詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

扇風機(未完)

2017-06-13 15:47:11 | 

扇風機

 

 

体の中に風を送ると水が波立つのが分かる

ぐるぐると決められた時間の中に

小さな回転軸ができあがっていくのだ

それも急速にだ

 

紫陽花の花が咲き薔薇の花も咲いた

観賞してきた時間が少しずつずれていくと

その花々の花びらが大地に落ちる

その音が夏を呼び寄せるのだ

 

水分を沢山補給しなさい

と 病院のドクターは一言付け加えている

待ち時間が長いが

この病院は親切・丁寧だ

 

病院の待合室のエアコンで

冷え込んだ体でも

病院を出て調剤薬局を出る頃には暑さに包まる

温度差に眩暈を起こす人もいる

 

だから家に帰るとエアコンを止めて

扇風機で部屋の温度調整をゆっくりとしていく

仮寝の温度に近づいた頃

不思議に眠くなるのだ

 

扇風機の風は強さを四つも五つも選択できるから

目の中で散り始めた紫陽花や薔薇の花も

揺れる中でもう一度元気を取り戻せる

不眠の中に眠りがすっと入っていく

 

扇風機の微弱な風は

仮寝の眠りの奥深くまで入って行きながら

悩みの器の外をなぜていく

不眠症には心地よい風なのだ

 

体の中に風を送ると水が波立つのが分かる

季節はいつの間にか夏の真ん中へと近づいている

だから仮寝も

扇風機の賢い四つの風を分けていく

 

そんな夕暮れ時に

軒下から風鈴の音色が聴こえてくると

今夜も眠れないという呪縛が解かれて行くようだ

夏は扇風機だという人の気持ちが分かる

 

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