モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

太郎が残る ジョンコが歩く!

2005-08-13 16:11:06 | 「ファイト」倶楽部
屋根裏部屋で太郎のことを想う優……
いや、ひとりで太郎への想いに耽る優ちゃん、
ちょっと顔つきが怖いなあって前々から気にはなってたけど……
でもまあ、誰でもあんな顔するもんなんでしょうかねえ、真剣な想いがあれば。
と、そこへ下から琴子さんの呼ぶ声。
慌てていつもの顔に戻る優。
やがて琴子さんも屋根裏部屋に上がり、パンとコーヒーでおやつタイム。
「もうすぐ結婚ですね」と優。
「なんかあんまり実感ないけど」と琴子さん。
太郎は競馬学校の寮に入るからしばらくは一緒に住めないし……
でも受かってくれてよかった、と笑顔の琴子さん。
しばらく考え込んだあと訊いてみる優、
「ここにいるより、中央に行ったほうが太郎さんのためだと思いますか?」
そりゃそうなんじゃない?と琴子さん。
「だって太郎さん、中央に行くことを目標にがんばってきたんだし」
何の屈託もなく微笑む琴子さんに、やはり考え込んでしまう優……。

下の部屋では飾られた馬の写真のパネルを眺める西郷さん。
そこへやってきた太郎、
自分が辞めることでジョンコが他の厩舎に移ることになったのを謝ります。
ご心配なく、と西郷さん、
「どこの厩舎にジョンコさんをお願いするか、明日正式に決まるはずですよ」
「そうですか……」と太郎。
今までジョンコの面倒を見てくれたことの礼を言い、
あと少しの間もよろしくと頼む西郷さん。
「東京へ行くまで精一杯やらせていただきます」と深々と頭を下げる太郎。
そんな太郎を見つめる琴子さんの表情には少し、頼もしそうに思う笑みが浮かび、
そして優は……

その夜の木戸家の夕食は鉄板焼き。
今度はどういう理由があってかまた高崎にやってきた佳代さん、
村上先生を食事に招いてます。
「いやあ……」
「優が本当にいつもお世話になってるんですから、ね?」
「いやあ……いやあ……」
結局、木戸家の食卓につく村上先生。
「母が無理に誘ったんじゃないですか?」と亜沙子さん。
「そんなことないですよねえ、オホホ……」と佳代さん。
無言の村上先生。
「優から聞きました、もうすぐ厩舎を閉めるそうですね」と啓太さん。
「はい」と村上先生。
「なんて言ったらいいかわかんないんですけど……」
「なんかこう、さっぱりとした気分です」とは答える村上先生ですけど。
「人生、お馬さんと同じぐらい楽しいこといっぱいありますよ」
とビールを勧める佳代さんはとても楽しそう。
優の笑いは、しかしどこかぎこちなく。
そんな賑やかさとは別のところを見つめているような村上先生……。

絹子さんがバイト先で歌うのは「埴生の宿」、
客席には花束を持った隆行さんと、琴子さん。
やがて歌の途中で中座する琴子さん、向かう先は……。

厩舎では身の周りの品を段ボール箱に詰める太郎。
やがてジョンコの顔を撫でてやる彼の思いは……
ああ、俺も鉄板焼きに呼ばれたかったなあ……などと考えてるわけではなくて。

ベランダでは、フレームに入ったジョンコ初勝利の記念写真を眺める優……。

絹子さんの歌が終わっても、いつまでもジョンコの前から離れられない太郎、
と、近づいてくる人影に「どうした……?」
「太郎さんこそ何してんの?」と優。
何も答えず、またジョンコのほうを向く太郎。
そんな太郎をじっと見据える優、
「太郎さんが東京に行くのは琴子さんと結婚するから?」
と、そこへ近づいた足どり、2人を見て立ち止まり……
「ホントはこのまま村上厩舎にいたいんじゃないの?」
無言の太郎の横顔。
遠くから見やる琴子さん。
「今でも村上厩舎にいて村上先生みたいになりたいって思ってるんじゃない?」
「何わかったようなこと言ってんだよ……」と太郎。
「わかるよ、太郎さん見てれば」
目の泳ぐ太郎。
「私は、毎日太郎さんのこと見てるんだから」
優のほうを向く太郎。
見つめ合う2人。
目をそらす太郎。
じっと見つめ続ける優。
そっと立ち去る琴子さん。
ジョンコの前で動かない2人……。

