pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ノートルダムの鐘@四季劇場「秋」1階20列センター

2016-12-29 18:38:44 | 観劇/コンサート

  

演出:スコット・シュワルツ
脚本:ピーター・パーネル
音楽:アラン・メンケン
作詞:スティーブン・シュワルツ
日本語台本・訳詞:高橋知伽江
演出スーパーバイザー:味方隆司、北澤裕輔、音楽監督:鎮守めぐみ

あらすじ
 舞台は中世のパリ。
空高くそびえ立つノートルダム大聖堂の鐘楼に、カジモドという心優しい鐘つき男がひとりぼっちで暮らしていました。
おじである聖職者フロローに育てられた彼は鐘楼の外に出ることを許されず、いつも塔の上から街を眺めては自由を夢見ていました。
そして、年に一度の“らんちき祭り"の日、石像クワイヤ(聖歌隊)たちに励まされ、ついに塔を抜け出します。生まれて初めての華やかな世界。カジモドは自由を愛し強く生きるジプシーの娘エスメラルダと出会い、初めて友情を知り、そして自らの運命を変えてしまうような冒険に引き込まれていき。。。


四季劇場「秋」は、まだ石丸さんが四季にいたころの「異国の丘」だったか、飯野おさみさんが出ていた「コーラスライン」だったか、とにかくずいぶんお久しぶりなのでした。「春」の方はその時もライオンキングで、今回も満員御礼の札が出ていましたから、やっぱりすごい作品なんだなあとつくづく感じます。

ノートルダムの鐘というとディズニーのアニメや、名曲「大聖堂の時代」を思い浮かべる方がほとんどかと思いますが、私は「あしたのジョー」なんです。。ジョーが少年院で力石と試合をする前に、白木葉子さんという高慢なお嬢様が慰問で「ノートルダムのせむし男」をやるんですね。その時のエスメラルダが葉子さん、カジモドが矢吹丈のジムの丹下段平氏だったので、どうしてもカジモドというと

この人が出てきてしまうんです。。

そのイメージ、本日塗り替えられました。(きっぱり)舞台は劇中劇の形で進んでいきます。カジモドが聖堂の鐘つき男となるまでのストーリーはクワイヤをはじめとする登場人物たちの歌によってかなり早口に語られる感じ。おお!フロローはまじめで勤勉な兄、カジモドはフロローのハンサムで遊び人な弟とジプシー女性の間の子だったのね。弟が亡くなり、異形の赤ん坊を残されたフロロー。。。苦労人じゃないですか。

そんなフロローが、たぶん初めて好きになってしまったのがエスメラルダだったのでしょう。そうして一方的な愛は執着に変わり、「俺のものにならないんだったら殺してやる」的な歪んだ邪念に。。。井上くんがコンサートで歌ったフロローの「地獄の炎~Hellfire」とはそういう恐ろしい歌だったのね 弟とともにみなしごとして聖堂にひきとられたフロロー。まっすぐ真面目にに進んでは来たものの、「愛」に不器用で、願いが叶わなかった時の対処の仕方がわからなくてエスカレートしちゃったんだろうと思うと哀れでなりません。。。あんな最期を迎えなくてはならないなんて悲しすぎ。

フロローは芝清道さん。ジーザス・クライスト・スーパースターでユダやってたあの方です。下村さん、石丸さんの保坂さん、沼尾さん、まだまだいっぱいベテラン主役級がどんどん四季を離れていっても、ここで頑張っておられたんですね。素晴らしいお声で歌い上げておられました。

カジモド、飯田達郎さん。この方、次のモーツァルトどうでしょう!カジモドも歌いあげる大曲が多いのですが、力強く若々しく、ヴォルフにぴったりかも。原作者がヴィクトル・ユーゴーだからなのか、聖堂の警備隊長フィーバスがアンジョルラスに見える一幕もありました。(あ、この方わけあって隊長さんクビになっちゃいます。)フィーバスは最終的にはフロローもカジモドもぶっちぎってエスメラルダの心を捕えます

フロロー、カジモド、フィーバスという3人の男の心をいっぺんに鷲掴みにするエスメラルダは岡美南さん。イメージぴったりの情熱的で美しい方でした。「ウィキッド」のエルファバもされた実力派なんですね。カジモドの純粋な愛、フロローの歪んだ愛、フィーバスの優しさと抱擁力、どれも印象的でした。

衝撃的だったのは、カジモドがフロローの禁止を破って町へ出て、変顔コンテストの「もっとも醜い道化の王様」に選ばれた後、それが素顔だと知った群衆にリンチを受ける場面。群集心理の恐ろしさに身震いしました。なんだか、昨今言われているSNSいじめを連想したりして。

ジプシーのボス、クロパンは吉賀陶馬ワイスさんというデンマーク人ハーフの方。この役もWキャストでしたが、もうひとりはなんと!阿部よしつぐさんでした。そのよしつぐさんが!なんと客席に!元旦キャストは海宝カジモド、阿部クロパン、芝フロローですよ~うらやましい!海宝さんにあたったことないんですよ。ジャージーボーイズもレミゼもアラジンさえも。

結末はアニメ映画のようなハッピーエンドではなく、原作に沿った形ですが、カジモドとエスメラルダの悲しい最期が語られた後、「劇中劇」が終わるとカジモドも元の青年に戻って行くという形なので、なんとなく重苦しさが薄れ、救われた気持ちになります。場面転換は少なく、ほとんどが聖堂の鐘つきの部屋で進みますが、石造のクワイヤたちの厚みのある聖歌合唱が素晴らしく、1幕終わりなどはワン・デイ・モアを思わせます。すばらしかった~何度ものカーテンコール、最後はスタンディングオベーション

今回は観られればいいや的な感じでとったチケットだったので20列。最後列から2列目。ですが、センターということもあってかなり見やすかったです。ただ、後ろの席の(たぶん俳優ペア)方も話してましたが、音が割れて聞こえる時があってちょっと残念でした。また、1階はロビーが狭く椅子も少ししかありませんが、2階には座れる場所が結構ありました。幕間は2階に行くのもいいかも。それから、開場13時とありましたが、もっと早くから入れてくれてました。劇場情報でした。

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4 コメント

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レポありがとうございました (八女)
2016-12-29 23:07:10
私は2月に観劇予定です。
なるほど・・・
アニメとは少し違うんですね。
観に行くのが益々楽しみになりました!
期待してください! (pippi)
2016-12-30 13:40:20
アラジンの時も思いましたが、経営者交代で四季がエネルギッシュになってきた感じがします。歌も危ない人が誰もいなくて安心してみていられるし
2月なんてすぐですね
八女さんの心配事がなくなっていますように!
行きます (ぷ~さん)
2016-12-31 15:09:09
1月に行きます。
よしつぐさん目当てなんですけど…どうかな~。

ブログ読んでより楽しみになりました。
よしつぐさんのクロパンもみたかった! (pippi)
2017-01-02 20:38:20
阿部よしつぐさん、私のイメージでは繊細な少年っぽいキャラが多かったのですが、クロパンはかなり骨太な役です。よしつぐさんがどんな風に演じられるのか、ぷ~さんのレポを楽しみにしています!

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