F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

K-Ballet 『ラ・バヤデール』 1 ~ 浅川紫織のガムザッティ

2014年03月27日 | Ballet

F log





2014 年 3 月 23 日(日)、26日(水)の 2 日間、K-Ballet 15 周年記念作品 『ラ・バヤデール』 を F 嫁と観に行ってきました。

まず始めに K-Ballet 設立 15 周年をお祝いするとともに、上演に際し数々の難問が待ち受けるであろう難物 「ラ・バヤデール」
をそこにぶつけ、素晴らしいプロダクションを創り上げたダンサー、スタッフの皆様に心から敬意を払うものであります。
素人の一鑑賞者が 3 回に渡って言いたいことを書きなぐりますが、ファン故の戯言とお許しください。







拙ブログをご覧の皆様なら耳タコならぬ目タコでしょうが、F & F 嫁は K-Ballet プリンシパル 浅川紫織ちゃん のサポーターです。
このツアーで紫織ちゃんは女性ダンサーで唯一、ニキヤとガムザッティ両者を踊りました。

加えて F は無類のバヤ好き、とくれば紫織ちゃん出演の全ニキヤと全ガムザを観なくてはなりませんが、まぁ財布と相談した上で
仕事をクビにならない程度としてニキヤ・ガムザ各一日づつに抑えました。



RICOH GR


信号待ちの間に撮るお約束のスクランブル交差点で、これは23日(日)の撮影です。
この人並みをかき分けてオーチャードに到着する頃にはすでに疲弊してるんですよw



本稿、次稿は紫織ファンの夫婦が彼女について主に記するもので、公演の俯瞰的なレポートにはなり得ません。

パート 1 は F が紫織ガムザッティについて (本稿)
パート 2 は F 嫁が紫織ニキヤについて
バート 3 は再び F が「ラ・バヤデール」のブロダクションについて


それぞれが妄想全開で書きたいと思っています。
完結まで時間がかかると思いますがお許しください。








RICOH GR


とはいえサイドバルコニー最前列のカップルシートwはオーチャードでは好きな席です。
この写真はそこから撮ったものです。
ベストは同席の 2 階ですが、ここでもやや上から見下ろす形になるものの観やすいです。




紫織ガムザッティ 3 月 23 日(日)


3 月 23 日(日)、本来だったら紫織ちゃんのガムザは翌日の予定でした。
御大が急に踊りたくなったから、といういかにも取ってつけたような理由でキャスト入りしたため玉突きで配役が移動になりました。
慌てて日曜日のチケットを取りましたが既にかなり埋まっており、上記 3 階席になってしまいました。




さて、ガムザ好き、かつ紫織ファンの F が思ったことは…
紫の紫織カラーで登場したガムザッティの美しさには宮尾ソロルでなくともハッとさせられました。

踊りは完璧だったものの、ガムザッティという役に関しては紫織ちゃんのアプローチと意見を異にするものであります。

いや踊りは素晴らしかったんですよ。
過酷なスケジュールで体力的にはとてもつらかったと思います。






じつは舞台を観た後に知ったのですが、文化村のインタビューで紫織ちゃんはこう話しています。

「ガムザッティはわかりやすく嫌なキャラクターで、彼女が憎まれる存在であればあるほど作品が際立つと思うので… 」

なるほど、ガムザッティに対して感じた違和感はここだったのかと。


F が個人的見解とことわって以前から主張しているように、ガムザッティは生粋の悪女ではありません。
領主の令嬢であり父を王とするなら王女にあたる彼女には主体性がなく、ソロルとの結婚も自ら望んだわけではありません。

武勲を是とするなら高名な戦士であるソロルは娘の結婚相手として申し分ないはず。
ガムザッティにしても背が高くハンサムなソロルを見た瞬間、一目惚れだったことでしょう。

深窓の令嬢として何不自由なく育ち、自分に逆らう人間は皆無という環境。
お嬢様であるが故のプライドは限りなく高いに違いありません。




ガムザッティは父から申し渡された婚約者に女がいたという悲しい環境なんです。
財宝で気を引いても揺るがないニキヤに対し、業を煮やしてブチ切れるくらいは立場を考えれば当たり前。

ガムザッティは憎まれてこそ、というのはあまりにかわいそうな発想だと思います。
もっといえばガムザッティも優柔不断なソロルの犠牲者なのです。

いつもソロルでもニキヤでもなく、ガムザッティに感情移入していまう中年オヤジは変でしょうか? 変ですね。
この解釈を突き詰めると、バヤデール本体の進路にも関わってきますので個人のアプローチでどうなる問題でもありません。

