モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

雨にも振られローリーにも振られ・・・

2016-09-24 16:10:23 | 「てるてる家族」が歌ってる
これは前にも書きましたけど、
このドラマを振り返ってみて、ローリーの宇宙人ネタにはやっぱり首を傾げさせられるんですわ。
今日の回でそれにオチがつくわけですけども、それでもやっぱりその印象は変わらなくって、
って言うかもうとにかくくだらないとしか言い様がなくって、
だからどうくだらないかを順を追って見て行きますと、
まず冒頭のナレーションは「春子姉ちゃんの結婚式から数日が経ちました」って、
ほら、くだらないでしょう……いやいや、
くだらないのは春ちゃんの結婚相手であって、このナレーション自体はちっともくだらなくないけど、
と、ここでお店から柔道部員達がエッホ、エッホとかけ声かけて走りながら出て来るのがくだらなくって……いやいや、
これは今週の演出家さんのロングショット、長回しとともにお気に入りのアイテムなんでまあいいんですけども、
それと入れ替わりに佐藤のおじ様が入って来て、
遅くなったのを詫びながらベーカリーの開店祝いを冬子に手渡しまして、
「おおきに」と笑顔で受け取る冬子、
あの祝儀袋の中身、今とは物価の違いもあるけど、
きっと1万円はくだらない……って、お前がいちばんくだらんわってな文句が聞こえて来そうですけども、
でもって、ここで思い出す冬子、
「ずっと訊こう思てたんですけど、ローリーが宇宙から来たいうの、ホンマですか?」って、
今にも爆笑してしまいそうなのをなんとか堪えてるみたいな感じでそう尋ねますけども、
ところがさっきまでとはガラッと変わって驚愕の表情で冬子をじっと見つめる佐藤のおじ様、
冬子を引っぱって店の隅まで行き、声をひそめて、
「あんたその話誰に聞いた?」
「え? あ、うん、ローリーから…」
すると、誰にも言うたらアカン言うてるのに……と嘆いて見せた後、
「ホンマや」と大きく頷くおじ様。
「えへへえ〜っ!?」って笑いながら疑念を示す冬子の言い草がむっちゃ可愛い、
この上なくくだらない状況やのに可愛すぎるんですよねえ、
で、そんな冬子にまた大きく頷くおじ様、
すると今度は冬子がおじ様を店の裏まで引っぱり出し、
「ウソでしょ、そんな話…」と笑ってみせるけど、
「ホンマや、ホンマのことなんや」と大真面目なおじ様、
「あいつな、宇宙から送られて来たんや」
「ウソや…」と半信半疑になる冬子。
「そうか、冬ちゃんに喋ってしもたか、まずいことなったなあ…」
「喋ったらアカンの?」
「喋ったら宇宙に帰らなアカンねがな」
「えっ? ホンマに?」ともう完全に信じきってしまって、
目を大きく見開いてそう尋ねる冬ちゃんがまた可愛いわあ、くだらない話やけど。
「あの可愛い孫とな、一緒に暮らせんのも後ちょっとやな」
そう嘆くおじ様に、どないしたらええの? 止める方法あらへんの?って、
くだらない話やのに必死になって尋ねる冬ちゃんがまた可愛いわあ。
すると、正体を知った人に「好きや」と言うてもろたらええって、
またとんでもなくくだらないことを言うおじ様。
それに対して「ええっ!?」って怪訝そうな冬ちゃんがまた可愛くって、
「そやからな、あんたがな、あいつに好きやて言うてくれたらな、
 あいつ人間になれるんや」
「ウソや、そんな話」と笑って否定しようとする冬ちゃんもまた可愛くって、
「ほれみい、信じられへんやろ、そやからアカンねやあ、
 な、そんなことな、世間の皆さん誰も信じへんで、
 そやからそんな奇跡は起こり様があれへんねや、
 残念やなあ、ほなしゃあないわなあ…」
もはやくだらないを通り越して支離滅裂なことをぬかし、お店に戻ろうとするおじ様。
それを引き止めて「ホンマですか?」と念を押す冬子。
「ホンマやねん…」そう答えてまたお店に戻ろうとするおじ様を、
また引き止めて「ホンマにホンマですか?」
「ホンマにホンマやねんもう…」そう答えてまたまたお店に戻ろうとするおじ様を、
またまた引き止め……って、ああくだらない。
くだらないけど必死すぎる冬ちゃんが可愛すぎるというこのチグハグさ。

