会長のつぶやき

(一社)新潟県作業療法士会会長の横田です。
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作業療法士の役割('◇')ゞ

2016年10月12日 | 県士会
先日、介護支援専門員「専門研修課程Ⅱ」の講師を行ってまいりました。介護支援専門委員との協業は「地域包括ケアシステム」を持ち出す必要もないほど当たり前に求められていることです。
しかし、付き合いの長いはずの介護支援専門員の方々からも「作業療法士の役割」が良くわからないと言われます。今回の講義で介護支援専門員の方々にお伝えした内容の一部を報告します。

1.リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることによって、各個人がみずからの人生を変革していくための手段を提供していくことをめざし、かつ時間を限定したプロセス。単に機能訓練を示すのではなく、人間らしく生きる権利の回復を意味します。利用者さんが主人公です。加齢や障害が無かったら、行えるはずの生活ができるようにする事です。
2.病院のリハには疾患別に上限があります。無期限には継続出来ません。介護保険のリハサービスへの移行が強く求められています。
3.至れり尽くせりサービスだから患者さんは「病院」のリハが大好きです。介護保険のリハに移行するには、病院のリハの側の工夫が必要です。病院のリハも「機能回復」を目的にせず、「活動」と「参加」を目的にする必要性があり、「活動」と「参加」に向けた取り組みをセラピストに直接伝える必要性があります。
4.介護老人保健施設のリハは「在宅復帰」「在宅生活継続支援」に完全に軸足を移しました。漫然とした機能訓練や機能維持目的リハは淘汰されます。明確な「本人の意欲向上図れる生活目標」が必須です。
5.作業療法士は生活課題を「工程分析」し、いつ・どこで・誰が・何を・どうするとその目標は達成できるのか?をクライエントや他職種に提示します。活用してください。
6.生活課題を解決するために3職種の役割の違いは次の通りです。PT:体の問題が分かる。体の回復の可能性が分かる。体の問題にどう対応したら良いか分かる。OT:生活の問題が分かる。生活行為を工程分析する。生活の可能性と対処方法が分かる。ST:嚥下とコミュニケーションが分かる。
7.「評価」より専門職を活用してください。課題がどこにあるのかの判断から行います。「訪問リハ」で生活課題の評価、見通しや解決策を複数提示します。「総合事業」では介護予防水際大作戦である「訪問C」の制度があるので地域に働きかけてください。
8.生活課題に特化した練習を「通所リハ」で行えます。集団の力で回復促進します。「総合事業」では生活課題解決型通所サービス「通所C」があります。地域に作りましょう。
9.介護職がリハビリテーション専門職と共同してアセスメントを行うことで、介護職はトイレ動作などのADLや家事などのIADLに関する本人の生活行為能力を把握でき、過介護を予防し、本人の有する能力を引き出す介護が提供できます。
10.リハビリテーション専門職が訓練によって向上させた生活行為の能力を、介護職が生活の中での支援に活用することで、リハビリテーション専門職自らが訓練に毎日訪問せずとも日常生活での実践ができ、自立に結びつけることができます。
11.リハビリテーション専門職と看護職とが連携することで、身体機能の改善、動作練習、適切な福祉用具の活用や住環境の整備、社会資源の活用などの双方の視点から多面的なアプローチが可能となり、より効果的な自立支援につながります。
12.リハビリテーション専門職が看護職と連携することで医療ニーズの高い重度者に対し、リスク管理をしつつ、在宅での生活訓練を実施することができます。
13.「訪問」でも「通所」でも、自宅に関係者が集まって、本人を目の前にして検討しましょう。実際に生活行為を利用者さんに行ってもらうと良いです。そして目標を明確にしましょう。支援者間の顔の見える関係が大事です。伝言ゲームは失敗のもとです。リハ職に現地に直接来てもらいましょう。
