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映画・演劇のレビュー

2月の小説、DVD

2017-03-08 23:42:13 | その他
2月の小説は豊作だった。忙しいから映画や芝居をあまり見に行けなかったので、小説やDVDをたくさん見た。読んだ。DVDは12本。小説は13冊。あれ、あまりたくさんじゃない。要するに少ない持ち時間の中では、かなりの量をこなせたという意味での「たくさん」なのだろう。でも、さすがにそれぞれの感想を書く時間まではなかった。思いつくままに、軽くメモ程度の感想を書いておく。



古谷田奈月『シュンのための6つの小曲』はへんな小説だった。こんなのめったにない。みんなからアホシュンとバカにされている14歳の男の子が主人公。うまく人と付き合えないし、変わっている。彼は自分のことを楽器だ、と思う。自転車に名前を付ける。ジュライは友だち。クラスメートのトクとたまたま出会い、彼の持つギター(エイプリルと名付ける)に恋する。でも、もっと変人の指揮者イオタさんと会って、自分を見失う。偶然カンとも友だちになり、シュンは本当の自分であるセプテン(バー)になって心の殻に閉じこもるが、、トクの両親カンとエリに助けられ、再び自分を取り戻し、ほんとうの音楽になる。なんだか、わけのわからないあらすじでしょ。これはそんな小説なのです。



なんだかよくわからないけど犯罪小説もたくさん読んだ。『罪の声』も凄かったけど桜井紫乃『氷の轍』がよかった。松本清張の『砂の器』を思わせる。いや、映画のほうだ。野村芳太郎監督の傑作『砂の器』を想起させる。ラスト40分。交響曲『宿命』をBGMにして父と子の旅を描くクライマックスが、この小説のラスト、姉と妹が人買いの実父に売られていく姿と重なってくる。一人の老人の他殺死体が発見される。ふたりの刑事が犯人を追う。殺人事件の背後に浮かび上がる姉と妹の魂の旅。1冊の詩集(白秋の詩)を通して、彼女たちの再会とそこに至るさみしい人生が浮かび上がる。決して悪意はなかった。それどころか善意から。過去が今の彼女たちの今に手をさしのべた時、殺すしかないという結論に至るのも『砂の器』と同じだ。あまり推理小説は好きではないのだが、このタイプにはついつい乗せられる。



碧野圭『書店ガール5』も新展開でおもしろかった。ライトノベルとブンガクというテーマ設定も新鮮だった。



ツイ・ハーク『タイガー・マウンテン』は中国で大ヒットした大作映画で、ちゃんと中国で大スクリーンで見たらよかったと思わせる映画だった。ジョニー・トーのミュージカル『香港、華麗なるオフィスライフ』も楽しめる。DVDで見る映画は、あまり緊張しなくてもいい娯楽作品がいい。ノルウェー映画『ハロルドが笑う その日まで』も、笑えた。IKEAがこういう映画に協力しているのも凄い。何がすごいのかは、見ればわかる。



劇場で見るほどではないけど、少し気になった映画を軽い気持ちでレンタルして見るのもいい。忙しい時の息抜きとしてそんな見逃していた映画を見て、劇場で見なくてよかったなぁ、なんて思うのも、楽しい。『愛の小さな歴史』や『ライチ光クラブ』『赤い玉。』なんていう映画も見た。



フランス映画『カミーユ、恋はふたたび』は予告編を見た時から気になっていたけど、実際に見ても、これは大胆な設定だと驚く。リリーフランキー主演の『シェルコレクター』は少しがっかりした。



12本見た中で一番よかった映画は、一昨年劇場で見てベストワンにした『岸辺の旅』。なんだかなぁ、だけど、いい映画はやはりいい、ということか。DVDで見ても、2度目でも、すごくよかった。
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