翌朝、村上厩舎。
「これからジョンコの受け入れ先を決めてくるから」と村上先生。
「はい」と優。
「行ってきます」と西郷さん。
「行ってらっしゃい」と優、そして村上先生を見つめ……
静かに頷く村上先生、とそこへやって来る太郎。
「先生、お願いがあります、やっぱり俺をここでずっと働かせてください……」
頭を下げる太郎、
「……先生のところで働きたいんです」
「教えるべきことは、すべて教えた」と村上先生。
「俺は、この村上厩舎で働きたいんです!」
見つめ合う2人、見守る優。
「……いいんかい? 本当にそれでいいんかい?」
「はい、よろしくお願いします!」
深々と頭を下げる太郎。
「よろしく、お願いします」と村上先生。
「先生……よろしくお願いします!」と太郎。
涙が溢れる優。

……と、このような展開は実際の競馬関係者から見たらどんなもんなんでしょう?
やはり地方から中央を目指すのは常識というか、
例えば社会人野球の選手が、プロからスカウトされても断って、
会社に残るのを選ぶという話はあまりありそうにないし……
いやそんな例えを持ち出さなくても、現にジョンコも中央のレースを目指してるし、
この地方と中央の関係というのはもう既定の事実、
そこに情が絡んで地方を選ぶなどというのは、
やはりドラマの中の出来事ってところでしょうか。
厳然と存在する格差、それを乗り越えて上を目指すことが当たり前の世界。
村上先生もそんなことは承知の上、
それでも太郎のこの選択……それは優にとっては喜ばしいことだけど……

一度はまとめた荷物を解く太郎、それを手伝う優。
「お前のせいだからな」と太郎。
「え?」
「お前がここに来てうろちょろするから……」
「は?」手を休めて太郎を見る優。
やがて笑顔で語りだす太郎、
「俺も最初はお前と同じだったんだよ……」
最初の3ヶ月は掃除ばかり、
やっと馬に触らせてもらえても、
舐められてばかりでぜんぜん言うこと聞いてもらえない……
お前のせいで昔の自分を思い出して……
ここに来たときのこと思い出して……
それで、ここを離れたくなくなった……

そう、太郎が単に情にほだされて、
村上厩舎を存続させるためだけに残るなどというのであれば、
かなり弱いドラマになってしまったことでしょう。
しかし、太郎の動機の中に優がいたこと。
かつての自分を思い出させる存在への、いとおしい気持ち。
それが人生の選択を決断させるまでに至った、その大きさ。
……自分はジョンコの傍に、そして太郎の傍にいたかっただけなのに、
そのためにただがむしゃらに働いていただけなのに、
そんな自分を太郎が見ていた……
そのために太郎が考えを変えてくれた……
そのことを自覚させられる優の表情に笑みはなく、
太郎を見つめるまなざしはたまらなく真剣で……

ジョンコを連れ出す太郎、手綱を優に手渡し……
「ジョンコ、これから引き運動をはじめます」
静かに言い聞かせる優、
ジョンコの目が動くほうを追いかけて、じっと見つめ続け……
「行くよ」
微かに頷くジョンコ。
手綱を引く優……
歩き出すジョンコ。
「太郎さん! 見て見て見て見て! やった!」
小声で、しかし抑えられずに叫んでしまう優。
嬉しそうな太郎。
やがて興奮も抑え、しかし昂揚感の残る表情で、堂々と歩き続ける優。
その後をついていくジョンコ……。
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太郎さんの選択 (mymt804)
2005-08-13 20:11:49
自分にはちょっとだけ、太郎さんの気持ち分かりますけど…地方だからできること、村上厩舎だからできることはたくさんあるんですよね。

村上先生だって、自分の意思で地方に残ったんやし、その先生を尊敬する太郎さんが村上先生と同じ道を選択するのはとても自然なことではないかと。



でもぽんぽこ山さんのライバルは岡部ぇではなくて、やっぱり太郎さんのようですなぁ。太郎さんにとっても優の存在がとても大きくなってきてますし、予告のウェディングドレスも…。

一体どうなる、来週のファイト?!