14.訪問により実際の生活場面の把握を行い、生活場面で明らかになった課題を通所に反映させて、例えば生活機能の維持・向上のための機能訓練を行うなど、訪問と通所を効果的に組み合わせることにより、在宅で の生活を継続しやすくすることができます。
15.閉じこもり者や重度者などに対し、段階的に同一の担当者が訪問での利用者の心身の回復状況を把握しつつ、通所に向けてのタイミングを的確にとらえ、支援に活かすことができます。(重度の利用者が通所系サービスを利用できるようになることで、重度者の孤立の防止や家族の心理的負担軽減を図ることができます。)
16.訪問系と通所系の連携もしくは併設で、事業所間での職種の有効活用が図れ、重度者や認知症者などの多様なニーズへの対応や利用者の有する能力を最大限に引き出すケアなど、効果的・効率的なサービスの 提供が可能となります。
17.S-PDCAサイクルをリハ職は行っています。ケアマネジメントと同じ仕組みです。サイクルを回すコツは「小さな成功体験」で「やる気と生活意欲」を引き出すことです。
18.脳卒中モデルでは後遺症の予後がわからないと支援プランを組むことができません。予後予測できる職種・機関との連携が大切です。退院直後は生活再建のニーズが特に高いです。現地でのサービス担当者会議が大切です。後遺症は治らないので、治らない事は退院前に病院で伝えてもらう事が大事です。しかし、生活機能は退院後も改善します。病院と在宅のリハ職が直接会って話をしてもらう事が大事です。
19.生活不活発病モデルは生活を見直す事で改善できます。生活行為の工程分析により、出来るところと出来ないところを明確にして、出来るようにするプランを立てます。そのため、生活行為の分析と予後予測ができる職種・機関との連携が大切です。どの疾患モデルもこの要素を含みます。心身機能の向上に頼らず「触らないリハビリテーション」が大切です。まずは成功体験で意欲の向上がポイントになります。そのためには住環境整備が効果的です。
20.慢性進行性疾患モデルでは医療機関との連携が大切です。種々の症状を見据えた柔軟なプランが必要であり、重度化防止の視点が必要です。疾患は急変することは少なく、指導次第でかなり生活は良くなります。
21.急性進行性疾患モデルでは疾患が分かる専門職種・機関との連携が大切です。適切なモニタリングが必須です。病診連携では医師は医師と、リハはリハと、看護は看護と同職種間で直接連携を取ってもらいましょう。
22.福祉用具専門相談員・工務店との連携でのリハ職の活用は次のイメージです。症状:医師が診察診断処方→薬剤師が調剤・薬剤指導。生活課題:リハ職が評価判断処方→福祉用具専門相談員が準備・適合指導。なので住環境整備にリハビリテーション専門職が必要です。「現地」「当事者」「関係者」の法則があります。
23.もし、障害がなかったら。もし、加齢による影響がなかったら。もし、認知症がなかったら、もし、家族関係が悪く無かったら。もし、住んでいる場所がここでなかったら。もし、裕福だったら。もし、同居家族がいたら過せたであろう「生活」を取り戻すことがリハビリテーションであり、そんな「生活」を行うと「心身機能」までも維持向上できてしまう・・・それがリハビリテーションであり、その手段の一つが「住環境整備」です。
24.ケアプランを作る時の禁句があります。「リハビリ目的…」「リハビリをする…」です。サービス種別なので「リハビリテーション」という言葉は使いますが、目的やニーズ、ゴール、サービスプランには「リハビリ」というあいまいな言葉は使わないようにしましょう。トイレの練習が必要であれば「トイレ練習」としましょう。気分転換が目的であれな「気分転換」としましょう。決して「リハビリを目的に・・」とか「リハビリをする」のような表現はやめましょう。

「リハ職」としていますが、「作業療法士」を意味しています。様々な場面で横田は「作業療法士は生活の課題を解決すること」が仕事ですとお伝えしています。
もちろんその他にも沢山できますが、まずは中核をお伝えしないと伝わりませんので(#^^#)
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