丹田呼吸法 彌栄(いやさかえ)の会よりメッセージ

講師鈴木光彌からのメッセージ、体験談、管理人のつぶやきなど
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7月のメッセージ

2017年07月01日 | メッセージ
―  EASY COME, EASY GO ―

 かつて、アメリカはイリノイ州から合気道の修行にやって来た青年と知り合いになりました。彼は、これから日本に腰を据えて、合気道に取り組む決意を真剣に語ったものでした。その時彼が口にした“easy come, easy go”という言葉が耳に残っています。直訳すれば、「容易に来るものは、容易に行ってしまう」ということでしょうか。どこか、宮本武蔵の、「千日の鍛、万日の錬」を思い出させる言葉です。

 宮本武蔵は、兵法家としてだけではなく、絵画、彫金などの芸術家としても高い評価を得ています。特にフランス人では、武蔵が大変尊敬されているそうです。文章もなかなかのもので、代表的な著書『五輪書』は、有益な金言に富んでいます。
 「千日の鍛、万日の錬」は彼の著『五輪書』にある言葉で、鍛には千日、つまり約三年を要し、錬には万日、約三十年を要するということです。同書には「朝鍛夕錬(ちょうたんせきれん)」という言葉もあります。私見ですが、「鍛」とは肉体面の向上を図ることであり、「錬」とは精神面の向上を図ることではないかと思います。

 ところで私は、藤田霊斎の創始した調和道に縁を得てから、今年で三十七年になります。その意味では、丹田呼吸法の「万日の錬」を成就したことになり、宮本武蔵師範から印可状を頂きたいところです。最も武蔵から見れば、私の「朝鍛夕錬」はなまぬるくて、とても評価の対象にならないでしょう。でも、万日という時間の積み重ねからは、それなりの気付きを得ることが出来ました。

 禅でも気功でも、調身・調息・調心を実修の基本として挙げています。このうち調息が調身と調心の中間に位置していることが注目されます。これは、息を調えることが、身体と心をつなげる役割を果たしているということだと思います。
 「身心一如」という言葉があるとおり、身体と心は別のものではありません。私たちが持てる能力を十分にはたらかせるには、身体と心を統一しなければなりません。そのために、息によって身と心を統一させるのです。息(呼吸)にはそういう力があるのです。

 食用油と酢を混ぜたサラダドレッシングは、よく振ってもすぐ分離してしまいます。そこに卵の黄身が加わると、まろやかなマヨネーズになります。これは、身体と心をつなぐ息に似ています。対立からは生み出されるものは、憎しみや闘争です。息の有する融合力は、対立を解消し、争いを避け、融和をもたらすはたらきがあります。
 この玄妙な呼吸を身に付けるには、短時間では“easy come, easy go”になってしまいます。ここは是非、「千日の鍛、万日の錬」が必要になってくるところです。

2017・7・1 鈴木光彌
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