MMRの「知ったかぶり」音楽ブログ

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P.スタインバーグ&N響の「わが祖国」

2017-05-14 12:22:01 | コンサート

昨日、13日の土曜日。

5月最初の演奏会に行ってきました。2月以来のNHKホール。あいにくの雨模様でテンション低いです。でも、スメタナの「わが祖国」を聴けるので、気分上々。


     

プログラムは、

  • スメタナ連作交響詩「わが祖国」全曲
指揮:ピンカス・スタインバーグ/コンサートマスター:伊藤亮太郎

という、ぜいたくにも1曲だけというもの。

スメタナの命日は5月12日。この日からチェコでは「プラハの春音楽祭」が始まり、そのオープニング・コンサートで「わが祖国」が演奏されることになっています。今年はダニエル・バレンボイム&ウィーン・フィル。去年はN響首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィが登場しています。日本人初は小林研一郎(2002)さんですね。

6曲からなっており、今回の演奏会では前半3曲演奏した後、休憩、そして後半3曲が演奏されます。

ピンカス・スタインバーグは、1945年イスラエル生まれ。父親は名指揮者ウィリアム・スタインバーグ。アメリカとドイツで音楽を学びます。ウィーン放送交響楽団の首席指揮者を1989~1996年まで務め、その後スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督(2002-2005)、そして現在はブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(2014-  )を務めています。N響には1986年、1992年、1994年、1997年、2006年に登場していて、今回が6度目の共演になります。1992年の公演で「わが祖国」を演奏しているので、25年ぶり2度目の演奏になります。


     

今年72歳のスタインバーグさんが颯爽と登場。指揮台に軽々と上がります。若々しいです。

1曲目「高い城(ヴィシェフラド)」。ヴィシェフラドとは、プシェミシュル朝時代(867~1306年)に栄えたプラハ近郊の王城です。曲の始まりは2台のハープで奏でられます。この部分は指揮者は棒を振っていなかったように見えました。2人のハープ奏者の行きもぴったりで、まるで遠い昔の時代へワープしたような気分になります。コンサート開始前、舞台上でいっぱい練習してました。ハープは持ち運びが楽でないですからね。この主題は2曲目「モルダウ」でも演奏されます。

ハープの荘重な演奏の後、オーケストラに荘重に引き継がれていきます。個人的には低音がもう少し欲しかった。演奏者の解釈なので、それはしょうがない。その後の「戦闘」と城の「崩壊」を描いた場面も軽く過ぎ去ります。


2曲目「モルダウ(ヴルタヴァ)」。モルダウ(ヴルタヴァ)はボヘミア地方を代表する河川です。全6曲の中で最も有名な曲で、単独でも演奏されますね。第1の源泉(フルート)と第2の源泉(クラリネット)が合流して川となり、中間部は森の狩り、村の結婚式、月夜の水の精が描かれ、冒頭主題が現れ再現部、「聖ヨハネの急流」を切り抜けると長調に転じ、1曲目に登場したヴィシェフラドの主題に到達します。チェコの歴史を描いたものとも解釈できますね。

よく演奏される曲だけあって、余裕しゃくしゃくの演奏。曲の開始のフルートとクラリネットのソロの素晴らしい演奏が光ってました。ここでのバランスは不満なし。中間部はテンポのメリハリが十分あり、聞きごたえがありました。フィナーレの輝かしい勝利と、曲が終わるのを惜しむようなテンポ設定が良いですね。


3曲目「シャルカ」。シャルカとは、伝説上の女戦士です。曲は物語に沿って演奏されます。①主人公が恋人の不実な行いに怒り、男たちへの復讐を誓う場面。②行進曲。ツティーラト将軍の軍勢が接近してくる様子を描写。③シャルカがツティーラトを誘惑。彼は彼女に愛を告白。④宴会の音楽。宴が終わり、眠り込む兵士たち。⑤シャルカの角笛で女戦士たちが集まり、男たちを虐殺していく。

速めのテンポで勢いよく開始され、その後テンポを落とし行進曲へ。この部分のテンポ配分が絶妙。その後、ここでもクラリネット・ソロが光ってましたね。スタインバーグのテンポの揺れが大きく、物語の場面を思い浮かべることが容易でした。⑤の場面での勢いのあるテンポが圧巻。個人的には、全6曲のうちで、この曲がカッコよくて好きですね。


     

4曲目「ボヘミアの牧場と森から」。この曲だけ特定の筋書きなし。主部はボヘミアの牧場を描き、中間部は森の情景を描いています。

冒頭、16分音符の動機で始まります。何か争いが起こるんではという雰囲気で始まりますが、これが治まると一転して牧歌的な雰囲気になります。森の情景でのホルンの演奏は牧歌的な雰囲気を醸し出していました。後半はやや早めのテンポで曲が進み、楽しそうに踊っている場面を思い浮かべました。


5曲目「ターボル」。フス戦争でハプスブルク勢力と激しい戦闘を繰り広げたチェコの反乱軍「ターボル派」を描いた音楽。大まかに曲は3つの部分からなっており、①レント。賛歌の旋律が断片ごと、行ごとに提示され、これら断片を動機としいて用い、②中間部のモルト・ヴィヴァーチェへ。緊張感が高まっていき、③レント・マエストーソで、賛歌の旋律が完全な形で姿を現す。

ここでもはっきりしたテンポ設定で、曲を進めていくスタインバーグ。

個人的には、アタッカで次の曲に行ってほしかった。なぜなら、5曲目はチェコ民族のこれまで辿ってきた苛酷な運命を描いており、6曲目は民族の未来をえがいているから。それに5曲目の終わりと6曲目の開始が同じだから。


6曲目「ブラニーク」。ブラニークはボヘミア地方に実在する山。伝説によると、ここには騎士たちが眠っており、チェコ民族が四方から攻撃を受ける時、彼らは聖ヴァーツラフに率いられて立ち上がるという。

5つの部分からなっており、①チェコの軍勢がブラニークへと退却していく様子、②山の情景。牧童が笛を奏でる様子を描写。③は①の部分を自由に展開した音楽で、曲が盛り上がったところで、④行進曲の旋律が賛歌「汝ら神の戦士たち」から採られており、⑤軍勢はやがてヴィシェフラドへと帰還する。①が回想され、輝かしく曲を閉じます。

②の部分でのオーボエ・ソロとホルンとの掛け合いがお見事。戦いの合間の牧歌的な雰囲気が出てました。フィナーレの盛り上がりは圧巻。曲が終わると、すぐに「ブラボー!」の声が上がっていましたね。それだけ興奮する演奏でした。


     

スタインバーグさんは、細かな曲の描写に優れた手腕を発揮する指揮者だと再認識。そして、どんなに名曲であっても手を抜かないということを実感した演奏会でした。本場チェコとは違った雰囲気の演奏でしたが、国が違えば、文化も違うし、歴史に関する考え方も違うので、それを抜きにしても十分楽しめた演奏会でした。

そしてN響はというと、、、。今年は、みなとみらいとミューザでも聞いてきましたが、NHKホールで演奏すると、なんか音が固い印象でした。次回のN響は、ミューザですから期待します。


日本のオケは、機械が演奏しているように正確だが、感情に欠けると言われていますが、これも文化の違いだと思います。日本の正確さは武器にしても良いと思います。あとは、どうやって感情を表現するかですね。今回のN響のプログラムに書いてあった、今年2月~3月にかけてのヨーロッパ演奏旅行の海外評を見て思いました。


     

では、最後に。NHKなので。

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