詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

2017-05-17 16:55:05 | 

 

猪は

猟や捕獲などをした場合は食することで供養するらしい

 

原発震災後は

被災地には山から猪が降りてきて

避難した留守宅に入りこんでは食い散らかしたり住処にしたりしている

 

帰還困難区域や居住制限区域や避難指示解除準備区域という線引きの中で

住民は戻るにも戻れなくなってからだ

 

二〇一七年三月三十一日に帰還困難区域を除き困難区域は解除されたが

猪だって六年間も住処にしてきた場所を簡単に手離して山に戻ることはしない

そこで檻を使って猪を捕獲しては殺処分してきた

 

「猪がかかっているからお願いします」と

避難者の世話役さんのところに電話が入ると

約一~二時間かけて古里に戻ってその猪を殺処分するという

 

猪には放射能が蓄積されているから食することで供養はできない

「猪に何の罪もないのだが」

と その世話役さんは話してくれた

 

そんなとき、又「猪がかかったからお願いします」と電話がかかってきた

「これで百匹目になるよ」

と 世話役さんは元気なくいう

 

そのような世話役さんは何人いるのだろうか

その場所まで暗い気持ちで車を運転して向かうのだろう

原発災害は動物の生態系まで変えてしまったのだ

 

「寄り添う」という言葉が虚しく聴こえてくる

原発災害のすそ野の広さの中の一つの出来事なのだが心が痛む

 

供養することなく殺処分された多くの猪

まだまだ沢山いるという 猪の生活エリアの中に入り込んでしまった

そんな錯覚を覚えるという

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