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映画・演劇のレビュー

『怪物がささやく』

2017-06-15 21:00:55 | 映画

 

モンスターが語る3つのお話と、その先にある少年の真実。4つの物語を通して、母の死という事実を受け入れられない少年の「心の旅」をファンタジーとして描く。これはもう一つの『みつばちのささやき』だ。あの映画の少女とモンスターの話が、少年とモンスターの話として置き換えられた。もちろん、お話自体はまるで別物なのだが、その底を流れる想いは重なる。どちらもスペイン映画という共通項は偶然ではないだろう。

 

ハリウッドのSFXを駆使しながらも、そこを見せ場にするわけではなく、あくまでも、少年の孤独を描くことがテーマで有り、SFXはそのための仕掛けにすぎない。

 

3つの話はとても奥が深い。一筋縄ではいかない。少年を混乱させる。(僕たち観客も) だが、その先で、少年が出す答えだが、そこが単純な謎解きでしかないのはもったいない。問題はその先なのだ。母親の死を受け入れる。それだけでは意味がない。

 

少年が大人へと一歩を踏み出す。彼の成長がどこにつながるのか、そこをもっと見せて欲しかった。とても暗くて重い映画だ。だが、それだからこそ、その闇の深さの先にある日からに手が届く。母の死を受け止めることで少年がどこにたどりつくのか、そこまで描けてなら傑作になっただろう。

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