経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑪

2017-06-17 07:56:56 | 
◇ 幅が広い水ビジネス = 上水道や下水道のインフラ整備、海水の淡水化プラント建設。あるいは汚水の処理場、工場排水の再利用などなど。ひと口に水ビジネスと言っても、その範囲はかなり広い。特に新興国では、こうした水ビジネスに対する需要が強まっている。たとえば1つの大都市に下水道を完備すれば、何兆円もかかるだろう。ビジネスの規模も、非常に大きい。

日本はこうした分野でも、長年培った経験と技術を持っている。たとえば上水道でみると、東京都の水漏れ率は約3%。マニラの60%、ジャカルタの50%に比べれば圧倒的に低い。これは特殊な鋳鉄管を使ったり、音で水漏れを発見する技術を持っているからだ。また料金の徴収率は99.9%にのぼり、海外からは驚異の目で見られている。

下水道の歴史も古い。日本初の下水道は1881年、横浜の外国人居留地に設置された。次いで東京では1884年に作られた神田下水道。戦後の高度成長期には建設が追い付かず河川の汚染を招いてしまったが、その後は急速に整備された。ここでも地面を掘らずに下水道管を設置する技術は、世界から注目されている。

このように日本は、海水や汚水を濾過する逆浸透膜の製造技術、さらに上下水道のインフラ技術の両方を持っている。市場としての大きさをみると、インフラの方がずっと大きく、逆浸透膜は水ビジネス全体の100分の1ほどしかない。それでは今後、この市場はどのように拡大して行くと予測されているのだろうか。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪16日の日経平均 = 上げ +111.44円≫

      【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】   

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