さて、大学では在日政治団体系サークルに所属しました。民団系でも総連系でもないグループです。といったら分かる人には分かってしまうかもしれません。いわゆる○学△とか○青△とかいうやつです。サークルに入った感想は、結論から言うと、韓国語の勉強や韓国文化への触れ合い、という意味では非常に良かったですが、政治闘争という意味では私の主義とは、まったく相容れないものでした。
サークルに入った後知ったのですが、まず帰化しているのは私だけで、どうも帰化したコリア系はこういったサークルには所属しないようでした。また、在日運動家が帰化に対していい感情を持ってないことを、初めて知りました。やれ、帰化できるのは一部の人間で、在日への裏切りだとか、帰化しても差別は消えないだとか、民族を捨てるのかとか、日帝に押し付けられた名前(通名)で生活するのか、云々。これでは誰も帰化した人間は参加しないだろうな、と思いました。
サークルに入ってまずやった大きな経験は、(ある事件での)韓国大統領への抗議のためのハンガーストライキでした。これがまた、ものすごくお腹がすきます(当然なんですけど)。終わった後周りの中には、感極まって泣いちゃう子もいたのですが、私は二度とやるか、ってな気持ちでいっぱいでした。なんか単なる自己満足のためにやってるような感じ。シュプレヒコールを上げながらのデモもやりましたが、通行人にじろじろ見られてこっぱずかしかったです。という感じで、途中からこういった政治運動には一切参加しなくなりました。
政治関係の学習会では、在日関係の話と本国(韓国と北朝鮮)の話の2本立てでした。在日関係では、民団・総連などの歴史、在日の差別問題などが主でした。本国(韓国と北朝鮮)の話では、植民地時代、戦後の両国の建国の歴史、朝鮮戦争、その後の両国の復興などです。
在日関係については、在日への制度上の差別問題を学ぶと言う意味において、とても有意義でした。ただ私が通ってた頃はすでに就職差別などほぼ過去のことになりつつあったのに、それをさも現在進行形に言うのはどうかな、と思いました。政治団体については、当時韓国が軍事政権であり民団がそれを支持していたために、民団に対してはかなり厳しい態度でした。一方総連に対しては、あれだけ北朝鮮政府が軍事独裁にもかかわらず、非常に寛容な姿勢で、若輩ながらものすごく反発した記憶があります。以前にも書いたように、私は小さい頃から共産主義嫌いだったので、このダブルスタンダードには全く理解ができなかったです。
このことでは、上の人間と相当議論になったのですが、彼等いわく「北朝鮮とは統一を考えていかなければいけない。いわば結婚相手だ。だから我々は身内である韓国側の批判をしなければならない。」あと、彼らが常に言っていたのは、統一の最大の障害はアメリカだ、ということです。ソ連・中国はどうやねんっちゅうねん。
本国関係については、まずは日帝時代の歴史。これは今まで私が自分で学んできたきたことに比べて、相当偏ってました。いわば日帝は徹底して悪であり、それがために原爆投下も正当化される、というような論調です。また戦後に関しては、徹底してアメリカが悪。朝鮮戦争の責任もアメリカにあり(北朝鮮こそが正当国家であり、韓国はアメリカの傀儡)、その後の統一を妨げているのもアメリカ、という論調です。北によるテロ事件も、すべて韓国側の捏造。それこそ今話題の日本人拉致事件(当時は拉致疑惑)も、日米韓によるでっちあげ、云々。
ただひどい捏造も多かったですが、一部真実もあったのは確かです(赤狩りの名を借りた済州島虐殺事件や、民主化弾圧した光州事件など)。そういった自分の知らない事実を発見できたのは大きかったと思います。しかし結局、自分の考えと全く合わないサークルだったし、自分だけが帰化していると言うこともあり、違和感がどんどん強まっていきました。さらに、このサークルの団体も含め在日政治団体はいくつかあるのですが、どの組織もお互いに仲が悪く、まったくもって見苦しいほどの悪口の言い合いでした。まるで共産党と社会党の喧嘩のようです。こうして2年も経たないうちに離れていきました。
この組織を離れた後ソ連崩壊が起こり、欧州で東側諸国が次々とドミノのように倒れていきました。このときは本当に興奮し、ついに朝鮮半島も統一するか、という期待でいっぱいになりました。しかし結果は、中国の天安門事件をはじめ、極東アジアでのドミノ倒しは起きませんでした。これを機に私の中で完全に、朝鮮統一(ドイツ型の吸収合併)という夢が潰えました。その失望のせいか、今まで韓国にすら行った事はないし、未だに何か行く気がしません。
しかしここでの2年間は、それなりに私の考えに影響を及ぼしたのは確かなようで、特に帰化したことに対して、何か民族を裏切っているような罪悪感を持ってしまい、そのことに苦しむようになります。これをどう克服できたかに関しては、また次回ということで。
(前回はこちら)
サークルに入った後知ったのですが、まず帰化しているのは私だけで、どうも帰化したコリア系はこういったサークルには所属しないようでした。また、在日運動家が帰化に対していい感情を持ってないことを、初めて知りました。やれ、帰化できるのは一部の人間で、在日への裏切りだとか、帰化しても差別は消えないだとか、民族を捨てるのかとか、日帝に押し付けられた名前(通名)で生活するのか、云々。これでは誰も帰化した人間は参加しないだろうな、と思いました。
