ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2014J1昇格プレーオフ決勝ジェフ千葉vsモンテディオ山形@味スタ20141207

2014-12-09 10:42:36 | サッカー

師走でございます。皆様慌ただしく過ごされていると思います。にわかに冬らしい寒気が漂うようになりましま。どうかくれぐれも体調など崩されませんように。

わが東京は、J1の最終節を終え、天皇杯も無いのでオフシーズンに入りました。

でも来年の開幕まで長過ぎるので、最後にJリーグ最終試合を観ることにしました。実際の最終試合は雪で順延した新潟vs柏ですけど。

J1昇格プレーオフ決勝にお邪魔します。

今年の顔合わせは、三年連続となる千葉と初の山形。勝てば千葉は6年ぶり山形は4年ぶりのJ1。どちらが勝ってもひさびさのJ1復帰です。勝手ながらどちらもJ1にいてほしい素敵な地元とサポーターを持つクラブなので、傍からながら複雑な気持ちです。

千葉のコレオグラフ①あっこちゃん♪アメイジング・グレイス♪

蒼き旗とOver The Rainbow♪

千葉が三年連続一発に沈みました。山形がJ1昇格です。

千葉はリーグ戦最終節と同じメンバーです。シフトはボックス型の4-4-1-1。GKは高木。CBは智とキム・ヒョヌン。SBは右に慶左に太亮。ボランチは勇人と健太郎の佐藤さんコンビ。メイヤは右に志有人左にヤザ。トップ下に也真人。1トップは森本が頭部の怪我から復帰です。

山形には大きなサプライズありました。シフトは3-4-2-1。GKは準決勝の決勝ゴールヒーローの山岸。CBは右から當間、石井、竜也。ボランチは今日は松岡と宮阪。WBは右に山田左にキム・ボムヨン。2シャドウは右に山崎左に川西。1トップはなんと陵平。実戦復帰は実に3ヶ月ぶり。ベンチ入りはおよそ2カ月ぶり。スターターとなると靭帯の大怪我以来なんじゃないでしょうか?。ディエゴに代わっていきなりの大抜擢です。

山形はもとよりさすがに今年の千葉は慎重な入りかたをします。千葉も山形もロングボールを蹴り合います。千葉は森本か左のヤザをターゲットにポストを狙います。山形は陵平をターゲットに、陵平のフリックから山崎、川西を裏に走らせます。もしくは右に偏重気味のサイドアタックで、同じく長めのボールで山田を走らせ、シンプルにクロスを供給しようとします。この展開がかなり長く続きました。ノックアウトらしい緊張感のあるつばぜり合いが続きます。

先に仕掛けたのは千葉でした。10分頃から千葉はヤザにパスを集めます。ロングボールで山形を押し下げたことでボランチがフリーになります。健太郎がパスをさばく状況ができます。健太郎はライン際にはるヤザに渡します。ヤザが時間を作る間に太亮を上げ、山田の裏に抜け出そうという意図でしょう。これが決まります。山形のWBは高く位置取ろうとしますから狙いところなのでしょうけど、山田を狙ったというより、まずヤザのキープ力から試合を作ろうとしたのだと思います。

左のアタッキングサードで基点を作れるようになった千葉は、好循環に入ります。山形の守備網が片寄せすることでボランチのポジションにギャップができます。これでバイタルエリアにスペースが生まれます。そこを也真人が利用します。左サイドだけでなく真ん中でもアタッキングサードで基点が作れるようになりました。

これにより志有人が機能し始めます。志有人が右ライン際高い位置でボールを持てるようになります。太亮だけでなく志有人からも中央にクロスが供給されます。

さらに森本にペナルティエリアでパスが渡ります。森本自身のチャレンジはもとより、森本がラインを押し下げてできたスペースに也真人、ヤザ、志有人が襲いかかります。流れでは有効なシュートは多くありませんでしたけど、太亮の左CKからの也真人の惜しいヘッドが決まっていれば、結果は間逆だったかもしれませんね。

ほぼ千葉のワンサイドな展開で山形にとって我慢の時間が続くことは、もしかすると山形の予想の範囲内だったかもしれません。そして、いきなりその時は訪れます。

前半37分。ボムヨンが得たセットプレーから。宮阪の左CK。ひとりゴールエリアに残っていた山崎を狙った、もしくは直接シュート気味のクロスは高木にクリアされます。これがふたたび宮阪のもとへ。千葉はCKモードからオープンモードに変更。ペナルティエリア内中央に絞って最終ラインが揃います。さらに志有人、ヤザ、森本もゴール前をケアします。勇人が宮阪に寄せます。山形はファアに陵平、當間、石井がいて、バイタルエリアからボムヨンも加わろうとしています。さらに山崎がオフサイドポジションから戻ります。ファアに入る4人はヒョヌン、太亮、森本、志有人が見ています。この時山崎が中央にいる智の後ろからオンサイドに戻りつつあります。ニアにいた慶が振り返ってこれに気付いたちょうどその時、宮阪のクロスが送られてきます。狙いは山崎。タイミングはギリギリでした。慶の寄せは間に合わず、山崎はスタンディングジャンプで首を振ります。ボールは前に出かけた高木の逆を取って右隅に決まりました。千葉0-1山形。

