マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

易しい曲をいかに面白く弾くか

2017-06-08 23:13:07 | 日記
生徒たちのコンペが近づいてきて、いかに表現するかということに頭を悩ませる…。
そう難しい曲ではないので、音が弾けるようになってからいい音楽にするのは、なかなか難しいのです。
自然な流れの中で心に響くような表現にできるよう、手を変え品を変え…は大袈裟ですが、理解してくれるようにアドバイスしています。
タイトルに想像力をかきたてる名前がついているのはわかりやすいですが、ソナチネとかメヌエットとかになると、ほんとに難しい。
とにかくできるだけストーリーを考えたりして、表現の助けにしてますけど。

ただ、どんなに説明しても受け取る側にそれを理解できる下地がないと難しいのです。
やっぱり経験が大きくものを言いますが、様々な経験を積むのは難しく、助けになる方法としてはクラシックの音楽をたくさん聴くということになるでしょう。
ピアノを習っていても日頃クラシックを聴かないという人も結構いると思いますが、ピアノの曲だけでなくオーケストラの曲をたくさん聴いてほしいと思っています。
いろんな楽器のいろんな音色があって、ピアノで表現するうえでも音色を考えるのにはヒントになることが多いのですね。
タイトルがついているものや有名な曲など何でもいいので聴くといいです。
中でも、ピアノ協奏曲はピアノも出てくるし、オーケストラの音もあるし、いい曲も多いので、いいと思います。
しかも、モーツァルトは例外として、たいてい曲数が多くないので、探しやすいというか聴きやすいというか…。
今はYouTubeで大抵の曲が聴けるので、生徒たちもコンペの曲など自分で探して聴いて参考にしているようです。
ただし、YouTubeは玉石混淆なので、鵜呑みにしないことは大切ですね。

大学生の時、表現するということに行き詰った時、脱出できたきっかけはやはりたくさん音楽を聴いたことでした。
もちろんYouTubeなどありませんから、その頃はFMラジオでした。
番組表を買ってきて、クラシックをやってる時間をチェックし、家にいる時はカセットに録音して、気に入った曲は何度も聴いたものです。
次にどんな曲を弾きたいかを決める時も、候補をいくつか挙げて、音楽図書館に聴きに行ったものです。
3時間くらいかけて、希望するレコードをかけてもらってヘッドホンで聴く…という形でした。
そんなこんなの苦労をしたものですが、今は何でも楽に手に入る…苦労を知らないと重みがなくなるのでしょうかねぇ…。