詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

原稿用紙

2016-12-28 06:32:57 | 

原稿用紙を机の上に置いた

詩を書くためである

 

それから鉛筆を削り始めた

真新しい鉛筆だから

黒い芯が出るまでに時間がかかった

 

ナイフをしばらく使ったことがないから

上手に削れないのだ

 

大分時間が過ぎたので苛立っているのが分かる

原稿用紙のマス目が少しずつ

小さくなっていく

 

一文字も書かないで

原稿用紙のマス目が消えてしまったらどうしょう

タイトルもまだ決まっていない

 

タイトルが決まって初めの一行を書いたら

マス目の動きが止まった

マス目が大分小さくなってしまったから

マス目から文字がはみ出す

 

二行目を書き始めると

はみ出した一行目の文字と二行目の文字が

喧嘩を始めた

 

文字の自己主張なのだろうか

消しゴムで文字を消せば済むことなのだが

しばらくながめていた

 

そうしていると文字が歩き出し一行になった

これを何度か繰り返すと

第一連が出来上がった

 

第二連はより時間がかかった

第一連を意識しているから

負けまいとしていろいろな言葉を拾ってくる

 

どうも気にいらないと 

思考の指が

その箇所を何度も指さすので消しゴムで消した

やっと第二連が出来上がった

 

疲れが出てきたので第三連はどうしょうか

第一連と第二連を意識するからまだ時間がかかる

原稿用紙が怒りだすだろう

 

しかし と思う

第三連まではこの詩を書くものの責任だ

タイトルに結びつく終わりが欲しい

 

それから第三連目を書き始めた

これで終わりにしようと考え始めると

考え込んでしまう

 

原稿用紙を机の上に置いても

すぐ詩は書けない

原稿用紙は気が短いが納得できるもの

 

それが書き手の思いであり責任なのだ

鉛筆は書く前に数本削って置くことにした

それで原稿用紙の怒りは収まる

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