしますわ」打ちひしがれた不幸な女は呟いた。
それから一週間後、ラウル・ド・ラゴールになったラウルはフォヴェル氏の晩餐会に呼ばれ、フォヴェル夫人とマドレーヌの間に座っていた。 

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