ものがたりグループ☆ポランの会 公式ブログ

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十力の金剛石に出てくる石たち 前編

2017年06月27日 | 公演
みなさん、こんにちは。
調べれば調べるほど謎が深まる『十力の金剛石』
十力の金剛石に限らず賢治童話は全て謎だらけ。
その謎を解明するのが楽しくて、たくさんの専門家の方々がハマって行くんだと思います。
だって、天才を通り越して…なんていうのかな…
僕わからない。

ここしばらくキャストが色々なテーマで十力の金剛石について書いてきましたが、最後のテーマは『石』
賢治さんの作品の『石』
石っこ賢さんと言われていただけあってなかなか手強いです。
前半は鉱物として、後半は鳥の中の宝石のような蜂雀たちに導かれて見た宝石として、2回に分けて書いていきます。

わたくし、彩木香里がこの作品を語るにあたって知りたい!と思ったことを色々調べてみました。
読めば読むほど『銀河鉄道の夜』と重なってくる。ほんとうの幸いを探しに行く旅、十力の金剛石を探しに行く旅、人生って『旅』なんだなと思いました。

さて、このものがたりについてみんなでイメージを共有しましょうと一番最初に出たのはここはどこの国?という話題でした。
王子だから英国?ほとんどのキャストが英国の王子のイメージでしたが、おそくインドだと思います。
(私も最初は英国のイメージでした)

王子はみんながちょっといなくなったひまに、玻璃でたたんだ自分のお室から、ひょいっと芝生へ飛びおりました。

実は最近まで見逃してた「玻璃」
仏教で7種の宝のひとつ水晶のことだったんですね。
無量寿経では金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・硨磲(しゃこ)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう)
法華経では金・銀・瑪瑙(めのう)・瑠璃(るり)・硨磲・真珠・玫瑰(まいかい)です。



これが敷き詰められているということですよね。
すごい家だ、さすが王子。お部屋ではなくお室という描写なのも納得。

それから大臣の家に向かった王子。
私はこのものがたりの幕開きのキーワードは「くるみ」だと思いました。

大臣の家の くるみの木が、霧の中から不意に黒く大きくあらはれました



photo by wikipedia

聖なる植物「くるみ」の登場です。「くるみ」は銀河鉄道の夜、薤露青にも出てきます。
西域を原産地とする「くるみ」は生き方、思想の原点!(深くなると法華経までいってしまうのでやめておきます)

幕が開いたところで、さあ一緒に旅に出ましょう!
『十力の金剛石』を読みながらイメージを膨らませていっていただけると嬉しいです。

霧の深い朝、王子と大臣の子が話します。
「お前さっきからここにいたのかい。何してたの?」
「お日さまを見ておりました。お日さまは霧がかからないと、まぶしくて見られません」
「うん。お日様は霧がかかると、銀の鏡のようだね」
「はい、また、大きな蛋白石の盤のようでございます」

「蛋白石」とはオパールのことで、「蛋白石」「オパール」「opa」「オパリン」と作品によって使い分けています。一般的にはゆで卵のような乳白色の石を思い浮かべると思います。賢治作品でも雲を表現することが多いですね。蛋白石は「貝の火」のモデルでもあります。


出典 宝石百貨辞典

種山ケ原で、大きな蛋白石の盤のようなお日様を見ることができるかな。見たい!

王子が「僕のもってるルビーの壺やなんかより、もっといい宝石は、どっちへ行ったらあるだろうね」と言います。翡翠のコップは見たことがありますが、さすがにルビーの壺は見たことがありません。王子はルビーの壺を持っているのです。スケールが違います!

大臣の子が「虹の脚もとにルビーの絵の具皿があるそうです」と言います。
ルビーの絵の具皿って一体何の事なのでしょう?


出典 宝石百貨辞典

インドでは宝石が阿修羅神の霊力を賦与された聖なる物質であったとされていまます。
紅玉(ルビー)は太陽神スーリヤとも結びつけられ、「太陽の宝石」だと信じられていました。
サンスクリットの文書によると、古代インド人はルビーの色に魅せられて、
「宝石の王」という意味の「Ratnaraj(ラトナラジュ)」と呼んでいました。
古代インド人はルビーの色は、その石の中にある消えない火によるものであり、
これによって身につけた人は長生きができ、水を沸かすことさえできると考えられていました。

台詞は少ないけど、くるみの木の下に立ち「虹の脚元にあるルビーの絵の具皿があるそうです」と言う大臣の子って結構重要なんじゃない?と思ったのでした。


いよいよ王子と大臣の子は柏の森の中へ!
「鳥の中の宝石のような蜂雀」によって煌びやかな世界へ導かれます。



出典 イーハトーブガーデン


つづく・・・。




7月23日(日)
ポラン寄席 10:30開演
宮沢賢治イーハトーブ館ホール
入場料:500円
お出入り自由


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