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最高の媚薬?食とセックスの深~い関係(1)

2008年01月31日 | スクラップ
 さていったい、何故にこのようなテーマが取り上げられることになったのか? 食事とセックスの後にタバコが吸いたくなるという愛煙家の意見に、とても興味をそそられたからです。

 この話から、食事とセックスに何か深い関係があるように思えて仕方なかったのです。禁煙主義を続けている僕としては、満腹の後の一服もセックスの後の一服もまったく縁のないことなのですが、おいしそうにタバコをくゆらせている愛煙家に率直に尋ねてみました。すると、「なんていうこともないさ。ただその間タバコを吸っていなかったからうまいだけで、特別な意味はないよ」と返されてぼうぜん。確かに、食事を口に運びながら、あるいはセックスの最中にタバコを吸う人はいませんよね。

 しかし、食事とセックスの関係について追究する手を緩めないでいると、新たな発見がありました。

 『淋しい女は太る』(霜山徳爾監修、植松治彦著、マガジンハウス)という本が話題になったことがあります。人間にとってはセックスも食事も本能的な快楽であって、いずれもカラダと心が満たされるものです。よく、「ストレス太り」なんて言葉がありますが、胃の中をいっぱいにすることで心の隙間を埋めることは実に手っ取り早い不安や寂しさ解消法になるわけです。



◇「絶倫男」をつくるなら高脂肪食よりも低脂肪食

 ただ、だからといって女性誌などでよく見受ける「セックスで痩せる」特集はいただけません。好きな人との関係を維持するためにスタイルや服装、化粧、食事などに気を使うことから結果としてスリムになっていく可能性は否定しませんが、セックスという行為そのものでエネルギーを消費するとなると、それは並大抵のことではありません。確かにセックスは100メートル疾走に近いエネルギーを消費すると言われているものの、キャラメル1粒を食べるだけで300メートルに相当するともいいますからねえ。

 「夫の精力を高めるにはどんな料理が効果的ですか?」なんて質問がよく向けられます。ベトベトの高脂肪食を食べさせれば、精力モリモリになるなんてイメージをお持ちの女性がいらっしゃいますが、とんでもない誤解です。

 高脂肪食では動脈が詰まり、心臓への血流が不十分になるように、ペニスへの血流が抑制されインポテンスになる危険性が高まることなどはよく知られています。したがって、血栓塞栓症に伴う心臓発作などが起こると同時に、ペニス発作によって永久的インポテンスを招くことにもなりかねません。

 もちろん、インポテンスは精神的なストレスなどが原因になっていることが少なくありませんが、高血圧や糖尿病など基礎疾患があると動脈硬化が加速されることになりますので要注意です。

 「絶倫夫」の育成には、食事は高脂肪よりも低脂肪を心掛け、日頃から抱きしめたくなるような「自分づくり」に励まれることです。(つづく)



毎日新聞 2007年12月13日







最高の媚薬?食とセックスの深~い関係(2)



◇動植物の強壮剤は強いものへの憧れを反映

 性欲を高めると言われる媚薬(びやく)とか強壮剤だって、効くか効かないかについて科学的に立証されているわけではありません。

 例えば、サイやシカの角は勃起したペニス、オリーブは精巣、カキは女性の陰唇を表すといいます。さらに唐辛子はカラダを火照らせ、オクラは腟の潤いを--というように、形態や性状などが性器の形や機能に類似していることなどから信じられてきたものがたくさんあります。もちろん、「性は脳なり」ですから、「信じる者は救われる」わけで、効いたかのような錯覚に陥ることもありますが、仮に効かない場合には服用量が少なかったとか、調合が間違っていたといえばいいのですから無責任な話です。

 マムシ、コブラ、オットセイ、ハブ、ウミヘビなどを元に製造されたという精力増強サプリメントも同様です。下半身の血行を促進すると言われる必須アミノ酸や精巣・前立腺に多く含まれる亜鉛、ミネラル、ビタミン類などが豊富だと表示されています。一方、植物類で話題になっているものではマカ、クコ、ヨヒンビン、アシタバ、キノコ類のアガリクス、冬虫夏草などなど、紹介しきれないほど多くの名前が並べられそうです。

 でも共通して言えるのは、マムシやコブラ、ハブなどは弱肉強食の世界では“強”に属しています。マカやクコもそうですが、高山地や原生林という厳しい自然環境の中で栽培されている、これも“強”です。ひょっとしたら、この“強”が私たち人間の憧れであり、精力増強のイメージにピッタリで僕たちをその気にさせるのかもしれません。



◇どんな高級料理にも勝るのは…

 食事とセックスとの関係といえば最近、「雄のチンパンジーは“禁断の木の実”で雌とのセックスを獲得する」という興味深い研究結果が目に止まりました。

 霊長類学者であるキンバリー・ホッキングス博士(スコットランド)によれば、1年以上にわたってギニア共和国のある村で観察を続けていると、雄のチンパンジーがしばしば農作物、中でも米、トウモロコシ、芋、パパイヤ、バナナ、オレンジ、パイナップルなどを近くの農場や果樹園から盗んでいることを発見したというのです。しかも、その盗んだ戦利品の果物などを雌のチンパンジーに分けていたのです。雄たちは、農作物を漁る際、自らのカラダを引っ掻くなど神経質に振る舞っていたそうです。

 ホッキングス博士は「雄は他の仲間、特に異性に対して自分の能力を誇示する意味で戦利品を見せびらかしている可能性がある。さらに、雄の大胆な振る舞いは雌には魅力的にうつるだけでなく、目の前に食物を見せられることによって、雌の気を引くことに成功している」と語っています。つまるところ、雄はお気に入りの雌に対して食物を分け与えるとともにセックスを求め、雌も最も多くの食物を持ってきた雄には、他の雄には見せない親愛の情を向けることになります。

 これはチンパンジーの世界での話ですが、私たちの生活を振り返ってみても、仕事もしない、給料も運ばない相手からセックスだけを求められたとしたら、「ケンカを売る気?」なんて返しかねませんよね。

 結局は、2人の素敵なコミュニケーションこそが、どんな高級料理にも勝るということかもしれません。




毎日新聞 2007年12月27日

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