ここで場面は変わって研究室、
課題のエビのフリーズドライに取り組む秋子たちですけど、
いろんな種類のエビで試してみるけど、それに適してるものはなかなか見つからないようで、
今もまたホッコクアカエビで失敗して、チェックリストのそれにバツ印を付ける秋子は、
アカンか……と嘆く森野先輩に、
世界のエビの種類は2000をくだらない……って、
スイマセン、またムリヤリこじつけてしもたけど、
「世界にエビは2000種類以上もあるんですからあ、どれか必ず成功しますて」と前向きな秋子は、
即席麺開発の頃を思い出し、
「諦めなければそのうちあっと驚く発見があるはずです」
すると、来年秋子が入社して一緒に研究できるのが楽しみやと言う先輩に、
また表情の曇る秋子……ちなみに、
「ホッコクアカエビ」は通称甘エビのことやそうで、
あれはフリーズドライしたらアカンがな、
そんなことせんとわさび醤油で食べたら美味しいものを、もったいない。
実はこれがいちばんくだらないことやったりして。

さて、場面はまたお店の裏に戻って、
今度はここにローリーを引っぱって来る冬子。
なんですか?と訝るローリーに、
「あんな、…実は、…いや、ウソやろやっぱり…」って、
くだらないことで迷って言い淀む冬ちゃんがまた可愛かったりしてからに、
しかしなかなか要件を切り出さない冬子に、
「ほな行きますね、仲間待ってますんで」……って、
ローリーと仲間になる奴がいちばんくだらなさそうやったりするけど、
いやとにかくそう言って立ち去ろうとするローリーを引き止め、
意を決する冬子はしかし戸惑いつつ、
「あんな…よう、考えてみたら…あんたのこと、
 ローリーのこと…好き、かもわからへん…」
えっ?と問い返すローリーの目をしっかり見据えて、
「好きや」とキッパリ告げる冬子。
「冬ちゃん…?」
「それだけ、それだけ言うとこ思て、ほなね」と、
早口でまくしたてて慌てて去って行く冬ちゃんもまた可愛いけど、
その去って行く様子は映し出されず画面には、
このやり取りを工場で立ち聞きしていた和ちゃんが目を伏せる姿が……

その夜、ベッドで天井を見つめる冬子のナレーション、
「それがウソでも本当でも、生まれて初めて人に好きやと言ったことは、
 あたしに不思議な余韻を残したのでした」
寝返りを打つ冬ちゃんの悶々とした表情もまた可愛らしいなあ……

