詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

冬の陽に

2016-12-08 06:09:11 | 

 

窓辺のカーテンを通して

冬の陽の温もりはやってくるが

心に届いた頃には

子守唄のように優しくなる

 

詩心があるのだろう

背中を優しく叩かれているような

母の思い出まで遡っていく

外の風は寒いのだが

 

記憶の遡上とは

躊躇するものとそうでないものが

交錯するから

途中で引き返すときがある

 

このように心が優しくなれる日は

葛藤するものがないので

冬の陽の自画像は

一日中微笑んでいる

 

窓を開けてはいけない

猫二匹が

窓辺で仲良くうとうとしている

そこに体を全て預けて

 

青空が見える

珍しく透明で雲などない一日だ

雲はどこかで遮られている

目の疲れに青空を一滴指す

 

冬の陽に冬の詩を書いている

猫の仕草を真似て

賑やかな声が通り過ぎていく

午後の時間も大分過ぎた


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