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司法修習について(二回試験~注意事項まとめ)

2016-10-03 01:27:30 | 司法修習
3.注意事項

最後にまとめ的に注意事項を述べていきます。あくまで私見ですので、一意見として参考にしていただければ幸いです。

(1) 全科目共通

①時間内に紐でつづる

当然ですが、絶対的に必要なノルマです。
試験前に必ずアナウンスされることにもかかわらず、毎年綴れない人が数人出るようです。
確かに時間に追われていると、紐より答案を完成させたいということに意識が向いてしまう気持ちも理解できますが、あらかじめ紐を通したうえで答案を書くなど、自分なりに工夫して必ず紐だけは結びましょう。


②ページ番号をふり間違えない

これも時間がなくて焦っているときには結構間違えがちです。
最後にまとめてページ番号をふるという人は、答案用紙が重なっていないか注意しましょう。


③途中答案を避ける

①②よりも相対的に重要度は下がりますが、司法試験よりも途中答案に対する評価は下がるようです。
特に、小問を白紙にするのはもったいないので、先に解くのも有効です。


④時間配分に気を付ける

集合修習起案の段階から、記録を読むペースをつかんでおきましょう。
途中でしっくりこない点がある場合であっても、一旦保留にして読み進めれば理解できることもあります。
時間が足りなくなるとどうしても焦ってしまって、かえって記録が頭に入らなくなるので注意が必要です。


(2) 民事裁判

・訴訟物を間違えない

ここを間違えると大打撃になりますので、事件名やよって書きを必ず確認して素直に書きましょう。


・固い事実から認定する

ジレカンで整理されている「争いのない事実」等の固い事実から認定していきましょう。
数撃って勝負できる科目だと思うので、認定事実は豊富にあげましょう。


(3) 刑事裁判

・重要な事実から認定する

民裁とかぶりますが、記録上検察官及び弁護人が重要視している事実に必ず着目しましょう。


・推認過程を丁寧に分析する

全科目の中で、一番慎重な事実認定を要する科目だと思いますので、反対仮説が成立する可能性を積極的に検討し、答案上に「悩み」を表現するよう意識しましょう。


(4) 検察

・公訴事実を間違えない

民裁における訴訟物並みに合否にかかわる部分です。検面調書をよく読んで、記録上担当検事が意図しているところを素直に汲み取りましょう。


・型(ルール)を守る

検察起案は型が命ですので、検討事項を落とさないように注意しましょう。
また、自白を事実認定に用いることの可否等、起案上のルールに従いましょう。


(5) 民事弁護

・当事者を間違えない

形式的な所ですが、原告・被告いずれの立場で起案するか必ず確認しましょう。


・(最終準備書面起案)相手方の主張から逃げない

最終準備書面起案型の場合は、自分の主張の裏付けと共に、相手方の主張が成立していないことにも触れる必要があります。


・(見通し起案)誘導に逆らわない

法律構成を何個も立てる作業は難解ですが、必ず設問に誘導があるので、それに従っておけば大外しすることはないはずです。難しく考えすぎないことがポイントかなと思います。


(6) 刑事弁護

・被告人の意思をくみ取る

無罪起案なのか、認定落ちを狙うのか、結論に注意しましょう。


・メリハリをつけて弾劾する

検察官の立証構造を想定したうえで、争点となるところを重点的に叩きましょう。


・型を守る

刑事弁護における弁論要旨も型が重要になるので、供述の引用の仕方等も踏まえ、答案の作法を守りましょう。



修習に関する記事はとりあえずこれで以上になります。
研修所を卒業してから1年近く経とうとしていますが、思い出しつつ書いているうちに懐かしく、ちょっと切ない気分になりました笑。

また思い出したことがあれば追記しようと思います。