Neurology 興味を持った「神経内科」論文

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SARA −新しい小脳失調の評価スケール−

2007年01月21日 | 脊髄小脳変性症
 従来,小脳失調の評価スケールとしてはICARS(International Cooperative Ataxia Rating Scale;J Neurol Sci 145: 205-211; 1997)や,多系統萎縮症の評価スケールとしてUMSARS(united multiple system atrophy rating scale)が広く用いられてきたが,評価項目が多いため日常診察のなかで簡便に使用するには困難なことが多い.最近,新しい小脳失調の評価スケールとして,SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)がヨーロッパのワーキンググループより提唱された.

 本スケールの売りは何と言っても,ICARSと比較し,評価項目が少なく簡便に使用できるという点である.評価項目数は,ICARSが19項目であるのに対し,SARAは半分以下の8項目である(歩行,立位,坐位,言語障害,指追い試験,指鼻試験,大腿部での手首の回内・回外運動,膝踵試験).所要時間は原著によると,14.2±7.5分(5〜40分)とあるが,実際やってみて10分かからず可能であった。慣れればもっと短くて済む印象がある.

 このスケールの評価は,失調症の病期ごとの変化,ICARSやBarthel index,ハンチントン病評価スケールのpart IV(UHDRS-IV)との比較にて行われた.この結果, SARAは評価者間での変動が少ないこと,∋邯魁再試験信頼度や,各試験項目の内部整合性が高いこと(Cronbach α 信頼性係数0.94),I卒と相関して増加すること,Barthel index(ADL評価)やUHDRS-IVスコア(機能評価)と有意な相関を示すこと,ヘ輊卒間とは弱い相関しか示さないこと,をSCD患者286名による検討で明らかにした.

 以上より,SARAはSCD患者の診察,とくに忙しい外来診療では,積極的に取り入れることを検討すべき評価スケールであると考えられた.なお英語版は以下のページを参照してほしい.日本語版はまだ発表されていない.

SARA(英語版)

Neurology 66; 1717-2000, 2006
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2 Comments

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Neurology (MINGO)
2007-01-21 12:42:19
「Neurology」は,IFが下がって「Stroke」にもとうに抜かれ,「Arch Neurol」に追いつかれそうだったからか,編集長が今年変わりましたね.発行も隔週から毎週発行になりました.
新年号には,CPCも載ってましたがその後はないようです.
「臨床神経学」ともども今後どう変わっていくのか楽しみです.
情報ありがとうございました (pkcdelta)
2007-01-23 04:40:45
MINGOさん、コメントありがとうございました。新しいNeurologyについては記事に少しだけ書いておきます。

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