被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

【学びの機会】 Save the ChildrenとのコラボでPFA for Children研修を実施しました <感想編>

2017-06-15 14:37:42 | 日記
今回の講習は、私がPFA for Childrenを知り活用することで、つらく苦しい思いをする子どもが減ってくれればとの想いで参加させていただきました。

講習の中では、主に緊急時に危険にさらされた子どもに対する支援の方法を学びました。特に印象的だったのは、「PFAは専門的な知識がなくとも行えること」でした。私自身、始めは心理的応急”処置”と聞いて、専門的な知識のいるものだと勝手に思っていました。

しかし、先日の記事でもあった「見る→聴く→つなぐ」の行動原則を実践することで、専門家ではない私達でも支援ができることが分かりました。

①支援が必要かどうかまずは「見て」判断する。
②子どもの話を「傾聴(相手の話に集中する、相槌、復唱、共感)」する。
③適切な所へ「つなぐ」こと。

この3点を学んだことにより、PFA for Childrenは誰にでもできる開かれた学びであると講習後には感じるようになっていました。

私たちも東日本大震災で災害を経験した子ども達の支援をしています。震災から6年経ちますが、目には見えない傷を心に負っている子ども達がいる恐れがあります。そのような子ども達は周りに心配をかけたくないと想いを吐きだしにくく、苦しい状況にあるかと思います。
このような東日本大震災の教訓を活かし、先の災害に備えるための対策の1つとして、より多くの人がPFA for Children を知っておくことは、子ども達の災害直後のストレスからの回復につながると思います。そのために、私たちはこれからも社会にPFA for Childrenの必要性が広めていけたらと思っています。
                                                              (かっくん)


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【学びの機会】 Save the ChildrenとのコラボでPFA for Children研修を実施しました<ESD編>

2017-06-10 23:08:43 | 日記
今回のSave the Childrenとのコラボでは、Enが力を入れているESD(持続可能な開発のための教育)を研修と組み合わせました。

ESDとは、現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そして、それによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。つまり、ESDは持続可能な社会づくりの担い手を育む教育です。
(文部科学省参考URL)http://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm

Enは、これまでの事業で一貫して「3.11を教訓にする」ということを原点にして、「人を育てる」ということを事業の中核にしてきました。Enでは「人を育てる」ことにおける目標を、人が困難に直面しても立ち上がり、自ら課題を見つけ解決し、未来を切り拓く力をつけることとしています。それによって、東北、その他の被災地域の中長期的な復興、及び次の災害に対する社会全体のレジリエンスの向上を目指しています。

ESDとEnの事業の中核には共通点として、自ら課題に向き合い、新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を実現させる人の育成が挙げられます。そこで、Enはこれまでの活動の蓄積から得られた知見にESDを組み合わせることによって、人が興味を広く持ち、物事のあり方や関係性を構造的に理解できるようになること、その上で、そこから気付きや疑問を持ち、主体的に自分の課題を捉えてそれに向き合い、取り組むようになることを目指しています。

今回の研修のねらいは、受講者が研修を受けてPFA for Childrenを「分かったつもり」にならずに、PFA for Childrenを必要としたときに、状況に合わせて自分で考えて正しく実行できるまでに理解を深めることにあります。

なぜなら、PFA for Childrenによって災害時により多くの人を救うためには、その正しい理解とそれを実行する主体性を必要とするためです。支援者がPFA for Childrenを正しく主体的に身に付けることで、災害に対するレジリエンスが向上する可能性があります。そのために、EnのESDによる学習の工夫によって、受講者がPFA for Childrenを正しく理解すると共に、主体的に実践するようになる設計を研修に組み込みました。

具体的には、次の3点の工夫を実施しました。
〇Enの活動経験者によるファシリテーションの補助
受講者の各グループのうち1名はEnの支援活動に参加したことのあるメンバーを配置し、受講者の学びを促進するファシリテーションを補助しました。受講者同士が学びを深め合いながら、研修だけで終わらない学びのきっかけを得てもらうことをねらいとしました。

〇ラーニングガイドを用いたPFA for Childrenのポイントの振り返り
「ラーニングガイド」とは、研修での学びを深めるための問いをそなえた資料です。今回の研修では、研修内で伝えられた知識や実践することによる気づきを得た後に、ラーニングガイドを用いてPFA for Children全体のポイントを振り返ることで、そのポイントのうちで分かること/分からないことを明確にし、PFA for Childrenを理解するための課題を見つけてもらうことをねらいとしました。

〇事後アンケートによるESDの観点からの振り返り
ESDの観点から研修を振り返る問いを設定し、研修後のアンケートとして学びを自らに落とし込んでもらうために答えてもらいました。PFA for Childrenを正しく理解しているかと共に、それにどう主体的に取り組むかを考えてもらいました。

