劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

江戸川乱歩の誕生日に『京乱噂鉤爪』/バレエ・リュス100周年に「バレエ・リュス その魅力のすべて」

2009-10-21 18:58:59 | 観劇
江戸川乱歩の世界を描いた“乱歩歌舞伎”第二弾『京乱噂鉤爪』@国立劇場


知らずに観たが、今日は江戸川乱歩の誕生日だったもよう。
そして、『レプリークBis』最新号特集内の伝統芸能コラムでご紹介した
中村梅丸が大いに活躍しているじゃありませんか!
(『レプリークBis』執筆↓ http://blog.goo.ne.jp/pluiedete/e/45f651a8cebbf250307bb6c235e49390

さて、内容だが、第一弾と同じくケレンたっぷりで楽しませる。
市川染五郎の、身体を張っての宙乗りも見事。

ただ、やりたいことを詰め込み過ぎたきらいも。
場面数が多く細切れな印象を受けるし、脚本的・演出的にやや盛り上がりに欠ける。
説明台詞でまとめている箇所も少なくないため、
乱歩独特の妖しい魅力が、空気として浮かび上がってこない。
俳優陣は大熱演で、装置も衣裳もよくできているだけに惜しまれた。

染五郎が長年温めて実現させたせっかくの企画。
焦点を絞ってじっくりと見せてほしかった気もする。
第三弾は、予定されていないのだろうか?
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舞踊研究家の芳賀直子氏から、新しい著書
『バレエ・リュス その魅力のすべて』(国書刊行会)が届いた。


20世紀初頭のアートシーンを席巻した伝説のバレエ団「バレエ・リュス」の
人物から作品、世界各国での受容などを多角的に記し、
断片的には有名なこのバレエ団の“全貌”に迫らんとする渾身の一冊。
写真や年譜、索引も充実している。装丁も美麗。

仕事が佳境ゆえ、まだじっくりと読むことはできていないのだが、
バレエ・リュス誕生100周年の今年、出るべくして出た本と言えそうだ。

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