詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

蜘蛛

2016-11-20 06:11:05 | 

蜘蛛

    

蜘蛛の糸を手繰っていったら

蝉が命を手離そうとしていた

ときどき激しく揺らしては静かになる

この繰り返しが何回か行われ

少しずつ弱っていく

蜘蛛の姿は何処にもない

 

蝉が力尽きることを知っている

蜘蛛は知恵者だ

人は自然の営みに踏み込んではならない

これが自然との約束なのだ

ここで蝉が蜘蛛の手で細断され

命を絶ったとしても

 

悲しみは無常なほどシンプルだ

風が吹けばそこで姿形が消えて無くなる

歩き始めた瞬間にはもう忘れている

これが日常の一コマなのだ

記憶にも残らない蝉の命

鳴き続ける理由の一つがここにある

 

蜘蛛の糸はとても長く

その糸は蜘蛛の生命体なのかも知れない

触れるとぶる~んと揺れるから

隠れている蜘蛛が姿を現す

しばらく様子を見てから待つ時間を決める

蝉が命を手離す時間が分かるのだ

 

蜘蛛は賢い知恵者だ

蜘蛛の巣となると人には嫌われるが

一本ずつ張り巡らされた細い線は

間違いなく蜘蛛が作った芸術品だ

箒で巣となったその芸術品を壊しても

すぐに修復できる才能もあるのだ

 

 

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