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【学びの機会】 Save the ChildrenとのコラボでPFA for Children研修を実施しました <成果編>

2017-06-07 01:25:16 | 日記
今回の研修のねらいは、受講者が研修を受けてPFA for Childrenを「分かったつもり」にならずに、PFA for Childrenを必要としたときに、状況に合わせて自分で考えて正しく実行できるまでに理解を深めることにありました。

受講者はEnが力を入れているESDの観点から、PFA for Children研修をアンケート形式で振り返りました。その結果として、以下の回答と考察が得られました。

1.今回のラーニングガイドは、PFAを理解する上で役立つものでしたか?どういった点で、どのように役に立ちましたか?
―――――――――――――――――――――――――――
[結果]
「知識・要点を振り返ることができた」「自分の理解度を把握できた」という意見が多数。ほか、「基礎内容から実践の想定までできた」「講義のみならず書面で学べた」「知識のみならず考え方も学べた」などの意見あり。

[考察]
回答者が、ラーニングガイドを通して研修で学んだ内容を振り返ったことにより、PFA for Childrenのポイントで分かるところとまだ分からないところを明確にできたと考えられる。まだ分からないことを明確にすることでPFA for Childrenを理解するための課題を把握し、より深い理解につなげることができる。研修の前半では知識・思考面の学習を、研修の後半では実践面の学習を行った。それに加えて、研修の最後にラーニングガイドによる振り返りをすることで、改めて知識・思考面の学習も深まりよりよい実践面の学習にもつながったと考えられる。

2.今回のPFA研修で印象に残っている学びを3つ上げてください。
―――――――――――――――――――――――――――
[結果]
「傾聴」「子どもの年齢・文化・地域ごとの反応の違い」「PFA for Childrenの全体・流れ」についての言及が多数。ほか、「自助力を支える」「すべての子どもに必要ではない」「トライアンギュレ―ション」などへの言及あり。

[考察]
回答者が、PFA for Childrenの全体を把握すると共に、見る・聴く・つなぐにそれぞれ対応するポイントを学びとして得たと考えられる。これまでの災害支援の反省が活かされている支援の基本的な考え方を理解し、その上で支援の知識・技術を身に付けたと考えられる。

3.今回の研修で新しい考え方を知ることができましたか?できたとしたら、それはどのようなものですか?
―――――――――――――――――――――――――――
[結果]
「支援者が勝手な支援をしてはいけない」「被災者の自助力を支える」「誰にでもできる方法である」「トライアンギュレ―ション」への言及が多数。ほか、「他者との連携による支援」「心の応急処置という発想」などへの言及あり。

[考察]
回答者が、被災者に寄り添った支援のあり方に考えを改めると共に、それに対して自分にもできることがあると気付きを得たと考えられる。被災者が必要とするものに自らの力でつながる手助けをすることで、専門家でなくとも被災者の心の回復のサポートができることを理解したと考えられる。

4.もう少し深く考えていきたいと思ったことはありますか?そう思ったのはどうしてですか?
―――――――――――――――――――――――――――
[結果]
「実際の支援ではどうすればよいか」「○○の場合はどのようにすればよいか」という意見が多数。ほか、「自助力を支えることを他にも活かしたい」「傾聴・共感について考えたい」などの意見あり。

[考察]
回答者が、実際にPFA for Childrenを用いる場面を想像しており、自分なりのPFA for Childrenの実践に落とし込もうとしていると考えられる。学びをさらに理解・応用したいという意見が挙がっており、研修に留まらず今後も自ら学びを深めようとしていると考えられる。

5.今回の研修から、子どもたちのために平時からどのようなことをしておくことが有効だと思いますか?自分にはどのようなことができると思いますか?
―――――――――――――――――――――――――――
[結果]
「子どもの反応・心情を理解しようとする」「PFA for Childrenを多くの人が知る」という意見が多数。ほか、「子どもの自立をサポートする」「子どもとのコミュニケーションを身に付ける」などの意見あり。

[考察]
回答者が、災害時に特別なニーズのある子どもへの支援をより多くの人が知ることで、より多くの子どもを救える可能性があることを理解したと考えられる。PFA for Childrenでポイントとなる要素を抽出して、それを平時から子どもに対して主体的に実践しようとしていると考えられる。

6.あなたが感じたPFAの必要性はどこにありますか?
―――――――――――――――――――――――――――
[結果]
PFA for Childrenが必要な理由として、「誰にでもできる方法である」「『つなぐ』ことで子どものストレスを軽減させる」という意見が多数。また、PFA for Childrenが必要とされる場面について、「災害時に加えて日常でも」「子どもにだけではなく大人にも」「災害の多い日本から世界へ広める」という意見あり。