『この女(ひと)、何もわかってない』 (マル)
2005-08-13 23:13:22
琴子さんの一言に黙りこんだ優の顔、

そう語っているように見えました。

(いや、願望かも)



今日もジョンコ、名演技でしたね。

「行くよ」の言葉にちゃんと「うん」って返事してました。

(いや、これも願望かも)



なにか、来週への伏線らしきものが随所にちりばめられてましたね~。

佳代さんたらもう、積極的なんだからっ!!

岡部ぇの「わかっちゃった、優の好きな人」

そりゃわかるだろ、いつも優を見てたらさっ



で、あのウエディングドレス姿は、

誰の妄想なんでしょうねっ。
ジョンコ、日本一! (ぽんぽこ山)
2005-08-13 23:43:06
>mymt804さん



いや、太郎の気持ちはね、おっしゃるとおりやと思うんですよ。

ただ、そういう気持ちを言わば押し殺して中央を目指していて、

しかし改めて気付かされて、村上厩舎に残ることになったのが、優によってであること。

そしてそのことを優も知ったこと・・・これが、とても大きいことやと思うんですよ。

今日が大きなターニングポイントになるんやないか・・・と。

・・・でねえ、太郎が相手なら僕は敵いませんわ。潔く身を引きますよ、ええ。

いや、ホンマええヤツやわ~太郎、ここんとこ特に。

しかしもしも岡部なんぞがまたしゃしゃり出てきやがったら・・・そのときはいてもうたるで。

って、ドラマの中の人物に何を言うてるんでしょうか、わたしゃ。





>マルさん



しかしなんか、琴子さんが無神経な女性みたいに描かれてしまうのはちょっと残念な気もするけど、

太郎との間ではそうなってしまうのも無理ないかなあ・・・って感じですよねえ。

やっぱり世界が違うし。

で、来週の予告ですけど・・・結構フェイントかけられることが多いので、

岡部、なんか的外れなこと言い出しそうな気もしますけど・・・

でも他に適当な男性キャラクターいないしねえ。

当ておるんですかねえ、岡部。厚かましいくせに。

そしてあの妄想は・・・今度は琴子さんの悪夢かなあ?
村上さん、よかったね。 (ぶぶるや)
2005-08-14 01:46:23
太郎が中央の調教師を目指す直接の動機は

琴子さんに負けない釣り合う男になるためでしょう。

そのために、自分の世界である馬の世界でもっとも

社会的に成功していると思われるであろう

「中央の調教師」を目指そうとした。

受験勉強をしている間は、もともと馬の事が

好きなので楽しい部分もあったのだが、

いざ合格して厩舎から離れる事になると寂しさが

募ってて、最後の一押しを優がした。



「名の知れた会社」「そこそこいい大学」

「中央の調教師」 そんな社会的な成功よりも

 自分の本当にやりたい事をやろう。

中央を目指すより「地方が中央に勝つ事」を

自分で直接馬の世話をしながら目指そうとする

村上先生を選んだと思います。



優は太郎さんの事は一人の男としてというよりは

「村上厩舎でジョンコの世話をする厩務員の太郎」

が好きだと思うので、この二人は正直微妙だと

思います。

単純に人間を比較すると岡部にまったく分がない

とも思えないし。

今、岡部は優の周りでちょろちょろして

鬱陶しい部分もあるけど、本来のやりたい事の

カメラでがんばって、他の子との関係(里夏とか)

があったりすると優も安穏としてられなくなったり

するかも。

恋愛ネタは最後まで答えがないのが理想です。



しかし、村上先生は「太郎と優」の事を

どう思ってるんでしょうね。

最初、村上さんが「惚れたんか」と言った時には

優の事だと思ったんですけど、その時は太郎は

琴子さんにあこがれててこうなったんですけど、

今、毎日「太郎と優」を見てるわけで。

優が太郎の事を好きな事には気づいてるだろうしね

二人ともかわいい弟子なんでなるようにしか

ならないってところでしょうか。



とにかく、村上先生と太郎の出会いと

太郎の両親については本当に興味があります。

どんな想像してる?

