やっと仕事が一段落したので、
KANT(レースセンター)の今の様子をお知らせします。
前のデイレクターにめちゃめちゃにされた後、かなり落ち着きを取り戻しつつありますが、まだまだ問題は山積みです。
財政問題は、ともかくとして、レースの世界全体にいえることは、「どこに向かうのか?」
ということだと思います。個人としてはそれぞれがそれぞれの道へ向かえばいいのですが、センターとしては、方向性を問われるのだということです。
差し迫った問題を、一つ一つかたずけているときは、そんなことは言ってられないので、ともかく私たち歩兵としては、できることをするしかないのですが、これから先のことを考えると、なかなか難しいです。
つい先日、ある日本の方が、教師コースのことを問い合わせてきていました。
私も人のことは言えないのですが、日本のフランス語なもんで、事務の人が意味が分からないからと、ヘルプしてくれというので、訳して???あげたのですが。
4,5年に一度くらいの割合で、こういう方が現れます。すなわち「伝統を継ぎたい。」
はあ~~~?
フランスで宿無しの人たちのためにコンサートの収益を分けている大好きなヴァイオリニストが、TVのインタビューで、「どうやって、彼らの中に入って行ったのか?」と質問されて、「そうではない。星の王子様と同じで、少しずつ受け入れてもらったのだ。」と答えていたのが印象的でしたが、レースの世界も同じことがいえると思うのです。
伝統の技術を、ここの人たちは、自分たちで守ることはあっても、ほかの人に守って引き継いでくれとは、思っていない。レースそのものも、できることなら、ほかの国の人に買われて、どこかに行ってしまうのではなく、ここに残しておきたいと思っているのです。
商売をしている人たちは、別ですが、、、。
私が、ここでしていることは、ご恩返しです。
「あれをして、これをして」と頼まれることは、すなわち受け入れてもらえたのだと、思っているのですが、それには、時間が必要です。
3年の教師コースや、夏のコースは、その世界で、孤立していて、町の人間とのつながりが生まれません。頭でっかちの、見てくれの技術しか身につかない。
自分が持っている昔の古いパターンをくれたり、書いたパターンを編みたいと言ってくれたり、それこそ落ち込んでいるときに慰めてもらったり、元気づけられたりしながら、23年が過ぎました。
この頃は、自分が編みたい、作りたいというものだけではなく、作りやすいものを、考えるようになりましたが、それにつけても、レースの世界全体の程度の低下が、問題です。原因の第一は「高齢化」
もちろんこんなことは、自分のしたいことの一つとして、レースがあって、その技術を勉強したいという人にとっては本当にどうでもいいことで、別に議論する必要はありませんん。
人それぞれ、好きにすればいいのです。あれやこれやを勉強して、楽しめばいいことです。
自分のアートとして、レースをするのももちろん大切でしょうし。
legacyというタイトルのCD をこれまた、好きなヴァイオリニストが出したんですが!
なーるほど!
贈り物をどうやって受け取るのか、、、。
しかも今この現代で、古臭い、古物としてではなく、かけがえのない、大切なものを、受け取るには、こちらもそれなりの努力が必要ということ位でしょう。
本日は、自己訓示も含めて、きわめて、真面目な話でした、、、、、。