ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

東京国立博物館「平安の秘仏」展と庭園散策

2016-11-20 00:22:52 | 仏教彫刻探訪

11月18日(金)

この日は夜に飯田橋で用事があったので、その前に12月11(日)まで
東京国立博物館で開催されている「平安の秘仏」展に行った。
チケット売り場に行くと、「平安の秘仏展はただいま混雑しています」とのこと。
それならと、まずは秋の開放期間に当たっている庭園散策に行くとしよう

庭園入口に咲いていたスイフヨウ。
花の少ない時季に、大変美しく目立った。

ここが寛永寺の境内だった時の面影を残す築山の奥に、小さな銅製の五重塔が建っている。
精巧で均整のとれた、美しい塔だ。
江戸幕府5代将軍・徳川綱吉が法隆寺に奉納したものだという。
そういえば、法隆寺には綱吉の母・桂昌院が奉納した銅製の燈籠があった。
親子で深く帰依していたのであろう。

こちらは江戸時代に河村瑞賢が淀川改修工事の際に立てた休憩所・春草廬(しゅんそうろ)。
そういえば、建長寺に瑞賢の墓があったことを思い出した。

池に面した転合庵は、日当たりの良い芝生の庭にあって、のんびりした雰囲気を漂わせている。

転合庵から眺めた東京国立博物館本館。
木立の中を進み、六窓庵・有馬家の墓石などを眺めながら、少々開けた応挙館へ。

尾張国(愛知県)の明眼院(みょうげんいん)の書院として寛保2(1742)年に建てられたこの建物は
天明4(1784)年に丸山応挙が眼病のため、明眼院に滞留していた際に揮毫した墨画があることから
応挙館と名付けられている。

応挙館から少し進むと広縁と窓のガラスが美しい九条館がある。
東京・赤坂の九条邸にあり、当主の居室として使われていたものを移築したのだという。
ぐるりと庭園を散策すること40分、混雑は多少解消しただろうか。
「平安の秘仏」展に向かう。
音声ガイドを借りて展示室に入ると、混雑は解消しているようだった。


本館の特別5室1室だけの展示でありながら、滋賀県甲賀市に所在する
天台宗の古刹、櫟野寺(らくやじ)の平安時代の仏像20躯が一堂に会する様は壮観だ。
御本尊の十一面観音菩薩坐像をさておいてなんだが
定朝様の薬師如来坐像が、穏やかさと安心感を抱かせて
やはり定朝はそれなりに仏像における様式美をある一方向においては極めたのだと感じる。
文治3(1187)年の地蔵菩薩坐像のキャプションには「平安時代」とあって
「文治3年なら鎌倉時代じゃないの?」
と、突っ込みを入れる。
まあこちらも平安仏の穏やかでほっこりした特徴を有しているから
平安時代の仏様なのかな。
それに、「平安の秘仏」展に、鎌倉時代とは書けないもんね。
うーん、でも、時代表記は違うような気がするが…。
それにしてもこのお地蔵様、かなり高い位置に安置されていたのか
眼差しがとんでもなく下向きで、目鼻立ちが顔の下半分に集中していておでこが広い。
しゃがんで拝むと、優しげな眼差しを向けられているようで、ちょうど良い塩梅になるとみえる。
それにしても、甲賀(こうか)地方の仏様の特徴は、しもぶくれの四角いお顔にべっちゃりした鼻
ずんぐりした胴体のようである。
このお顔は独特で、京都の円派や奈良の慶派など、当代流行の仏師集団の影響を受けることなく
地元の仏師や櫟野寺の僧侶が歴史的に制作してきたからだ、と言われている。
これらの詳細は、ぜひ音声ガイドを借りて聞いてほしい。
とくに、みうらじゅんといとうせいこうの裏トーク(いかにも怪しげ)が面白い


企画展を見終えて、常設展の彫刻部門へ。

こちらは滋賀県金剛輪寺の慈恵大師(良源)坐像。
比叡山延暦寺の中興の祖である良源の肖像彫刻は多く、中世に遡る木造の作例が35体もあるという。
ふーん、慕われて作られたというより、信仰の対象になっていたという感じか。

そしてこちらは奈良県浄瑠璃寺の十二神将立像のうち、辰神・巳神・戌神。
やはり鎌倉期の仏教彫刻は惹きつけられる。
彩色も残っていて、当時のお姿が偲ばれる。

こちらは神奈川県曹源寺の十二神将立像。
十二神将はどこの十二神将を見ても楽しいな。


今年はなかなか仏教彫刻探訪歩きが出来ずにいたが
鎌倉に続いて「平安の秘仏」展、そして来月は…。
ムフフ…、ぬーはーはーはーはーっ(気持ち悪い)。
33年に一度の御開扉ならば、次の御開扉の時はぴすけなんと82歳
生きているかどうかもわからないのだから
行くなら、今でしょ

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4 コメント

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私も行ってきました (芝刈り爺さん)
2016-11-20 21:20:21
私は先月30日。円覚寺の坐禅会の帰りに、禅の展示と一緒に見てきました。いい仏さまがそれなりにあった気がします。この頃琵琶湖付近によく出かけ、先日石山寺での秘仏公開とやらを見逃したので(ツアーだったので)格安旅行券で再度行く予定です。11月30日から1日個人旅行、1泊です。24日からは竹田城、城崎温泉などにこれまたつあーでいきます。仏さまに会うこと、お寺神社参りはすきですね。
ニアミスですね (ぴすけ)
2016-11-20 23:33:42
芝刈り爺さん、私は12月1日に石山寺に行きます。
私も1泊で、今回はその昔の反体制勢力であった僧兵の地と仏教彫刻を訪ねて歩きます。
石山寺・園城寺・延暦寺・日枝大社を中心に、博物館などを巡る予定です。

仏様は、やはり信仰されてきたその地にあってこそ、それまでの歴史の重み、人々の念じた重みを感じることができると思いますが、遠方の仏様が博物館などにいらしてくださることは大歓迎です。
来年は、奈良国立博物館で「快慶」展が、東京国立博物館で「運慶」展が開催されるので、今から待ち遠しくて仕方がありません。
すごいびっくり (芝刈り爺さん)
2016-11-21 08:50:38
私は、まず石山寺、、、あとは全くの未定。なんか良いコースあったら教えてください。まさか現地デートというわけにも行かないでしょうが私は、湖東の、瀬田に泊まります。びっくり仰天です。びっくりびっくり。
私もびっくり (ぴすけ)
2016-11-21 12:02:03
芝刈り爺さん、私は琵琶湖方面でうまく宿が見つけられなかったので、12月1日は京都に泊まります。
なので、1日はやはり最初に石山寺、園城寺と大津市歴史博物館に行って、後は京都をブラブラ。
2日はこれまで行ったことのない比叡山と日吉大社に1日を当てています。
1日の園城寺と合わせて、名付けて僧兵コースです。
宿が京都になってしまったので、大津と京都を行ったり来たりです。

でも、こんなの見つけました。
https://resv.kyototeikikanko.gr.jp/Teikan/dispcourse/dispcoursedetail.aspx
私は帰りの新幹線の時刻にぎりぎりで無理ですが、もっと早く知っていたら、このバスもありだったかなと思っています。

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