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Dr.北村 ただ今診察中:第147話 手術をしない明るい包茎外来

2008年02月21日 | スクラップ

 毎月第2土曜日の午前中、僕のクリニックには就学前の男の子がぞろぞろと集まって来ます。患者はその男の子なのに、兄妹や両親が加わると待合室は戦場のよう。『手術をしない明るい包茎外来』は、さながら子育て井戸端会議の場と化しています。

 担当しているのは、僕の大学時代の後輩である泌尿器科医の岩室紳也医師。突然待合室に入って来られた方であれば、診察室から聞こえてくる子どもの声に一瞬たじろぐに違いありません。泣き声とともに、時には医師に向けられる罵声。それがどうしたというのでしょうか。診察室から出てきた時の得意満面の顔。「どうだ! ボクはむけたぞ」と言わんばかりに、待合室に居並ぶ仲間達に目を配るゆとりさえもあります。その一方で、次に自分の名前が呼ばれるはずの男の子は不安で今にも泣き出しそうな様子。就学前といいますから7歳未満の子どものための外来ですが、幼い子ども達の間にも、厳しい勝負の世界が見え隠れしています。

 大切なことはペニスを清潔に保つことです。昔は銭湯で隣近所のオトナたちに包皮のむき方などを教えてもらっていたのに、その機会が奪われた今日、親が子どものペニスの清潔に気を配る必要があります。でも、父親自身が包茎手術神話に惑わされている世代ですし、自分の子どものペニスの手入れをしてあげられなくなっているのです。岩室医師は、わが国において包茎手術不要論を説く数少ない医師の一人です。「かぶるは包茎、むければオーケー」と中高校生に向けて実に痛快なメッセージを送り続けています。「むいたら、洗って、また戻せ」というのです。

 そもそも、日本人男性の大半が亀頭が包皮に覆われている状態、いわゆる「包茎」です。日本人が格別に「包茎」が多いということではなく、キリスト教やイスラム教などを信じる国々では、出生直後などに包皮切除、いわゆる割礼(かつれい)が行われているために、見た目「包茎」ではなくなっただけなのです。したがって、寄ってたかって包茎を悪者扱いするのは論外だということになります。結局、「包茎手術をして明るい青春を取り戻そう」などとあおって手術を勧める美容形成外科医あるいはその広告料に群がるメディアの責任なのです。

 岩室医師は続けます。「全身麻酔が安全に行われるようになったために、以前にもまして包茎手術を積極的に行う傾向があります。でも私は断固として『手術は不要』と訴えてきました。ようやく、最近では手術不要論を支持する医師仲間が確実に半数を超えるようになってきました」と。

 それでは、ということで岩室医師から幼い男の子の包皮ムキムキ法を伝授いただきましょう。むき方のポイントは次の3つ。

1.亀頭部を触られても痛くなくなってから少しずつ、やさしくむく。
2.幼い子ではおむつを替える度にむいて亀頭部を洗って刺激する。
3.自分でトイレができるようになった子ではむいてからおしっこをさせ、振った後には必ず包皮を元に戻すことを習慣づける。

 むけない理由は、包皮口が狭い(亀頭部を出そうとし続けていればだんだん広がる)。亀頭と包皮が癒着しているなどが考えられます。特に後者の場合には、診療の場で亀頭包皮剥離術を行います。取り立てて難しい手技ではありませんが、要するに癒着をはがしてあげるのです。これは医療行為として国も認めていることです。もちろん本人や親がやっても大丈夫です。

 たいていの包茎では、父親がその気になって男の子と接することで解決するのですが、包皮をむくことに抵抗があるというのであれば、一度相談に来られてみてはいかがですか。もちろん、対象は就学前の子どもたちに限らせていただいておりますが……。




毎日新聞 2008年2月21日

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