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映画・演劇のレビュー

浪花グランドロマン『夢見る年頃』

2017-05-18 22:21:57 | 演劇

 

NGRの芝居でこういう小さな会話劇を楽しむ日が来るなんて思いもしなかった。しかも、今回は女たちだけのお話である。もちろん浦部さんのフットワークはいつも軽やかで、今までだって、どんな題材にも好き嫌い無く取り組んでいた。だが、25年にわたるテント芝居(スケールの大きな作品を作らねばならない、というプレッシャー)を終わらせてからは、より意図的に小さな会話劇にこだわっているようだ。

 

近未来というSF的設定も隠し味にして、でも、表面的にはそこには重きを置かず、女4人のとりとめもない会話を楽しもうとしている。70代、80代という高齢者たちが、表面的な若さをキープしたままで過ごすシェアハウスが舞台だ。認知症にも少しは触れるけど、老いと正面から向き合うわけではない。気の合う女同士で、楽しい人生の終末を過ごすことが前面に出る。突き詰めていけば、しんどくなることも、こんなふうに軽く描くことで、その先にある可能性もそこに見いだす、というのが浦部さんの姿勢なのだろう。それでいい。

 

だから、ラストで南の島への逃避行も、まるでバカンスを楽しむような軽快さだ。そんな4人の老女たちに拉致されて、最後には彼女たちの仲間入りする若い女も含めて、女たちはしたたかで、唯一登場する男である福島祥之介は彼女たちに翻弄されるばかりで、おもちゃにされ、徹底的にバカ扱いされるのも楽しい。

 

 

 

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