バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

ポワント・レッスン ドゥミ・ポワントからポワントへ

2017-05-27 11:26:12 | 日記
ポワントのレッスンをはじめましょう。
“ポワントにしっかり乗って”とアドバイスすることがありますが、“ポワントに乗る”とは爪先の上に全体重をかけて脱力することではありません。トゥの部分から真っ直ぐに引き上げることが“爪先に乗る”です。
それでは基本の基の≪基≫を練習してみましょう
両手バーで6番ポジシオン。
&2 右脚ドゥミ・ポワント→3 &4 フル・ポワント→5 &6 ドゥミ・ポワント→7 &8 ア・テール→1 &2 左脚ドゥミ・ポワント→3 &4 フル・ポワント→5 &6 ドゥミ・ポワント→7 &8 ア・テール→…………
これを右左交互に4回繰り返しましょう 
ドゥミ・ポワントは足首がしっかり伸びきるところまでカカトを高く引き上げます。足首が“くの字”になっていてはいけませんね。
次のフル・ポワントは足指の関節を一つずつ床から離すつもりで、さらにカカトを引き上げます。フル・ポワントになったときに爪先を床に押し付けて甲の部分を押し出すようなことをしてはいけません。
ドゥミ・ポワントに戻るときにも足指の関節を一つずつ床に付けていくつもりで下していきます。足首が“くの字”にならないように気を付けて下さいね。
両手バーで6番ポジシオン。
&2 両脚でドゥミ・ポワント→3 &4 フル・ポワント→5 &6 プリエ→7 →8 →1 &2 フル・ポワントに→3 ゆっくり→4 戻る→5 &6 ドゥミ・ポワント→7 &8 ア・テール→…………
4回繰り返しましょう 
ドゥミ・ポワントからフル・ポワントに立ち上がったとき、アンダーバストはトウの接地面(爪先)よりも前に位置します。少し前傾しているように感じるかもしれません。
ポワントで立ったところを真横から見たときに、接地面→膝の真ん中→骨盤の真ん中→肩→耳の真ん中→…と繋がる直線が床に対して垂直でなければなりません。
くれぐれも、身体の前面を通る線が床に対して垂直にならないように気を付けて下さいね。
プリエをしていくときには両膝が少しずつ前に出て行きます。お尻を突き出してトルソーが前かがみにならないように気を付けましょう。
プリエを進めていくことで甲の部分がストレッチされます。大切なのはこの自然なストレッチですから、“甲出し”のためにと深くしゃがみこんでバーにぶら下がるような姿勢になってはいけません。
プリエが終わったらもとのフル・ポワントに戻りますが、爪先よりもアンダー・バストのほうが前に位置するように気をつけましょう。
ドゥミ・ポワントに下りるときには力が抜けたようにカカトを落さないように気を付けましょう。カカトは常に高い位置に引き上げておきます。そしてドゥミ・プリエに下りるという下向きの運動に対して、トルソーは逆に上(斜め前方)に向かって引き上げるようにイメージして下さいね。
ア・テールに下りたときに重心がカカトの上に落っこちないように気を付けましょう。
いかがでしたか?
すでにポワントのレッスンを経験している方にとっては何でもないムーヴマンかもしれませんが、初めての方にとってはたったこれだけのことでも思うように出来ないと感じられるのではないでしょうか。
ドゥミ・ポワントからフル・ポワントへ、またフル・ポワントからドゥミ・ポワントへ、この部分の移行がスムーズに出来るようになることがとても大切ですよ。

普段のバー・レッスンでポワン・タンジュをしたときに、足首がまっすぐに伸びない“くの字”状態の脚の人にはポワントのレッスンはまだ早いでしょうね。“くの字”状態の脚ではポワントの上にまっすぐに重心を引き上げることが出来ないからです。無理に立とうとすれば、足指の付け根部分を無暗に曲げて立つことになり、脚に悪い負担を掛けてしまいます。

〈初出2012.05.10 修正2017.05.27〉

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