満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

容疑者Xの献身 文庫感想

2009-03-10 | 本の紹介
 

東野圭吾作品は
「秘密」「手紙」などを読んでいたが…
実はこの作品が東野圭吾作品とは、知らんかった(笑)
先に、TVドラマシリーズを見てしまったもんで…
あの、東野圭吾作品と知ったあとも
ドラマでイメージが固まってしまっているので、今さら小説を読んでもな~
ってな気持ちの方が強かった

最初に出たのが「探偵ガリレオ」次に「予知夢」
この2冊は短編集となっている
最近、映画でもお馴染みの「容疑者Xの献身」は、このシリーズ初の長編

どうせ読むなら3冊一気に読んでやろうと思い、手を出した(笑)

探偵ガリレオの「ガリレオ」はあだ名
本名は「湯川学」帝都大学理工学部、物理学科准教授・第十三研究室配属
つまり、探偵ではない

ではなぜ探偵の真似事なんぞをするようになったかと言えば
彼の大学時代の友人に警視庁捜査一課所属、巡査部長「草薙俊平」というのが居て
怪奇現象っぽい不思議な事件の解明に、「湯川」を尋ねるようになり
疑問を疑問のまま放っておくことの出来ない「湯川」のツボを刺激し
事件を解決へと導いている
このポジションをTVシリーズでは女性にしている

ドラマや映画では、この「湯川」の役を「福山雅治」が演じているが
作者の東野圭吾は「湯川学」を「佐野史郎」のイメージで書いたそうな…(笑)
「探偵ガリレオ」の解説文で「佐野史郎」が、光栄だっと書いておる
佐野史郎だと相方は男性の方が似合うが
福山雅治だと女性の方が似合う感じがする
こういうところは映像スタッフは見せ方が上手いな~っと思う

ところで、最近の小説を読むと感じるのだが…
登場人物や登場する建物などの細かい描写が少ない
昔の小説と違い、唸るような「見事な表現力」が見当たらないのだ
読み手側が飽きっぽくなってしまい
クドクドとこんな人、こんな建物と説明された文を
最後まで読む根性が失われてしまったからかもしれんがの(笑)

そのかわりと言ってはなんだが「登場人物の行動の表現」を旨く利用している
読者は、段階的に小出しにされた登場人物の行動やクセを読み重ね
「こんな人?」っと人物像を作りあげていくようになっている
一話、二話、三話と読み進めて、人物のイメージが出来上がる作りだと思う

そのため、作者がイメージした人物と
読者が感じた人物のイメージが、少々ズレるという結果が生まれるのかもしれん

私の場合、福山雅治を先に映像で見てしまったので
どう、ひっくり返して読んでも「佐野史郎」は現れなかった(笑)
何度も「佐野史郎」をイメージして読んでみたが
気が付くと「福山雅治」になってしまっていた
その点では、文章は映像に負けておるな(笑)

また、東野圭吾の略歴(Wikipedia)を読むと
大学で電気工学科に在籍していたらしく、それで事件のトリックが工学的なのか?
とも思った(笑)
小説内で物理学者の「湯川」が、小学生でも習う実験っと言っているが…
化学も物理も苦手な私には、導きだされた実験の結果が想像出来ない(ハハハハ)
なもんでつい、「でんじろう先生の実験」を思い出しながら読んでしまった

仕事上、私の周りには「電気工学」系の人間が多いが…
彼らは皆、文学とは縁がない(笑)
「工学」を出ても小説家になれるのかっ!?っと少々驚いている

また、私の側にいる「化学専門おじさん」が以前に言っていた
化学は数学、物理は想像ってな言葉を思い出しながら
物理学者「湯川学」を想像して楽しんだ

ただ、ミステリとしては…私は少々物足りなく感じた

この「容疑者Xの献身」では、ミステリとしての是非が論議されたそうだが
「二階堂黎人氏の記事(2005.12.5部分)(2005.11.28反転部分のネタバレ)
特に二階堂氏の反転部分のネタバレ記事には、私も同じ意見をもった

ミステリに定義があるとは思わない
しかし…数学者ならあえて定義を作るかもしれんがの
では、文学者ならどうだろう?
定義の枠に収まらないのが文学だと思うが
「本格」っと付くのは変だろうっと言い出し論議になるところは
いかにも文学者っぽいと思う(笑)

「容疑者Xの献身」の中で、数学問題の一例として
「問題を回答する側と、回答された問題が正しいか検証する側とでは
 どちらが難しいか?」っという話が出る
こういうのを数学者ってのは、数式を当てはめて証明するらしい(笑)

ミステリの場合、作者は読者に挑戦状を叩き付けた所から話が始まる
戦いはフェアでなければならない
作者の土俵で戦うのだから、
作者は出せる情報は出来るだけ読者に提示しなければならない
もちろん、あえて伏せる場合もあるのだが、その場合は何処かに必ずヒントを作る
この部分が巧妙であればあるほど、読者は楽しい(笑)
読者は「多分、こういう結末では?」という組立を持って最後のページを読み
そこで読者が見落としていた事実に出会う頻度が高ければ高いほど
この作者・・・巧い。なんぞと思うのである(ハハハハハハ)

