『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
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大人聞くべし!怠け者のメッセージ

2017-02-24 11:28:55 | 絵本

『しらさぎちょうじゃ』かくのぶゆき文 おのきがく絵 ポプラ社

昨日の2年生読み聞かせ、2冊目は次男からの熱烈リクエストにより、こちらの『しらさぎちょうじゃ』に決定☆。母は違うの読み聞かせしてみたかったんだけど、あまりにもリクエストが熱烈だったので。ふ~む、この熱烈さは、やはり私へのメッセージなのかしら?

『しらさぎちょうじゃ』は沖縄の昔話なのですが、各地方に伝えられてきた怠け者主人公の昔話と内容は一緒。これね、実は大人への重要なメッセージが隠されているのです!!!今日のブログ長いです、ご覚悟を(笑)。

内容は、貧乏で年老いた両親がどんなに働いていても、手伝うどころか寝てばかりいる(←コラっ)怠け者の息子のお話。ところが、ある日この怠け者主人公ジラー(次良)は、しらさぎを手に入れて、隣の長者の家の庭に忍び込むんですね(←不法侵入)。そして、自分は姿を見せず、天の使いであり神のお告げだと言いながら(←詐欺)、「ジラーと長者の家の娘を結婚させよ」と言うのです。そして、最後にしらさぎを放って、神のお告げらしさを演出(笑)。

おいおい、いいんですか、これ!?怠けて、人だまして、最後幸せになっちゃう。道徳的にどうなの!?!?でも、こういう話、昔話には多いんです

再話をした加来信宣幸さんは、「土地は働く人間のもの」なのに、遊んでいる地主が土地を持つはおかしい。そのことに対する民衆の無言の抵抗を、主人公の「なまけ」に投影したといいます。実は、働く人間がその土地の主人公なのだということを、奇抜な発想で語った、と。

その解釈も面白いのですが、私はこちらの小澤俊夫さんの解釈が好き
筑波大学名誉教授で昔話研究所をされている、オザケンパパの小澤俊夫さん。そういえば、19年ぶりにオザケン復活しましたね~。オザケン大好きなのですが、今の私にとっては、オザケンよりパパのほうが熱い(笑)!?

そんな小澤さんの一番のお気に入りが『さんねんねたろう』なのだそうですが、小澤さんの語っているバージョンは私が以前紹介したバージョンとは違います。私が読んだのは、主人公は起きたあと村人たちのために立ち上がる(いい奴)のですが、小澤さんバージョンは『しらさぎちょうじゃ』と全く同じで自己利益のためのみ(笑)。しらさぎが鳩になっているだけで、内容はほとんど同じです。



でね、小澤さんは言うのです。(寝太郎=ジラーだと思ってください)
寝太郎は一生寝ていたわけではない。途中で目が覚めた。たっぷり寝たからこそ、あとでいい知恵が出せたんですよ、って。充電期間なの。さらに、子どもは一生懸命にぼーっとしている。それは、成長のプロセスの中でとっても大事な時間。自分の中で色んなことを成熟させてる時間で、お酒の発酵期間と同じなんですよ、って。ただ、ぼーっとしてるんじゃないの、“一生懸命”ぼーっとしてるの(笑)。

親や周りは見ててイライラするんです。いつまで、そうやって、ぼーっとしてるの!?引きこもってるの!?ってね。でも、“待つ”ことが大事。だって、何にも考えてないように見えても、ぼーっとすることこそ大事なんだから。きっとね、今の子はぼーっとする余裕すら奪われてて、そちらのほうが問題

小澤家といえば、全員大成していて、その中にあの世界の指揮者・小澤征爾も含まれているのですが、四兄弟全員トドのようにひたすらゴロゴロ寝てばかりいたそうです。でも、小澤家母はさすが偉大で、何にも言わなかった(→ だから、みな大成した)。

小澤さんは、45年間の教師生活の中で、ダメそうに見えても、起きなかった子は誰一人いなかったといいます(あら、希望の光が)。ただ、起き上がるのに苦労している子たちはいた。・・・それは、親の規制やプレッシャーが大きかった子。ただ見守ってれば、子どもは自分の力で再び起き上がり、歩み出すんです

昔話からのメッセージは、道徳よりも強く生きろ、ってこと
なんですよ、って。とっても興味深く、そして癒しVoice(笑)の小澤俊夫さんのお話はコチラから聞けます。面白いので、ぜひ


https://fmfukuoka.co.jp/mukashi/archives/2011/07/post-117.php


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2 コメント

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Unknown (すきっぷ)
2017-02-25 20:17:41
こんにちは。
ブログを読み進めて行く途中で私も「三年寝太郎」ぽいなと思いました。
それにしても一生懸命ぼーっとしてるとか(笑)、起き上がらない子はいないとか、私は我慢出来ないかもです。自分を棚に上げて、ずっとゴロゴロされたら怒ると思います。いや絶対怒るね!
寛大ですね~、オザケンママとパパ。
Unknown (Shino(管理人))
2017-02-25 23:42:30
≫すきっぷさん

ええ、ええ、私は怒っちゃいました!というか呆れてました!ただ、ひたすらゴロゴロしてポケモンカードをぼーっと眺めてるだけの次男を。こんなに無気力で大丈夫?って。ところがですね、これ、2年後に絵を描くときのものすごい集中力と観察力に転換しました。ああ、長い目で見ないとなあ、その場の言動で判断しちゃいけないなあ、ってそのとき学びました♪
日本各地で似たような伝承があるって面白いと思いません?当時は伝達手段がなかったのに。日本人のDNAが持ってる真理なんでしょうね。

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