サークルに入ってまずやった大きな経験は、(ある事件での)韓国大統領への抗議のためのハンガーストライキでした。これがまた、ものすごくお腹がすきます(当然なんですけど)。終わった後周りの中には、感極まって泣いちゃう子もいたのですが、私は二度とやるか、ってな気持ちでいっぱいでした。なんか単なる自己満足のためにやってるような感じ。シュプレヒコールを上げながらのデモもやりましたが、通行人にじろじろ見られてこっぱずかしかったです。という感じで、途中からこういった政治運動には一切参加しなくなりました。
政治関係の学習会では、在日関係の話と本国(韓国と北朝鮮)の話の2本立てでした。在日関係では、民団・総連などの歴史、在日の差別問題などが主でした。本国(韓国と北朝鮮)の話では、植民地時代、戦後の両国の建国の歴史、朝鮮戦争、その後の両国の復興などです。
在日関係については、在日への制度上の差別問題を学ぶと言う意味において、とても有意義でした。ただ私が通ってた頃はすでに就職差別などほぼ過去のことになりつつあったのに、それをさも現在進行形に言うのはどうかな、と思いました。政治団体については、当時韓国が軍事政権であり民団がそれを支持していたために、民団に対してはかなり厳しい態度でした。一方総連に対しては、あれだけ北朝鮮政府が軍事独裁にもかかわらず、非常に寛容な姿勢で、若輩ながらものすごく反発した記憶があります。以前にも書いたように、私は小さい頃から共産主義嫌いだったので、このダブルスタンダードには全く理解ができなかったです。
このことでは、上の人間と相当議論になったのですが、彼等いわく「北朝鮮とは統一を考えていかなければいけない。いわば結婚相手だ。だから我々は身内である韓国側の批判をしなければならない。」あと、彼らが常に言っていたのは、統一の最大の障害はアメリカだ、ということです。ソ連・中国はどうやねんっちゅうねん。
本国関係については、まずは日帝時代の歴史。これは今まで私が自分で学んできたきたことに比べて、相当偏ってました。いわば日帝は徹底して悪であり、それがために原爆投下も正当化される、というような論調です。また戦後に関しては、徹底してアメリカが悪。朝鮮戦争の責任もアメリカにあり(北朝鮮こそが正当国家であり、韓国はアメリカの傀儡)、その後の統一を妨げているのもアメリカ、という論調です。北によるテロ事件も、すべて韓国側の捏造。それこそ今話題の日本人拉致事件(当時は拉致疑惑)も、日米韓によるでっちあげ、云々。
ただひどい捏造も多かったですが、一部真実もあったのは確かです(赤狩りの名を借りた済州島虐殺事件や、民主化弾圧した光州事件など)。そういった自分の知らない事実を発見できたのは大きかったと思います。しかし結局、自分の考えと全く合わないサークルだったし、自分だけが帰化していると言うこともあり、違和感がどんどん強まっていきました。さらに、このサークルの団体も含め在日政治団体はいくつかあるのですが、どの組織もお互いに仲が悪く、まったくもって見苦しいほどの悪口の言い合いでした。まるで共産党と社会党の喧嘩のようです。こうして2年も経たないうちに離れていきました。
この組織を離れた後ソ連崩壊が起こり、欧州で東側諸国が次々とドミノのように倒れていきました。このときは本当に興奮し、ついに朝鮮半島も統一するか、という期待でいっぱいになりました。しかし結果は、中国の天安門事件をはじめ、極東アジアでのドミノ倒しは起きませんでした。これを機に私の中で完全に、朝鮮統一(ドイツ型の吸収合併)という夢が潰えました。その失望のせいか、今まで韓国にすら行った事はないし、未だに何か行く気がしません。
しかしここでの2年間は、それなりに私の考えに影響を及ぼしたのは確かなようで、特に帰化したことに対して、何か民族を裏切っているような罪悪感を持ってしまい、そのことに苦しむようになります。これをどう克服できたかに関しては、また次回ということで。
(前回はこちら)
日本にいる在日のひと達は一度日本の外に出てみたほうがいいのではと思います。そうすれば、差別もあったけど、日本が僕達を受け入れていたことがよくわかるのではないかと思います。
まさにその通りですね。次回書くつもりですが、在日の人は是非海外に出てみて、自分のアイデンティティが何なのかを確かめた方がいいですね。
それに在日コリアン活動家の方々の間では北朝鮮にシンパシーを感じているというお話も意外でした(そもそも在日コリアンの方々が作っている団体に韓国系と北朝鮮系の二種類があるというのも知らなかったのですが)。韓国を身内といいながらアメリカの傀儡と読んで批判しているところにはその団体は迷っているのかなあ、という感想を持ちました。
それにしても本当に朝鮮半島の統一は不可能なことなのでしょうか。わずか半世紀かそこらでそんなに違う国になれてしまうものなのでしょうか。他人のせいなのに。なんだか寂しいです。
朝鮮半島の統一は無理だと思います。何せドイツと違って、一度本気で戦争をして殺しあってしまいましたからね。分断は他人のせい(冷戦)ともいえますが、その時代でもオーストリアは永世中立国として独立したので、やはり朝鮮民族が賢明ではなかったのだと思います。とても残念です。
私はただの日本人で、北米に長期滞在したこ時に、韓国人と接する機会がありました。アメリカ、カナダではカルチャーショックを感じなかったのですが、韓国人に対して非常に大きいカルチャーショックを感じたのに強い印象を持っています。
ようこそ。次回の「生い立ち その五(結婚そして海外生活)」にも書いていますが、私の場合はアメリカ系韓国人、本国からの韓国人ともに、何のカルチャーショックも受けなかったです。むしろNYに住んでいた頃のまわりのアメリカ人のほうが、あまりにもselfishでとても嫌でした。SFのアメリカ人は、とても感じよかったですが。結局個人個人ではないでしょうか。