この「容疑者Xの献身」におけるトリックは大きく見ると「1個」しかない
あとは容疑者達の心の中に隠されている
そして一番肝心な事実は、湯川の推理だけで…
「本当の真実はアナタがお考え下さい」で、終わっているのである
ま、容疑者の「雄叫び」が何を意味するのだろう?ってな霞を残してな。

このやり方。ありだがズルイ(笑)
なんだか…最近の読者なら、この程度でも十分に楽しめたっしょ的な
あざとさを感じる
確かに、本を読みなれた読者なら…何か違和感を感じると思う
だが最後の最後の気持ちを隠したいのなら
必ず「そうなの?」っと読者に感じさせるヒントを残して終わるべきだろう

本文中になんどか
「幾何の問題に見せかけて、実は代数の問題」というフレーズが出るので
それが何処で使われているのかを読者は探す
答えの「1つ」はトリックで使っているので気が付くが
その裏に、もっと大きなトリックやすり替えを隠そうとしている意図が見える
なのにヒントが何もない。
これほど、ムカついた小説も久しぶりだ(ハハハハハハハ)
言い換えれば、東野圭吾の巧さにやられたってことか…(笑)
だが、同じ用法を次回作でも使ったら、私は東野圭吾作品はもう読まない
別な意味で忘れられない作品となった(クソ~~~~~!)

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4 コメント

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ミステリー&サスペンス (ココア)
2009-03-10 17:49:21
3冊とも読みましたよ。
満天さんには、お気に召さなかったかな…
私は、最初に予知夢を読んだので
これが一番好きでした。
ドラマの前だったので、佐野史郎のイメージで読みましたよ。
福山はちょっと違う感じ。
ミステリーとサスペンスの違いって、知ってました?
私は、恥ずかしながら、最近知りました。
サスペンスは、最初から犯人がわかっている。
ミステリーは、最後に犯人がわかるそうです。
なので、東野作品は、サスペンスなのですね。
ご返事どす~ (満天)
2009-03-10 18:52:58

そうですの~
私も「予知夢」が一番好き~~(笑)

容疑者Xの献身は…ミステリ大賞を取ったそうなので…
つい、力を入れて書いてしまいました~(笑)
気に入らなかったってわけではないっす
(ハハハハハハハ)
本の内容事態は面白い
ただ、作者に騙されたような気がしただけです

ココアさんは容疑者Xをどう感じましたか?
数学者は…本当に奥さんが好きだったと思いますか?
娘は何故自殺未遂を起こしたと思います?
娘と数学者は…何度か母親が居ない時に電話で話していました
数学者の本当に愛した人物は…娘でないでしょうか
これが幾何と見せかけた本当の関数だったら…
な~んて色々と考えると、もう少しヒントくれ~!
なんてコッチが叫びたくなります(笑)
どっちが先か? (keroyon)
2009-03-10 21:39:31
原作か、映像か?
TVドラマを先に視たので福山雅治が固まって佐野史郎がイメージ出来なかったのですね。

私はほとんど映像から先に入って、良ければ原作を読むのですが(実際は、ほとんど映像止まりですが・・)

映像から先に入ると原作のイメージがないから、受け入れるのに全く抵抗がないですよね。

「NANA」や「20世紀少年」は映画が先で後で原作読みましたが、マンガもメチャ面白かった。
その世界観が映画、マンガ共にそのまま表現されてて全く違和感がなかったです。

「ドラゴン桜」は原作が先で後でドラマ視ましたが、原作と違う点、登場人物が整理されてるところも映像としてはかえってスッキリしてて納得出来たし、どちらも楽しめました。

ま、原作と映像は基本的に別の作品だと思うので、違うところが面白いと思います。
ご返事どす~ (keroyonさんへ)
2009-03-11 10:56:49

そうですね~~~
実写と漫画なら、毎回思うんですが
漫画の方が面白いかな~って思います(笑)
映画では現せない細かい部分が沢山あるので…

小説とTVドラマならTVドラマの方が
面白い場合があると思います
それでも、小説の方が面白いっと思える人も居ます(笑)
そういう人は、本当に文章を書くのが上手なんだと思います

私も、基本的には映像と本や漫画は別ものと捉えて読んでます

今回、クドクドと書いたのは…(笑)
この容疑者Xの献身がミステリー大賞を取ったもんで…
最近、どの大賞作品を見ても…
選考が甘いな~っと思いまして…(ハハハハ)
この作品もミステリではなく
違うジャンルなら当たりだろうと思うんですが
東野作品を好きな人が多い中、
ちょいと思い切って「本格的」なミステリーについて
語ってしまいました~(笑)

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