亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

もっと理解を、もっと社会に~稀少病・難病の対策見直し

2013-03-06 | 甲状腺&膠原病
いつまでも寒いと思っていたら、あれ?けっこう暖かくなっている気がします。

さてさて、1月25日に提出された「難病対策の改革について(提言)」のこと。もう少しつづけます。
もうひとつの切り口として、稀少・難病があっても、社会で気持ちよく暮らせるサポートをしようということが打ち出されています。

患者が少なくて、あまり知られていない稀少・難病のことをもっと正しく広く理解してもらおうという考え方がひとつです。病気によっては、日によって調子がぜんぜん違って、「この間は平気だったじゃない!?」ということもありますね。意外なところに、ちょっとこうしてくれたら助かる、ということがあるものもあります。そういう理解を社会に伝えていこうというのがひとつ。

それから、患者さん自身でも、正しい情報を集めるのがとっても大変ということがあります。だから、難病相談・支援センターを充実しようということも提言されていました。

わたしも経験があります。甲状腺ホルモン不応症かも、と言われたときに、いろいろ調べたのですが、当時は、厚生労働省の難病情報センターのサイト以外には、情報はほとんどありませんでした。仕方がないと、辞書みたいに分厚いお医者さんの教科書を読んでみたけれど、有名な本にも一行も書いてないじゃん!ということもありました。何冊も読んで、ようやく数行の説明を見つけられるような状態でした。
だから、信頼度の高い論文を探して、ひとつひとつ読んで、信頼できる先生たちにいろんなことを教えていただいたりして、「そういう病気なんだ」「だから診断や症状への治療のために、こういう検査をするのか」「この検査はそういうわけで議論があるのね」「研究が進んでいる治療法はそういうことね」っていうことを勉強したのを思い出します。

患者として暮らしていると、微妙に偏った話をきっぱり話す先生に会ったこともありますし、保健所の窓口の方が「こうなのよね」と話してくれた情報が、それはちょっと違う病気のことだな…ってこともあったので、各地に難病相談・支援センターを設置しても、山のような数ある稀少・難病について、サポートの質をある程度、維持するというのは、簡単ではないかなと思います。
ただ、だからやらないってことではなくて、まずは相談できる窓口が確実にあること、病気のことだけじゃなくて生活のことも相談できること、そうした「現場の声」がちゃんと集約されて、「ほんとうに困っていること」が見えてくるというのは、未来のために、いいことじゃないかなと思います。

難病情報センターのサイトが新しくなったのも、そういう流れのひとつかもしれませんね。

それから、難病手帳(カード)も検討されているようです。
2011年の障害者基本法改正で、障害者の定義が見直されています。「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」とあって、難病によって起きる障害についても「その他の心身の機能の障害」に含まれるとことになりました。
そうした流れから、これまでの身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などを参考に、難病についても「難病手帳(カード)」のようなものを考えていきましょうということになっているそうです。

内部障害を伝える「ハートプラスマーク」や東京都が提示した「ヘルプカード」(大江戸線で配布中)、「見えない障害バッジ」など、これまでも見えない障害が見えるようにする、いろんな試みがありました。
つけていてもわかってもらえなかったり、さりげなく持つのに抵抗があるデザインだったり、いろいろありますが、上手に使い分けるのもいいのかもしれません。わたしが取得できるものかどうかわかりませんが、そこに「難病手帳(カード)」が加わるのは、とっても楽しみです。
ソフトバンクの「ハートフレンド割引」のようなサポートが他の携帯会社に広がったりするきっかけになったりするのかしら!?

就業支援なども展開が検討されているようです。
障害者雇用の枠とは違いますが、難病のある人を継続して雇用すると「難治性疾患患者雇用開発助成金」(pdf)が支給されるというのはすでに始まっていたようですが、知りませんでした。ハローワークの紹介で就職しないといけないとか、親戚の会社というような場合はダメだったりとか、条件があるようですが、短時間労働でも対象になるようですから、これは見逃せませんね!

子どもの稀少・難病についても、家族の負担は大きくなります。そうした家族への支援も大切だと提言されています。その患者さんが成人になったときに、治療も環境も変わらなくても、急に支援が打ち切られることで大変になるという問題についても、うまく橋渡しをしようということも考えられています。

いろんな形での支援が考えられています。
病気の支援を考えるとき、病院や自宅で療養しているというイメージだけでなくて、仕事をしているお隣に稀少・難病の人がいるというイメージ、社会の中に患者さんがいるんだというイメージを持ってもらい、共有されて広がっていったら、すてきです。そういう仕組みが周り始めるいいきっかけにしていけるといいですね♪

個人的には、手帳の制度に注目です。少なくとも世の中の窓口にいる人たちに対して「見える化」するわけですものね!


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2 Comments

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Unknown (野の花)
2013-06-07 16:22:34
管理人さん、この前は回答ありがとうございます。
うれしいです。わたしも
甲状腺ホルモン不応症のことを本でしらべた時はあまりに情報がすくなくて、とっても不安になりました。保健所や難病センターにも問い合わせたんですけど、同じ病気の人がいないといわれてまた不安に、でもなんか最近おもうことなんでんすけれど、人間なにか苦労を背負っている人のほうが、人の気持ちがわかりますよね、仕事の場所にも難病患者さんがいてもいいのでは、場の雰囲気がよくなる事もあるとおもうですけど、、
Unknown (ぷろぱ)
2013-06-10 20:38:54
こんにちは。
そうでしたか。。
通じなくて辛かったりすることもあれば、「わかる、わかる」と言われてうんざりしたりもあり、なかなかしっくりいかないものですね。

患者さん自身がサポートするというのはとってもいいと思います。できること、できないことがありますが、「ひとりじゃない」ということは大切なメッセージになるように思います♪

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