そしてある日、
意を決したような表情でお店に現れるローリー、
冬子の名を呼んでつかつかと歩み寄り……
「あ、あ、あのことは、そ、そんな、気にせんと…」とうろたえる冬ちゃんもまた可愛いけど、
そんな可愛さには目もくれてなさそうなローリー、
僕の気持ちを歌にして来たと大きな封筒を差し出し、
「おおきに…」と苦笑いを浮かべて受け取る冬子。
秋子と弘子姉ちゃんはどんな歌かと興味津々、
封筒を開けようとする冬子……と、
それを止めて、後でひとりになってから見てくれと言うローリーに、
「はい」と丁寧な返事してしまう冬ちゃんも可愛いけど、
「そっと歌てもらえたら僕の心が伝わる思います、
 ごめんな、もっと早よ君にこの歌を贈るべきやった、
 …冬ちゃん泣かんといて!」
と勘違い気味のローリーに心の底から困惑しつつ、
しかし勘違いさせたのは自分自身であることを心の底から後悔してるかのような冬ちゃんが可愛くつぶやく、
「泣きそうや…」
「君に涙は似合わへん」と親指で冬子の頬を拭うローリーに、
もうこれが限界やと言わんばかりの冬子、
「あんな、ローリー、実は…」
とそこへ「はい、ごめん」と入って来る佐藤のおじ様の場違いな様子もお茶目で可愛かったりもして、
ローリーが来てるのを見てちょうどよかったと言うおじ様、
するとカウンターの方に逃げるように引っ込む冬子とローリーの後ろ姿もなんや妙に可愛らしかったりして、
一方のおじ様は抱えてた大きな箱をテーブルに置き、
何かと興味津々の秋子と弘子姉ちゃんに、やっと出来たんやと取り出してみせるのは、
「これ、わしが書いた小説や」
自費出版で出したというその本を手渡され、タイトルを読み上げる秋子、
「宇宙から来た孫」
「えっ?」と振り返り、駆け寄って本を覗き込む冬子とローリー。
若い人に読んでもらおうとSF小説風に書いた……って、
「北の国から」のUFO騒動は「風の又三郎」が下敷きになってたけど、
こちらはひょっとして「バック・トゥ・ザ・フューチャー」やろか?
この辺どう思うか山根ミサ子さんに尋ねてみたいところやけどそれはさておき、
その本のストーリーはというと、竹やぶで宇宙人の子供を拾った金持ちの紳士が、
その子を孫として育てる……
「それ、もしかして僕のことやないですか?」と驚くローリー。
ローリーを宇宙人に見立てて書いたんやと笑うおじ様に、
「僕ホンマは、宇宙から来たんと違いましたん!?」
「アホか!」
「そう言うたやないですか、去年アポロ11号見てる時に!」
……まったく、こんなくだらないネタを週をまたいで、物語上の年もまたいで……いや、
60年代と70年代とをまでまたいで繰り広げるとはなんというくだらなさ。
あれはローリーの反応を見るための言わば取材やったと高笑いのおじ様、
「そんな話やろと思てたわ、よかったなあ浪利君」と声をかけてやる秋子、
「僕のアイデンティティーが崩れる…」と頭を抱えるローリー、
そしてこちらもまた今にも崩壊しそうな表情の冬子がおじ様を問い詰める、
「あの、あ、あたしの、好きやて言わなアカンいうことも?」
「ああ、そういう話になってんねん」
「ホンマやて言うてはったでしょ!?」
「ホンマに書いてあんねやがな」
くだらないことに必死になって抗議する冬ちゃんの可愛らしさ、
「酷い…」
「じゃあ冬ちゃんの告白もウソやったんですか?」とローリー。
「当たり前やろ! あんたを人間にするためや!」
「冬ちゃん、そんな話ホンマに信じたん?」とあまりのくだらなさに呆れる秋子。
「念のためや」と言い訳しつつ、この世の終わりを見たかのような表情の冬子。

やがて店の裏に出た冬子は派手にうなだれたまましばし立ち尽くし、
歩くのもやっとといった体でなんとか工場にたどり着くと座り込み、
作業台に顔を突っ伏し……と、
「どないしたん?」と尋ねるのは、これは木箱の汚れを落としてるんでしょうか、
とにかく後片付けみたいなことしてる和ちゃん。
しかしどないしたかを詳細に説明するわけにもいかず、
「いや、別に」とごまかす冬子は身を起こすと大きなため息をつき、
柱に身を凭せ……やがて、
「なあ、和ちゃん…」
手を止めて「ん?」と返す和ちゃん。
「たまには、どっか行かへん?」
「どないしたん、急に」
だからどないしたかは説明できない冬子、
「ええやんか、たまには外で食事でもしてのんびり過ごさへん?」
気怠そうにそう言う冬ちゃんが可愛い、というか艶かしくさえあってドキッとさせられるけどしかし、
「ローリー誘たらええやん」
そう言われてドキッとする冬子。
「聞いてしもてん、ごめんな」
キョトンとした顔で和ちゃんを見つめる冬子、
やがて目を閉じ、思いを巡らせ……
「ええっ!? えっ!?」
素っ頓狂な声をあげて立ち上がる冬子に、
「俺はええ思うで」と追い討ちをかける和ちゃん。
「ちっ、ちちち違うねんて、あの、あれそんなんと、
 あの、あの、あのローリーが宇宙人でそれ、それを人間に戻そうって…」
誰が聞いてもくだらない言い訳にしか聞こえないことを必死に言い訳する冬子。
「そんな苦しいウソつかんでええねん、
 俺のことは気にせんといて」
そう言い残して上に上がって行く和ちゃんを、呆然と見送る冬子。

