ものがたりグループ☆ポランの会 公式ブログ

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いてふの実

2017年06月19日 | 公演

夢をたくさん持って子供たちは旅立つ。母親との別れ。
私は『いてふの実』が大好き!

ものがたりグループ☆ポランの会 代表の彩木香里です。

2005年に初めて宮澤賢治の童話を語り、
2006年によだかの星、2007年に土神ときつね、2008年に猫の事務所を経て、
2009年に初めて自分で構成して語ったものがたりです。

賢治さんの童話には謎がたくさんあって、調べものにすごく時間がかかるのです。
このものがたりの冒頭、

「そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。」

語り手自身がこの「灼きをかけた鋼」がわからないと、ものがたりが進まないですよね。
美しい風景描写が特徴的な賢治童話を語るために、ここから調べものが始まります。(笑)

この頃までには調べものに慣れて、何が知りたいかとうことが自分の中で明確になったっていたと思います。
銀杏がきれいなところに出向いてやたらと銀杏の写真を撮りました。


                  
あ、今更ですが「いてふ」とは「いちょう」の事です!
このいてふの木は一本丘の上に立っていて、銀杏のお母さんで、千人の黄金色の子供が生れたのです。


       photo wikipedia より

不安な気持ちの女の子、夢を抱いて飛び立とうとする男の子。
お母さんの木は、じっと見守っています。

お母さんの木は知っているんだと思います・・・・・。


 photo wikipedia より

この童話を語る度に夢を抱いて旅立ったあの頃を思い出します。

「お母さんへは毎日お菓子やなんか沢山あげるんだ。」

「私がスチュワーデスになったらお母さんを世界中に旅行に連れて行ってあげるね」って言っていた18歳の私。
実現していません。私スチュワーデスになってません。 アハハ・・・・。


出発する間際女の子が、お母さんからもらった外套が見当たらなくて焦っているシーンも好きです。

「困ったわ、わたし、どうしてもないわ。ほんたうにわたしどうしませう。」←太字
「わたしと二人で行きませうよ。わたしのを時々貸してあげるわ。凍えたら一緒に死にませうよ。」

今、恵まれた環境の中で生きていると、何か大切なことを見失っているのではないかと思う事があります。
宮澤賢治の童話に出会って『本当の幸せ』について色々と考えさせられました。
もっと質素でもいい、心が満たされていれば・・・。
物質的に裕福なものはもう求めていないかもしれません。


そして、別れの時。

「さよなら、おっかさん。」「さよなら、おっかさん。」


私の田舎は愛媛なので1年に1度実家に帰るか帰らないかくらいです。
田舎で数日過ごして東京に帰る日は、いつも母が駅に見送りに来てくれていました。
列車が出発して「さよなら」と母が手を振ってくれる時の顔は、笑っているのにものすごく寂しそうな顔でした。
私は退屈な田舎から早く東京に帰りたくてワクワクしていたけれど、そんな母の顔を見ると涙があふれてきていました。

ある時母が「もうお見送りはしないね」と言ったのです。
きっと見送るのが辛くなったんだろうなと思います。

このいてふのお母さんは毎年子供を見送るんですね。
母親の台詞は一言もありませんが、そんな母を想いながらこの『いてふの実』を語りたいと思っています。


このあとは『十力の金剛石』についてみんなで書いていきます。
お楽しみに!




7月23日(日)
ポラン寄席 10:30開演
宮沢賢治イーハトーブ館ホール
入場料:500円
お出入り自由


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