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TERRA NOVA / Voyager Ultra 2 使用レポ

2014-09-29 20:09:29 | テント




軽量テントといえば、これまでTerra Nova社のLaser Photon Elite やギネスブックにも載るLASER ULTRA 1を利用してきましたが、やはり、設営の面倒さと耐風性能を考えると、自立式のドームテントが恋しくなってきます。
そこで、同社のオハコともいえるVoygerシリーズのULTRA 2を購入し、外で張る機会をうかがってましたが、長雨でずっと機会を逸したまま室内待機。






そしてようやく先日、外で張る機会を得ました。





まずはインナーの様子から。
軽量化をうたってメッシュを多用するのではなく、きちんとインナーの生地が配されているためにフライの結露水が風の煽りでテントに素通りで滴り落ちにくい仕様になっています。
また、他社のUL系幕が採用しているパーシャルフレームではなく3本単独のフルサイズのフレームからなる典型的なジオデシックドーム構造なので、断然に安心度が高いといえるでしょう。

ちなみに購入の1つの決め手は、フレームが金属であることでした。もしこれが軽さ追求でヤワなカーボンなら買わなかった。テントフレームではないけれど、以前、カーボンゾンデを折ってしまった苦い経験からカーボンは個人的には信頼していません。

軽量化を言い訳にドームの性能を一切削り取ることのない妥協のない造りは、この手の幕ではベンチマークと言えるのではないでしょうか。






こちらはフライをかけた様子。
ゴミ袋と揶揄されるウルトラファブリック(キューベンファイバーファブリック)は、フライおよびインナーのフロア部に用いられており、防水性はULTRA1と同じく強力。
ところでこのフライについて、よく見ると縫い目がいっさい見当たらないのにお気づきでしょうか。

Ultra1の場合、ポールスリーブのところでキューベンが縫い合わされてますが、こちらUltra2にはそうした縫い目が見当たらない。
見た目、立体に織られた一枚布のようで、これがMade In UK品質というものなのでしょうか。





TERRA NOVA社はこのULTRA 2を製作するにあたり、キューベンの生地を貼り合わせるための設備を新たに導入したそうで、強度を維持しながら接着できるこのBONDED技術により、縫い目からの雨の侵入を防ぎかつ軽量化にも貢献しているとのこと。
この技術はLASER ULTRA1が発売された2011年にはまだ同社では確立されてなかったのだとか。
でも確かにこの素材は、ちょっとした突き上げで穴が開き、それをきっかけに裂け易いというのをULTRA1で経験してきました。そして、縫うということは針で穴をあけるわけで、テンションがかかるところにそうした処理はできるだけしたくないのかもしれません。





両サイドについているガイラインのアンカー部分に縫い目が見られますが、アンカー自体はフライに丁寧に張り付けられています。
いい仕事してますね~





要するに縫い目から水がしみ入る心配が無いので、Ultra1のようにポール周りの縫い目を覆うフライも不要。余計な重量増がありません。
ただし、あまり売れていないとなると設備の原価回収には苦労することでしょう。それでもあえてこうした技術的チャレンジを続ける同社の姿勢に対しエールを送りたいですね。

そして技術は日進月歩で、タイムリーに製品にフィードバックしてゆく同社のことですから、2013年に登場した話題の防水透湿素材 eVent を用いたシングルウォール幕もいずれ近いうちに登場しそうな気がします。





カタログでは1~2名用とありますが、1名利用でちょうどいい感じの広さ。寸法的には稜線の狭いテン場ではギリギリOKな感じでしょうか。

居住具合については、ULTRA1の場合は寝床とするには十分だけど、いざ生活するとなると窮屈さは否めず何か積極的にテント内でやろうと思わない。
一方でこのULTRA2については、しゃがむことも可能な高さ(100cm)が確保されていて、読書したり調理したりと、いろいろとやってみよう思える空間がある。

この快適さのために余計に500グラムを背負うかどうかの問題なのでしょう。自分は断然背負う気になってます。






床はバスタブ状になっているところがニクいですね。

他、写真にはないですが、アクセスし易いところにメッシュポケットがあったりと、細かいところに必要なスペックが盛り込まれているのには感心します。

入口と足下にメッシュが配され、換気は十分でしょう。

海外にユーザによると夏場は蒸すというレポがあがってます。確かにキューベンは日があたるとそれ自体がレンズみたいな効果で日差しを増幅するようで、
ULTRA1の場合、テント内の換気うんぬんというよりか、じっとしてると熱中症になるかも、と思えるほど過酷な経験をしたことがあります。
でもその経験から、ULTRA2も同じことだろうと予想できるので、日が照ってきたら外に出るなどといった回避する術を知ってるので、個人的にはさほど問題ではありません。

それよりも問題なのは、フロアにキューベンが用いられていること。これはULTRA1でも散々酷評した通り、岩場のテン場ではそのまま寝たら必ず穴があきます。よって穴が怖いようならグランドシートは必須といえます。でもそうするとタイベックシートを用いたとしても結局は1kgを超えることになる。





今回はせっかくのオートキャンプなので、マットレスを重量系のテンピュールにしてみました。1人用のFUTON1がジャストサイズで収まります。






その上に羊毛のラグを敷いて、これでフカフカほかほかの寝室ができあがりました。山では決してあり得ない組み合わせですね(^^;
オートキャンプならではの楽しみ方かと思います。





ポールはカタログに記載されているスカンジウムではなくDAC製 Featherlite NFLと呼ばれる最近よく軽量テントで用いられている最新のモデル。
CampSaverに書かれていたレビューからこのカタログスペックとの違いについては予想がついていました。

個人的にはDAC製のポールは中のテンションコードが緩くスカスカと抜ける印象があり好きではないのですが、
このFeatherlite NFLについてはそうした印象を払拭させるものがあります。テンションはきっちりあり、それでいてとても丁寧に加工されている様子が手にとって感じることができました。
なので、これならば別にスカンジウムではなくてもネガティブな印象は受けません。





クリップ部はしっかりとポールを捉えます。






スタッフサックの比較。左がVOYAGER ULTRA 2、右がLASER ULTRA 1になります。
見た目さほど、大きな差を感じません。ULTRA 1の方は薄手のシルナイロン製で、ULTRA 2の方は内側にウレタンラミネートされた一般的な薄手のナイロン製。
ULTRA 1のほうが軽量化に徹底したこだわりを感じます。






山デビューは来夏。スピーディな設営ができ、ドームという安心感、そして適度な居住空間と、どうやらULTRA1 と交代になりそうです。







ところで、Terra Novaでは2015年春に、772グラムのSolar Ultra 2をラインナップするそうで、同じ2名用のVoyager Ultra 2より180グラムも減量。
フレームワークにはハブが用いられていることから、強度的にはVoyagerのほうに軍配があがりそうですが、居住性はどうなんだろう、と気になるところですが、
当分は、Voyager Ultra 2を楽しんでいこうと思います。






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