【神田橋條治】春の陽気にホンワカしとったらドえらいことになってますた【最新作】

　まあ今日は，前フリ（fore play）なしだ。たまにはそんな荒々しいのもいいよね（なんの話？）。

「現場からの治療論」という物語―古稀記念 神田橋 条治 岩崎学術出版社 2006-04-08 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools

　すでに「裕’s Object Relational World」にて裕さんが御紹介なさっておりますね。さすがにお早い！
　書き記念古希下ろし，ちがった，古稀記念書き下ろしということでございます。いわゆる「コツシリーズ３部作」（下記参照）を貫く「だんごの串」ということで，装丁も同じ，あの緑のモニャモニャ（？）したやつですね。
　これまでの著作に比して，値段が安くて（1,500円），薄いんですが（120頁），いやあこれがなかなかハードコア。すでに神田橋先生の著作に触れている方でないと，いや触れている方でも，なかなか読み応えがあると思いますよ。「教条的に読んできた人」も「教条的に読んでない人」も考えさせられる一品。
　この本，どういう評価が出るのか楽しみですね。串は串，そのものは喰えないけど，あるとダンゴが喰いやすい，ってことなんかな？　個人的な感想では，神田橋先生の本性（本音）がとうとう……って感じですかね。古稀ということですが，それでこれを出すかあって感じで，もう感服です。
　

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　ご存知「コツシリーズ3部作」ですね。全編書き下ろしによる臨床の手引き。「多面体」というか，一文字たりともまったく無駄がないというか，それでいて読みやすいという，とんでもないバランスを体現してます。初心者～ベテランまでが読者対象。すげえ。こんなシリーズはもう出ることはないでしょうな。psy-pub的には第一作「診断面接」が白眉（馬良）だと思います。思うだけですけど。

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　こちらは，論文を集めたもの。高いし，分厚いけど，結構もってる人多いんじゃないでしょうか。特に「１」のほうは，「精神分析」という枠がある頃の神田橋ワールドが味わえますので，実は読みやすいという話もある。ちなみに土居先生の名言「君，雨が降るのもアクティング・アウトだよ」が出てきますよ。言葉の意味はよく分からんが，僕これ好きなんだなあ。


　なお，このエントリは「新学期特別企画：カリスマ臨床家の著作」シリーズの第一弾としてお送りしました。次は誰かな？