被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

EnのESD教育の在り方について

2016-09-01 20:35:09 | 日記
Enは今年、活動開始から丸5年が経ちましたが、学習支援活動当初より、変わらない考え方(バックボーン)があります。

Enの基本的な考え方は「震災を教訓にする」ということです。それは、どういうことなのでしょうか?「教訓」は「震災」をどう捉えるかによって変わるでしょう。例えば、「避難の判断ができなかった」ことに注目すれば、「避難を判断するための方法」が教訓となり、「備蓄が適切でなかった」ことに注目すれば、「災害時の状況を想定した備蓄をすること」が教訓となります。Enでは、震災後に人々が自ら現実に向き合い、未来のために行動することが難しかったことに注目し、「困難に直面しても立ち上がり、自ら課題を見つけ解決し、未来を切り拓く力をつけること」を教訓と考えています。一人ひとりがこのような力をつけて自律的に考え、行動することができれば、社会全体のレジリエンスを高めると同時に、復興につながると考えています。

では、未来を拓く力とは、どのような力なのでしょうか?私たちは、それを「変わる力・変える力」と考えています。困難に直面しているとき、私たちは何らかの変化を求められています。ここでいう変化とは、新しい価値観を受け入れ、新しい人たちと協力するということです。課題に挑み、解決するためには、変化を恐れずに積極的に学ぶとともに、周りの人と協力しなければならないことも多いでしょう。したがって、自らを変化させ、周りの人にも変化を起こしていける人が、未来を切り拓いていくことができると考えています。

そのため、Enでは「変容していける人を育てる」ことを活動の目的の1つとしています。これは、学習会や修学旅行に参加する中学生についても、スタッフについても、Enのイベントの参加者についても同じです。学校や地域との関係においても、学校の変容・地域の変容をサポートすることを目指しています。

そして、この「未来を切り拓くための変容」は、文部科学省が掲げる持続可能な開発のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)とも共通するものです。Enでは、ESDを以下のように考えています。

ESD=「思考の変容」と「行動の変容」の相互作用としての「変わる力・変える力」を育む教育
○思考の変容:どんな状況からも意味を見出し学びとる前向きな姿勢を持ち、多様な価値観を自ら探し、受け入れ、取り入れる。
<目標>
①状況を肯定的に捉える
②自ら問いを立てる
③物事の在り方を理解する
○行動の変容:多様な人と関わり、関係性を構築し、協力して問題を解決する。
<目標>
④多様な人と関わる
⑤人との関係性を大切にする
⑥挑戦し、実行に移す

このような変容をできる人を育てるために、Enでは活動の各場面でさまざまな取り組みをしています。

例えば、中学生対象の月に1度の学習会では、できない部分を「のびしろ」として肯定的に捉え(①状況を肯定的に捉える)、理解のために「なぜこうなるのか」を繰り返し考えていきます(②自ら問いを立てる)。また、断片的な知識ではなく各教科の基礎となる重要な部分を丁寧に学ぶことを通して、構造的に考えることを目指しています(③物事の在り方を理解する)。同時に、大学生や社会人といったEnのスタッフに関わったり、友達と教え合ったりする(④多様な人と関わる)ことを通して、信頼関係を築き、関係性の中で学びはじめます(⑤人との関係性を大切にする)。このような学習を通して、生徒たちは、苦手なものに向き合い、克服するために努力する力と社会性を身につけていきます(⑥挑戦し、実行に移す)。

チーム作りとスタッフの育成についても、同じ考え方で行っています。Enのチームには状況を前向きに捉える文化があり(①状況を肯定的に捉える)、スタッフには活動を通して、主体的に学びそれを伝えることが求められます。ミーティングでは、それぞれの課題や問いを共有して(②自ら問いを立てる)、解決策をいっしょに考えます。活動後には、個人で振り返りを行い、それをもとにミーティング形式でさらに問いを重ね、理解を深めるため「チーム一人ひとりの振り返りを、チーム全員で振り返る」を行います(③物事の在り方を捉える)。Enのチームは大学生や社会人や高校生など、バックグラウンドの異なる多様な人からなります。そのようなチームだからこそ「Enのルール:尊重する、傾聴する、メモを取る、意思疎通を図る努力をする」を設け、互いの発言やアイディア、思いに耳を傾け、尊重する環境を作り、合意形成を図っていきます(④多様な人と関わる)。また、参加する一人ひとりがリーダーという意識をもって、活動で関わる方々の思いを汲み取り、タスクや期待される役割以上に自分にできることを探して実行することを「リーダーシップ」と定義しています。(⑤人との関係性を大切にする)スタッフは、活動を通して自分にも誰かのためにできることがあるということを実感し、挑戦することの価値を学んでいきます。(⑥挑戦し、実行に移す)。このような環境があるからこそ、困難な状況に対しても前向きに取り組む文化が生まれています。

上に挙げたものはEnのESDのうちの一部ですが、Enでは、関わるすべての人に変化をもたらし、未来を切り拓くきっかけになるような活動を目指しています。

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