facciamo la musica!

作曲をするpocknが週1以上ペースで通っているコンサートの感想録を中心に、クラシック音楽を追求します。

諏訪内晶子&ボリス・ベレゾフスキー デュオリサイタル

2017年07月08日 | pocknのコンサート感想録2017
7月5日(水)諏訪内晶子(Vn)/ボリス・ベレゾフスキー(Pf)
~第5回 国際音楽祭NIPPON~
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

【曲目】
1.ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24「春」
2. ヤナーチェク/ヴァイオリン・ソナタ
3.藤倉大/"pitter patter" (国際音楽祭NIPPON委嘱初演)
4. R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
【アンコール】
1.マスネ/タイスの瞑想曲
2.ホイベルガー/クライスラー編/「オペラ舞踏会」~真夜中の鐘
3.クライスラー/シンコペーション
4.ドヴォルザーク/クライスラー編/我が母の教え給いし歌
5.ウォーロック/シゲティ編/カプリオール組曲~Bass-Dance

充実の極みと言えるリサイタルだった。諏訪内は徹底的に音楽と対峙し、一分の隙も見せない厳しさを貫きながら、そこには常に豊潤で香り高い歌があり、人間的な「匂い」が漂い、命をみなぎらせていた。音の美しさ、瑞々しさも格別で、そここら醸し出される香りや佇まいも比類がない。諏訪内の演奏を例えるなら最高級のシルク。でもただの素材ではない。そのシルクで仕立てた優美なコスチュームを纏ったダンサーが、しなやかで生命力に満ちた舞いを舞う姿だ。四肢にみなぎるエネルギーと細やかな所作が、音楽の細部から全体までを途切れなくスポットライトの下に照らし出す。

諏訪内と同じ年に同コンクールのピアノ部門を制した共演のベレゾフスキーは、地に根の張った揺るぎない安定感とダイナミズムを発揮して存在感を示し、諏訪内と対等に渡り合いながらも、基本は諏訪内に熱い追い風を送り、自由に踊らせ、羽ばたかせる役を果たした。

ベートーヴェンでは、優美に歌うだけでなく、スリリングで前のめりに挑み、聴き手も身を乗り出すほどのドラマを聴かせ、ヤナーチェクでは焦げ付くような燃焼で心を揺さぶる一方で、親密でウェットな歌で作曲家のプライベートな胸の中へと誘った。

藤倉の初演曲は、演奏に先立って行われた武満眞樹さんと藤倉氏のプレトークによれば、作曲者の幼い娘のイメージが反映されているそうで、ちょこまかと動き回る高音域のピアノと、息の長いヴァイオリンの歌で進み、終盤はヴァイオリンのみによる高揚感のあるモノローグ。話を聞いたせいもあるだろうが、かわいい娘に注がれる父親の温かな眼差しが感じられ、厳しさに徹していた諏訪内の顔からも和やかな表情が窺えた。

最後のシュトラウスのソナタはそんな和んだ空気を一気に高揚させた。諏訪内&ベレゾフスキーは、フレーズを大きく掴み、溢れ出る情感をほとばしらせて「薔薇の騎士」のようなゴージャスで豊潤な歌とサウンドの世界を堪能させた。オーケストラがトゥッティで鳴り響いているようなベレゾフスキーのピアノを、諏訪内のヴァイオリンはがっちりと掴み、ダイナミックなドラマを描いていった。まさにシュトラウス!

アンコールはあれよという間に5曲も演奏してくれた。ここでは意外なほどリラックスムードや遊び心を出し、即興性も取り込んで会場の空気を熱くして行き、聴衆との心の距離を縮めて一体感を強めていった。

CDリリースのお知らせ
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~

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