(休みで長くなってすみません。ファイトがらみだと

 いくらでもネタが湧いてくるんだよなぁ。)
おはようございます (朱里)
2005-08-14 08:26:33
実は昨日の夜のは帰ってきていたのですが、帰省中録画したファイトを全部見たり、片づけたり(片づけはファイトのあと)・・でこちらに書き込めませんでした。

いやー、一気に見ましたがなんともいえない展開が多々ありましてこれは一息では語れませんですよね。

一番のポイントは

岡部「優!」効果音ジャララララーーンかとも思いました。



今日の皆さんのレスを読ませていただいて、マルさんの

>そりゃわかるだろ、いつも優を見てたらさっ

に深く頷きました。

そうですよね、優が太郎のことをいつも見ていたように、優のことを一番見ていたのは岡部だったんですよね。(やや見当違いな見方のときもありましたけど)でも報われナインでしょうねぇ・・・



琴子さん、優が一番つらい時にあんなに力になってくれたのに、最近は何か違う。

亜沙子に問いつめられても、優と話したことを漏らさなかった琴子さんは一体どこにいってしまったんでしょうか。



ぽんぽこ山さん

馬と人を一枚の中にこんなにうまく納めて描けるなんてすごいです。

ジョンコの雰囲気も合ってるし、素晴らしいです。

このイラストも毎日楽しみなのです。
♪ジャララララーーン! (ぽんぽこ山)
2005-08-14 11:01:08
これもサントラに入れて欲しいなあ。第2弾出ないかなあ。





>ぶぶるやさん



そう、琴子さんと付き合う前に、太郎が中央の調教師を目指してるという描写はなかったですからねえ。

だから琴子さんが大きな動機になったってことなんでしょうけど、

しかしここで思うのは、太郎が村上厩舎に残ること、

競馬学校を断念することを琴子さんがどう思うのかですよねえ。

まあ明日以降その辺が描かれるんでしょうけど、

その前に、タロウの馬主でもある琴子さんには、村上厩舎を閉めるつもりやということは、

どの時点で、誰から伝えられたんでしょうかねえ?

で、優にとっては太郎の存在は、しかし他に身近な、それも年上の男がいないだけ・・・とも思えましたけどね、確かに。

しかし同じ職場で働くことによって、より一層・・・ってのもあるでしょうしねえ。

実際に働いてる男と、職人の心がどーたらこーたら、頭の中でこしらえたことを言うてるだけの男とでは、

今はねえ・・・。

少なくとも呼び捨てを止めんうちは、岡部はアカンですねえ、僕の立場としては。

って、そんな立場がどーしたってなもんですけど。

で、村上先生としては、どうなんでしょう?

今は佳代さんから逃げることで頭がいっぱいでしょうか?

で、先生と太郎の出会いは・・・ある日厩舎の、馬房の藁の上に捨て子の赤ちゃんがいて、それが太郎やったとか。

あるいはひょっとして、太郎は村上先生の隠し子とか。

って、アホなことばっかり書いてますけど、

まあ「ファイト」ネタとダイエット経過報告ならなんぼでも書いてくださいませねー。





>朱里さん



お帰りなさいませ。

そうそう、1週間の再放送を通してみても、あの岡部の厚かましっぷりがねえ、やっぱりインパクトありますよねえ。

しかしなんぼなんでも呼び捨ては・・・って、くどいですねえ、僕も。

まあある意味、いちばん気になるキャラクターではありますか、やっぱり。

でも出番が増えてくると、なんかハラハラさせられますねえ・・・。

そして琴子さんは・・・ひょっとして恋愛感情がああいう変化をもたらしたんでしょうかねえ?

いやそれとも琴子さん自体はさほど変化なくて、優を通して見てるからそう感じられるんでしょうか・・・

う~ん・・・大人のオンナのことはよくわからんのでねえ。

って、僕とそう変わらん歳の設定なんやけど。

あ、しかし馬の絵なんて、描けるとは思ってませんでしたわ、自分に。

やれば出来るもんですねえ。

いえいえ、あんなもんでも楽しんでいただければ幸いでございます。

では、朱里さんと入れ違いでこれから帰省です・・・でも明日帰ってくるけど。

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