劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスで編集者・ライターをしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

アヴィニョン演劇祭への参加を考える方へ

2011-12-16 00:01:15 | その他
毎夏、フランスのアヴィニョンで開かれる、世界的な演劇フェスティバル「アヴィニョン演劇祭」。
1947年のスタート以来、数多くの話題作を上演してきた、歴史と実績のあるフェスティバルです。
「イン」(IN)と呼ばれる招聘プログラムに加え、
1964年からは「オフ」(OFF)と呼ばれるプログラムも展開しています。

このオフへの日本の演劇集団やダンスカンパニーの参加に、
コーディネーターとしてかかわったご経験のある中島香菜さんから、
その仕組みについて簡単にうかがう機会があり、
今後、参加したいと考える日本のカンパニーにも有益な情報だと考えたので、
ちょっと季節外れですが、中島さんの許可を得て、掲載させていただきます。

ただし、公式的な場からの情報ではありませんし、
フェスティバルの状況が変更になることは充分あり得ますので、
あくまで一つの参考とお考えくださいね。

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【1、アヴィニョン演劇祭オフへの参加とは】


まず、オフは応募したり選ばれたりするものではありません。
言ってみれば、インが招聘公演なのに対し、オフは自主公演。
つまり、日本でやる自前の公演と同じで、
資金があって、上演させてくれる劇場がみつかれば、誰でも参加可能です。

しかし! 現在、オフの公演数は1000以上もあって、それらを
とりまとめている事務局「Avignon Festival & Compagnies」があります。

この事務局が行う一番大きな業務は、各公演の情報を収集して、
プログラム(無料で配布)やwebで観客に提供すること。
観客はそのプログラムを参照して、その日観るものを決めるわけです。
ここに掲載されないと、観客にとってその公演は存在しないも同然になってしまいます。

事務局では、オフに参加したいカンパニーに劇場などの
情報提供もしていて、サイトには劇場のリストがあります。
http://www.avignonleoff.com/lieux-off/

とはいえ、事務局は情報提供以上のことはしてくれません。
劇場へのコンタクト、交渉など、すべてカンパニーが自力でやることになります。


【2、参加を決めたら、どうすべき?】

劇場は100位あると思いますが、予算や劇場の大きさなどなどを見て、
それぞれが自分の作品に合いそうな場所にコンタクトし、決めていく必要があります。
人気のある劇場はフェスティバル期間中から、次の年のブッキングが始まっていますので要注意。

ただし、劇場によって、どんな作品でも受け入れているようなところと、
コンセプトを持って作品を選ぶところとあるので、空きがあっても受け入れてくれない場合もあります。
テクニカルライダー付きで、作品についての書類や映像を送って、貸してもらえるか聞いてみましょう。

劇場が決まったら、上記のオフ事務局に登録します。
このとき、公演チラシに掲載するような情報も写真と一緒に送ります。

劇場にコンタクトする前に、この事務局に一度、
「日本から参加したいけれど、劇場を紹介してくれませんか? 
こちらはこんな作品をやります」と、相談してみるのも一つの手でしょう。

ちなみにオフのサイトには、英語ページ(http://www.avignonleoff.com/en/)もありますが、
情報はあまり充実していないようです。
不明点があれば、英語でメールをしてみたほうがいいかも知れません。

宿舎は、城壁内で安いところを探すのは非常に大変です。
学生寮を借りることも可能ですが、注意しないと埋まってしまいます。
これも、事務局に相談するとどこか紹介してくれる可能性があります。
「川の向こうにキャンプ場があるよ」などと言われることも(笑)。
実際、過去に、キャンプ場にテントを張って生活しながら、公演したカンパニーもありました。

既述の通り、フェスティバル期間中から、翌年のために劇場にコンタクトする
カンパニーも多いので、これから動いて間に合うかどうかは微妙なところ。
しっかり調査・準備をして、2013年の参加を目指すのもいいでしょう。

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結論としては、アヴィニョン演劇祭でパフォーマンスをすることは可能ですが、
そこでどれだけの成果を得ることができるかは、
参加者それぞれの手腕にかかっていると言えます。

「1000の中から観客(舞台関係者も含め)に選んでもらうのは、大変なこと」と中島さん。
毎日観客が一桁台にしかならず、途中で打ち切るカンパニーもあるようです。
アヴィニヨン演劇祭の「イン」だけを観て帰る関係者も多いので、
行けば自ずと道が拓ける、というわけでもないのです。

それでも、多くの人が集まる演劇祭であることは確か。チャンスは転がっています。
熟考を重ねた上で、トライしてみるのもいいかも知れません。
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