でもガムザッティ愛に邁進する F は再度主張します。
ガムザッティだけが悪いわけじゃない、と。







次に紫織ちゃんの視線に関するものです。

婚約式において上手に置かれた椅子に並んで座るのが一般的なガムザッティとソロルです。
この時、ガムザッティ役のよって目線の置き方がかなり異なっております。

紫織ちゃんのガムザッティはソロルに対してジゼルのバチルド並みの厳しい視線をずっと送り続けます。
たまたま宮尾ソロルが立っている時、紫織ちゃんの目線が 3 階から見ている双眼鏡軸線に乗ったのですがチビルくらい怖かったです。

一方楽日マチネで見たガムザッティ役、井上とも美さんのアプローチはニキヤには鋭い視線を送るものの、
ソロルに向き直ると笑みを浮かべるのです。

紫織ちゃんには申し訳ないけど、ここは井上ガムザの方が自然に感じます。

失礼な上に邪推ですが、もしかしたら真面目で誠実な紫織ちゃん自身の性格が影響しているのかもと思いました。
二股かけてるオトコなんて許せない‥と。

ガムザッティにキャスティングされている他の 3 人の視線もそれぞれ気になるところです。






RICOH GR


23日(日)の幕間にて F 嫁シャンパン、F はペリエです。





以前にも書きましたが、ニキヤとガムザッティが並び立ってこその「ラ・バヤデール」と考えています。
加えて言えば、ソロルも含めて 正三角形 を形作るのが理想なんです。
23日(日)の公演では一般的に主役と呼ばれているニキヤとソロルが弱く歪な三角形になってしまったと思います。

念の為に申しますが、両者に個人的なより好みがあるわけではありません。




まずニキヤの佐々部さんは可愛らしい容姿をしているものの、それが災いして「幼いニキヤ」になっているように思えます。
ニキヤは寺院に属する舞姫という公的な立場でありながら、外で男と密会を繰り返すインモラルな役なんです。

決して清純な乙女というわけではありません。

佐々部さんのニキヤはジゼル風というか、無垢な少女が流されていると見えてしまうんです。
であるから上司である大僧正ハイ・ブラーミンの求愛に対応する態度もなんだか煮え切らないんです。

ニキヤがそうであるならガムザッティとの対峙シーンが盛り上がるはずもなく‥
紫織ガムザッティに一方的に押されている印象でした。

佐々部さんって良いダンサーだと思うんだけどなぁ。
何か彼女のなかでブレイクスルーが生まれることを祈ります。


ソロルの宮尾さんはかなり昔から観ています。
ハッキリ言って以前は目を覆いたくなるような舞台も観ました。

ここ数年はどんどん良くなって上手くなって逞しくなってきたと心から思っています。
しかし今回はいかにも病み上がりでしたね。

ロミジュリではパリスが当たり役じゃ負担は少ないかもしれませんがよくないです。
ぜひ貪欲に役柄を奪いに行ってください。



というふたりが相手となった紫織ガムザッティ。
自分がしっかりしなきゃ、舞台を引っ張らなきゃ、という気負いが無かったでしょうか。

こんなことは推測でしかありませんが、ステージ全体のバランスが崩れていた 23 日(日)と言えます。
そしてこれも推測ですが、連投のお疲れがかなり溜まっていたのではないでしょうか。









プログラムに掲載された「プリンシパルへの軌跡」と題された一文。
紫織ちゃんはバレエに触れた幼少期からコンテスト、K 入団とバレエ人生について触れています。

中でもジュリエットを踊ったことは舞踏人生での重要な転機だったと振り返ります。

当時のドキュメンタリーで役柄に苦戦苦闘する紫織ちゃんを見た記憶があります。
結果ジュリエットを踊りきったことで、ひと皮もふた皮も剥けて後のプリンシパル昇進への足掛かりとなりました。

文章最後に 「ニキヤは純粋で、ガムザッティは悪、と単純には言い切れない深さがあります」 と発言しています。

これは前述のインタビュー記事とは異なる解釈が生まれつつあるのではないでしょうか。




「ジゼル」のミルタ、「ロミオとジュリエット」のジュリエット。
紫織ちゃんの舞踏人生で更なるターニングポイントとなる気がしているんです、「ラ・バヤデール」のガムザッティも。

「ラ・バヤデール」の再演があるなら、ニキヤだけでなくぜひ再びガムザッティも踊ってほしいと思います。
そして失礼な F の駄文を吹っ飛ばすほどの快演を観せてほしい。

ガムザッティ好き、紫織ちゃん好き F の願いです。








次回は F 嫁が 26 日(水)の素晴らしかった紫織ニキヤについて書きます
















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