『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

いつの間にか根は張る『ベルナルさんのぼうし』

2017-03-08 06:17:26 | 絵本

『ベルナルさんのぼうし』いまいあやの著 BL出版 2014年

集中力のない5年生クラスへの読み聞かせは、一冊はグリム童話から、そしてもう一冊はコチラの絵本にしました。

やたらニコニコしてない、表情のない感じがいいです!

熊のベルナルさんには、友だちも家族もいなくていつも一人ぼっち。
でも、ベルナルさんにとってはそれは気楽で、たった一つの楽しみはお気に入りのぼうしをかぶって長い散歩に出ることでした。

ところが、昼寝をしているあいだ、キツツキが帽子に穴をあけちゃうんです
見て下さい、この場面(画質悪いけど)↓



あ~、素敵なところでお昼寝。本から言葉がこぼれ落ちていているのも素敵
帽子は鳥たちが増えるたびに、どんどん高くなっていって、タワーみたい。
ベルナルさんが取りだちを連れてお気に入りの浜辺へでかけ、かがやく海をながめている場面も素敵なんです



でね、ある日秋の日、鳥たちは南へ渡っていってしまうんですね。
ベルナルさんも冬眠の時期が近づいているのですが、一生懸命起きていようとするんです。
鳥たちが戻って来たら世話できるのは自分しかいないじゃないか、ってね。

最初ここ読んだとき、ちょっと違和感覚えました。動物なんだから、渡り鳥の習性くらい知ってるでしょー、って。でも、あ!それにさえ気付かないくらい、いままでベルナルさんは孤独、他人に無関心だったのかな、って次に思いました。

そして、ある日ノックで起こされるベルナルさん。
起き上がってドアをあけると、そこに春がやってきていたのです
鳥たちがもどってきて、そして、ベルナルさんの帽子は冬の間、根をはやし、枝をのばし、なんと大きな一本の木になっていたんです!



「おおおお~、スゲェー!」

と歓声をあげる5年男子たち・・・素直じゃのお

人ってね(ベルナルさんは熊だけど)、コツコツと何かをしてるとき、知らず知らずのうちに根をはやしてるんだと思うんです。
自分では眠ってるつもりの間、何にもできないと思ってる冬の間も、知らないところで根は伸びていってる。そして、いつの間にか枝を伸ばし、大きな木になってるのかも。
だから、今していることが見えなくても、何かをコツコツ続ける、そこに意味があるんじゃないか、っていうメッセージにも私には受け取れました
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