ホントにギリギリなタイミングでしたけど、ラインズマンは正しくポジショニングしているので山崎と宮阪のファインプレーと言っていいと思います。

先制されても千葉は落ち着いていたと思います。変わらずイニシアチブを握ります。ただサッカーにおいてイニシアチブとオーガナイズは時として異なるように、もしも千葉のアタックが山形の許容範囲だったのであれば、案外オーガナイザーは山形だったのかな?と結果的には思います。

前半はこのまま終了。

後半に入り様相が一変します。勝っている山形が、あえてアタックモードを選択します。この時間帯をとったことが、結果的には山形に勝利を引き寄せたような気がします。

山形のアタックはサイドをストロングポイントとします。前半でも見せていましたけど、どちらかというと右サイドアタックが中心でした。でもホントの武器は左サイドなんではないかと思います。山形には明確な武器があります。竜也の左足です。山形は攻撃モードにはフォアチェックから入ります。高い位置でターンオーバーしても急ぎません。最終ラインを押し上げ、左右のCBが開きます。ボランチを一枚残し、もうひとりは中盤をフリーに動きます。2シャドウは陵平の脇を伺います。そして両WBが二人とも最前線まで上がります。そう、ちょうどポイチ広島かミシャ浦和のような形になります。

そして起点は竜也です。竜也がボールを持つとボムヨンが一気に最終ラインの裏を狙います。同時にボムヨンからの展開を予見して、山崎と川西が動きます。これで山形のアタック陣が躍動し始めます。

ところが、結局この山形のアグレッシブな仕掛けも最上の結果には結びつきません。千葉は4+4の守備陣形を最後まで維持します。WBにはメイヤとSBがつき、中央の陵平、山崎、川西はCBとボランチがペナルティエリアでの有効なアタックを阻止します。

そしてふたたび千葉が再攻撃を展開し始めます。ただイニシアチブを握りなおすというよりは、オープンな攻め合いになります。結果がすべての試合でオープンアタックが見られるとは思いませんでした。展開が一気にはやくなり、おもしろくなります。

ここで石崎さんが先に動きます。山崎に代えてロメロ・フランクを投入します。前線をフレッシュにするとともに、ボール持ててタメを作れるロメロを入れることで、攻め手を残す意図でしょう。ここが石崎さんのすごいところです。ホントは守りに入りたいところなのに、最初に攻撃のカードを切る。チームのバランスを維持しつつ、メンタルも考慮した作戦だと思います。

先制されてから、也真人が消えていたのが気になりました。序盤こそ千葉の執拗なサイドアタックに翻弄されかけた山形守備陣も、時間を追うにしたがいアジャストしていました。真ん中の也真人がケアされ、バイタルエリアでスペースを与えてもらえません。ボールを持ってもすばやいチェックでドリブルを封じられました。山形の守備のコレクティブネスが整いきる前に手を打ったほうがいいように感じました。

関塚さんがようやく動きます。也真人に代えてケンペスを投入します。2トップに移ります。でもちょっと遅かったような気がします。パワー系の2トップが並んでも山形の最終ラインは対処の範囲でした。

もしかすると関塚さんには、前の週のミッドウィークに山形と対戦した天皇杯のイメージがあったのかもしれません。ほぼベストの山形に対し若手中心で臨み、結果的には終始後手に回っています。天皇杯で使わなかった森本、也真人、志有人ではじめから押して先制し、余裕を作ってオーガナイズしようとしたのかもしれません。だからこそ余計いい流れのなかで先制されたのは痛かったでしょう。交代も関塚さんに先んじた石崎さんは、ホントに試合巧者です。

さらに関塚さんが動きます。志有人に代えて佑昌を投入します。なんとか状況を打開するため、独力で突破できる佑昌の縦への推進力と広範囲な可動域に期待したのだと思います。でもこれも山形守備網をかいくぐるまでには至りません。

こうなるともう、完全に試合は石崎さんの掌中です。最終盤、石崎さんは試合をたたみにかかります。松岡に代えて船津を投入。慎重に経過を見ていた石崎さんですけど、ここにきてチームに守りきるメッセージを送ります。

アディショナルタイムに入って山形はさらに守りを固めます。川西に代えてイ・ジュヨンを投入。あえて来年の山形を考えると、今日の布陣をベースとして、いずれもJ1のクオリティで、ガチで戦えるCBと試合をコントロールできるボランチがいれば残留も夢ではないと思います。竜也とサイドプレイヤーは十分に通用する戦力だと思います。

最終盤千葉が選手とサポーターの3年分の願いをのせ猛攻を仕掛けますけど、山形の牙城は堅固でした。このまま試合終了。千葉0-1山形。

崩れ落ちて立ち上がれない智が印象的でした。切な過ぎるので千葉についてはコメントは控えます。

山形は4年ぶりのJ1復帰です。

表彰式がありました。勝利と昇格を分かち合う歓喜の山形の選手、スタッフ、サポーター

山形はJリーグでも特異な運営形態をしていて、とてもリスペクトしています。山形のようなクラブこそ、この国のプロリーグのなかでトップカテゴリーにいてくれる意味があると思います。もちろん山形の風土にアウェイサポの一員としてまた触れる機会ができたことも嬉しいです。山形の皆さん、ホントにおめでとうございます!。

これにて自分の2014サッカー観戦シーズンはおしまいです。春を恋い焦がれて待ちたいと思います。


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