[考察]
回答者が、災害時の支援としてPFA for Childrenが必要な理由を、誰にでもできるケアの方法をより多くの人が身に付けることで、災害時により多くの人を救える可能性があるためであると理解したと考えられる。また、災害時の子どものストレスを軽減させるために、周囲と連携して『つなぐ』重要性も理解したと考えられる。PFA for Childrenの必要性を理解したことで、「災害時」「子ども」に限らずにより広く実践していこうとしていると考えられる。

引き続いて、今回の研修で提供したEnのESDについて、その詳細を<ESD編>でご紹介いたします。




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【学びの機会】 Save the ChildrenとのコラボでPFA for Children研修を実施しました<研修編>

2017-06-05 18:50:23 | 日記
5月21日に「子どものための心理的応急処置」1日研修を公益社団法人Save the Childrenとの共催で実施しました。
「子どものための心理的応急処置(PFA for Children)」とは、災害などでストレスを抱えた子どもに適切に対応するための”心の応急処置”です。

PFA for Childrenは、『見る』『聴く』『つなぐ』という行動原則を基本にした、誰にでもできる心理社会的支援の方法です。災害時などでの人道支援において、保健分野での子どもの心のケアの方法として国際的に用いられています。

PFA for Childrenの目的は、ストレスを抱えてしまった子どもを適切な支援につなげることで、子どもの心の回復の助けになることです。それは、子どもに被災体験について話すことを無理強いすることや、求められていない支援をしてしまうこととは異なります。

PFA for Childrenは次の3つの原則を基本にして、子どもや家族がニーズに寄り添った支援を得ることを手助けします。
【見る】
まずは安全確認。明らかにストレスを抱えている子どもや家族がいないかを確認します。
【聴く】
子どもや家族に寄り添って、落ち着けるようにお話に耳を傾けます。その中で、子どもや家族が抱えているニーズを明らかにします。
【つなぐ】
子どもが抱えるニーズを満たすために、子どもをその家族・情報・社会的支援などにつなぎます。その過程では、子どもが自らの力で問題を解決できるようにサポートします。

研修では、災害医療のプロフェッショナルである講師の一人から、人道支援におけるPFA for Childrenの位置づけと災害時の精神的健康上の問題について説明いただきました。PFA for Childrenは、災害時の心理社会的ケアとして専門的なサービスを除くあらゆるレベルに通用する方法です。そのようなケアが医療・保健の専門的なサービスと共に行われることで、被災者の多様なニーズに応えることができます。

また、研修の中ではPFA for Childrenの原則を講義で学ぶと共に、実習とロールプレイを通じてそれを練習しました。その中で、大人とは反応の異なる子どもに対して、どのように接すればよいのかを考えました。受講者は、研修に対する積極的な姿勢を通して、PFA for Childrenのポイントを学ぶことができました。

引き続いて、今回の研修に組み合わせたESD(持続可能な開発のための教育)とその工夫を、<ESD編>でご紹介いたします。
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【学びの機会】 熊本県の中学校訪問~東北の今は熊本の未来?~

2017-06-02 23:00:13 | 日記
先日、熊本県にある中学校を訪問してきました。それは、Enが東日本大震災の被災地で学習支援を続ける中で得た知見を、昨年4月に大きな地震に見舞われた熊本の被災地に伝えて、教訓を生かしてもらうためです。

東北での経験や学びから、以下のようなことをお伝えしました。
・子どもたちは明るくしているが、心には大きな傷を負っていることが多い。そして、その傷は震災から6年経った今でも津波を思い出すなど、長く続くものである。
・それを家族や友達など、近い人には見せない傾向がある。逆に信頼できる第三者には言えることもある。それによって落ち着いて自分の課題に向き合うことができるようになる。
・PFA(心の応急処置)により、震災によって受けたショックや心の反応は一般的なもので正常だと伝えることで、子どもたちは安心する。
・復興の過程で家庭の事情が複雑になったり、大人たちが希望を失っていくと、それは子どもたちに伝染する。

また、先生のお話や、現地で出会った方との会話から、
・生徒たちに安定した環境を与えることが課題である
・復興がなかなか進まなかったり、自分たちの思いを汲み取ってもらえなかったりすると、希望を持てなくなる
ということを感じ、改めて東北の状況との共通点を認識しました。

震災から6年経った東北で今起きていることは、今後熊本でも起こりうることだと考えられます。しかし、Enがミッションとしているように「(東北での)震災を教訓にする」ことで、熊本の未来を変えることもできるはずです。それが、熊本の人にとっても、東北の人にとっても希望になっていくように、私たちにできることを積み重ねていきたいと思います。
(かおちゃん)

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