……皆さん思い返してください。
昨日の回では春子の結婚にどれだけ感動したことか。
あの春男さんの姿にどれだけ涙したことか。
それがガラッと変わって、その春子ばかりか春男さんも照子さんも出演しない今日の回の、
この徹底したくだらなさ……しかも、
もう後わずかで幕を閉じてしまうという残り少ない、
名残惜しくてたまらないこの期に及んでこのとてつもないくだらなさ。
しかしその完膚なきまでのくだらなさのなかにあって、
冬ちゃんの可愛さがいっそう際立ってるというのはこれはいったいどういうことなんでしょうか?
やっぱりアホにはアホな話がお似合いや……って、えらい救いのない言い様ですけど、
そうじゃなくって、どんなくだらない話にも真面目に取り組む、
その女優魂のようなものが光ってる……んでしょうかねえ?
いや、だってそうでしょう、
ローリーに地球にいてもらいたいがために「好きや」とまで言う冬子、
それだけローリーのことを思う心根の優しさが……ああ、
やっぱりくだらんわ。

そのくだらなさにとどめを刺すかのようなエピローグ。
土砂降りの雨に雷鳴まで轟くなか、
物干しに吊るされたてるてる坊主の表情のなんと悲しげなことよ。
風呂上がりの冬子は部屋に戻り、
「なんちゅう日や…なんちゅうアホなんやあたしは…」と、
苦悶の表情で畳にへたり込み、
ふと机を見遣るとローリーから渡された封筒が。
大仰な仕草でそれを取り、中から取り出した楽譜を見ると、
「なんやこの歌…」
それはローリー作詞作曲の題して「この宇宙の果てで」
♪あなたの気持ちはわかるけど……という歌い出しがなんとなく、
♪しのぶしのばず無縁坂……に似てるけどまあ素人のことやから大目に見て、
そして歌詞を読み進める冬子、
「…僕にはなんにも出来ない、あなたとは生きられないから、
 …なんやのこれ?」
そして星空を背にギター弾き鳴らしもって歌い継ぐローリー、
流れ星もキラリ。
♪冬が来るたびに僕はあなたを思い出す……
「…振られた、っていうこと?
 ローリーに…?」
轟く雷鳴、
稲光に照らし出されるてるてる坊主。
「…振られた、っていうこと?
 ローリーに…?」
何度つぶやいても同じことなのに、
何度もつぶやかずにはいられない冬子、
「…振られた、っていうこと?
 ローリーに…?」
サビの部分を高らかと歌い上げるローリー。
雨に濡れるてるてる坊主。
昨日は大いなる感動を呼んだ同じセリフの反復がしかし今日は……
「…振られた、っていうこと?
 ローリーに…?」
何度もつぶやきながらもその現実を受け入れ難い冬子、
その冬子に現実を突きつけるかのように何重にもなって画面いっぱいに埋め尽くされるローリーの顔、
そしてもはや演出意図不明の天地逆さまのてるてる坊主、
「…振られた、っていうこと?
 ローリーに…?
 あたし…
 振られたの…?
 あのローリーに…?
 イヤ〜ッ!!」
泣き崩れる冬子を容赦なく責め続ける雷鳴と稲光、
「来週もきっと、天気になーれ!」……って、
なんちゅータイミングやねんこのナレーション。
しかも毎週毎週お馴染みのこのフレーズもいよいよこれが最後かという時になって、
なんちゅーシチュエーションやねんなホンマにもう。
ああくだらん、
くだらなさすぎて腹抱えて笑ろてしもたわアホらしもない。
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