まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団創立60周年記念 特別演奏会

2016-12-24 19:51:12 | kyokyo
2016年12月23日(金・祝日)14:00 開演 @京都市勧業館みやこめっせ
指揮 : 広上 淳一・高関 健・下野竜也(常任) / 大谷 麻由美・水戸 博之 / 京都市交響楽団

            *  *  *  *  *

● シュトックハウゼン : 3つのオーケストラのための「グルッペン」
創立60周年を迎える京響の誕生と、ほぼ同時期(1955~57年)に作曲された前衛的な現代音楽作品。
大がかりな編成と空間的設営を必要とするため、日本で実際に演奏される機会は、今回でもまだ3回目です。

中央の高関さん指揮する第2オケを挟んで、左側に広上さん指揮の第1オケ、右側に下野さん指揮の第3オケ。
お互いに確認を取りながら指揮する必要上、高関さんは正面(客席)を向き、広上さんと下野さんは対向位置。

客席を囲むように配置された3つのオーケストラの間を、自由奔放に(或いは緻密に?)空間移動する音響。
現代音楽でありながら、あたかも原初的かつ呪術的な「宗教儀礼」に参加しているような思いを抱かせる作品。

● ジョン・ケージ : 5つのオーケストラのための30の小品
この作品ではオーケストラはさらに細分化され、客席を包み込むような配置。 まるで音の「環」の中に居るよう!
「あれっ、変な話し声が聞こえる!?」。 演奏は突然、設置されたラジオの受信する音声が合図で開始されます。

今回は、この時間に放送中のラジオドラマ「ヴェニスの商人」の音声。 これも、偶然性がもたらした産物と言える?
最初は、「演奏中に、スタッフの人たちの会話をマイクが拾ったのでは!?」と、勘違い(冷や汗)したぐらいでした。

前からも横からも後ろからも聞こえてくる音響。 偶発的な音響のぶつかり合いと重なり合いがもたらす不思議な感覚。
「チャンス・オペレーション=偶然性」を謳いながらも、極めて厳格に設定され、計算された作曲技法なのかも?

● シュトックハウゼン : 3つのオーケストラのための「グルッペン」(2回目)
休憩後に2回目の演奏があり、「今度は、席を移動して聴いてみましょう!」というアイディアも秀逸なものでした。
実際のところ、音響的な違いはあまりよくわかりませんでしたが、視覚的には気分一新で十分に楽しめました。

第1回目の演奏のときは満席の状態でしたが、さすがに許容範囲を超えた方々が退席され、ほぼ7割ぐらい埋まる。
それでも、音楽的好奇心、探究心の旺盛な方々が残ったという感じで、客席の方はより純度が高まった(?)印象。

会場のみやこめっせは、通常は大規模な展示場として利用されており、残響は抑えられて設計されている感じ。
拍手してもホールのようには響かず、歴史的な演奏をされた京響の皆さんには、その熱気が伝わったかどうか?

            *  *  *  *  *

こういう「記念碑」的な演奏会の場合、祝祭にふさわしい華やかな作品が選ばれ、大いに盛り上がっての終演が通例。
あえて感動とは無縁の前衛的作品を選び、果敢に挑んでいった京響の皆さんに、心からの敬意を表したいと思います。

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