習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

演りだおれ『塵芥』

2016-10-29 20:40:29 | 演劇
こういう難解で、観念的な芝居を作りたい、と思える若い人たちが今もちゃんといる。頭の中でこねくりまわして、その理屈にきちんと答えを出そうとする。もがいて、あがいて、ゴールにたどりつく。そんな姿を作品にする。



この世界がどうなっているのか。そこにある矛盾とどうむきあい、その先に確かな出口を見つけようとする。



この世界はいくつもの塵芥(それを「人間」と呼んでもいい。塵芥は人界)から出来ていて、彼らが他者と向き合い、生きている。宇宙と、生活をみつめて、科学的に答えを出そうとする。世界の真理を求める旅。



誰からも相手にされないし、自分も誰も相手にしていない。そんなひとりの科学者の妄想。宇宙の果てから旅立ち、コンビニへとたどりつく男。この極端さが面白い。



男が、しばらく考え事をしているうちに、コンビニだった場所は今では喫茶店になっていて、そこで「自由」というたった250円のコーヒーや、なんとも贅沢の極みであるケーキセットを注文する。ケーキは特別なものなので、ふつうは誕生日とかにしか、食べられないもの。じゃぁ、誕生日がなんで特別なのか。



そんなくだらないようなことを、とても真摯に、破綻なく、理路整然と描こうとする。言葉の綾でしかないようなことに拘るのだ。



これは10代にしか出来ないような芝居だ。真剣に自分と向き合おうとする。芝居によって世界の真理を描くのだ。この真面目さが見ていて少し気恥ずかしいのだけど、眩しい。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 競泳水着 大阪部『Nice to m... | トップ | 遊劇体『ありとほし』 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

演劇」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。