怯儒独言~酒と××の日々+

この世にはおもしろいものがいっぱいある。つまらないものはその数万倍はあるだろう。微妙なものもあるよね。

あしたはどっちだ

2012-03-30 20:21:04 | 映像
 なんも期待しないで観れば、かなりよいと思う。『あしたのジョー(2011)』である。

 主演の二人はかなり体つくってるし、昭和40年代、原作の世界もかなり細かく再現していたように思う。

 余計だなって思ったのは、新たに付け加えた葉子の設定、最近の作品はどうも説明過多のが多いように思う。それにやんちゃな丈が描かれないためか、一本調子なのが物足りない。

ゆめのさと

2012-03-28 13:40:26 | 映像
 『赤線地帯(1956)』溝口健二監督の遺作、売春防止法が国会で議論中の時代の色街の話。

 結構重い内容なのに、不思議なテンポで進行する。女優の演技のせいだな。これがなんとも言えずリアリティを醸し出している。「苦界」にいる者が、常に悲劇的な表情をしているわけではないわけで、それが残酷さに説得力を持たせているのだろう。


 goo映画の配役間違ってた。二股かける客は田中春男で、片山虎之助はミッキーの父親役。

前衛娯楽映画

2012-03-18 11:26:40 | 映像
 とにかく観客の混乱を呼ぶ映像、妙にリアルなのである、ベタなはみ出し刑事ものなんだけどね。

 勝新太郎製作・脚本・監督・主演『顔役(1971)』、かなり前にテレビで観ただけだったので、ずっと見直したかった。YouTubeで見つけた。

 くらくらした。演出家としてのカツシン、一部では再評価の動きあり。『折れた杖』TVシリーズの『座頭市』もそうだったけど、観客の妙な緊張感を強いるとこ、実はある意味「古典的」でもあるのかな。

Ninja3

2012-03-16 05:37:50 | 映像

 昔の映画のシリーズって、正編があって「続」「新」と続くのが多いです。『男はつらいよ』もそうだったし。それから『仁義なき戦い』がそうだったけど、同じ役者が何回も違う役で出てくる。

 主役の石川五右衛門は市川雷蔵、前二作に比べて虚無的な感じになってる。これがまた、説得力があっていいのです。スター俳優には珍しい、役になりきるタイプの人だったらしいですね。『眠狂四郎』や『陸軍中野学校』『若親分』とも違うし。

 東野英治郎は引き続き豊臣秀吉役、適役です。

 服部半蔵も伊達三郎のままだったし。この人結構好きなんですよ。基本悪役で芝居もそんな印象的ではないけど、映画に綺麗に溶け込んでるんですよね。

 殺生関白といわれた秀次、正室の北政所の複雑な心情を利用しての復讐劇、そこにまた家康の思惑もあったりして、どうもすっきりしないとこも、面白かったです。

 淀君は若尾文子、この頃美しさのピークじゃないですかね。主演作でまだまだ観たいの、いっぱいあるんだよねぇ。

Ninja2

2012-03-16 01:04:35 | 映像

 『続忍びの者(1963)』です。

 信長の伊賀攻略で潰滅した忍者組織、主人公は妻と難を逃れ子をもうけますが、執拗な忍者狩りに幼子を失います。妻の故郷の雑賀衆や徳川配下となった服部半蔵(扮するは名脇役伊達三郎、Wikiではなぜか天知茂になってる)と協働して、仇を討ちます。

 明智光秀を焚き付け本能寺の変を起こさせて本懐を遂げるのですが、次の悪役は東野英治郎扮する羽柴秀吉に逆襲され、妻と安住の地も失います。

 復讐のため聚楽第に潜入、しかし捕らえられて刑場に牽かれていく姿にエンドマーク。

 「歴史」の勝利者である徳川家康、これが最大の「忍者」だったって感じで終わるんですが、なんせシリーズ全8作、続けて観ちゃいました。YouTubeで見つけちゃったので。