詩の自画像

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2017-03-25 13:59:29 | 

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無理矢理に放射能が飛び交う中で

帰還困難区域を除き

線引きが解除された

 

線引きは目には見えないが

避難者にはしっかりと見えるのだ

放射能が心配だと避難者の方々

 

町村はいかに多くの住民が戻るのか

今の関心毎の一つだ

 

避難先の便利な場所で生活をすると

戻りたくないと言う声は

間違いのない本音なのだろう

 

「戻っても 何にもないんですよ

とても戻れないです」

「放射能が高くて生活ができないです」

 

避難者には線引きが解除されても

線引きの場所はすぐにわかるから

放射能測定器を置くと数値がわかる

 

「町で発表している放射能の数値と

自分で測った放射能の数値が違う」

これでは不安ばかりが先に立つ

 

既に線引きを解除された住民の声

 

線引きが解除された住民は

今の住居と古里を行ったり来たりして

戻るタイミングを推し量っている

 

病院の問題、高齢者の問題、交通の問題

食の問題、放射能に対する不安の問題

など 線引きされたように並んでいる

 

この中で背中を押すことができない

 

無理矢理に放射能が飛び交う中で

帰還困難区域を除き

線引きが解除された

 

六年目の三月十一日の総理大臣の談話から

原発の文字が消えた

違和感を残したままだ

 


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