

シス・カンパニー公演/紀伊國屋書店提携
「夜の来訪者」
J・B・プリーストリー作「インスペクター・コールズ」より
翻案/内村直也
演出/段田安則
出演/高橋克美、渡辺えり、坂井真紀、八嶋智人、岡本健一、梅沢昌代、段田安則
だいぶ前から観劇のチラシ束に入っていた段田さんのマント姿が気になっていました。なんとかチケットを手に入れたものの、前売りは既に完売。アイドルの出演がなくてもこうした上質の舞台は満員御礼になるんだなーと、嬉しくなりました。
舞台は昭和でしょうか。お手伝いさんの梅沢さんがちあきなおみの「喝采」を歌っていました。ある夜、裕福な家庭の婚約パーティーの席に、橋詰と名乗る刑事がやってきます。ひとりの女性の自死について、家族と娘の婚約者の話を聞きたいと。そしてあばかれる真実。
富裕な秋吉家のひとりひとりが持つ些細な悪意や失敗が、ひとりの女性を死に追いやったことが明らかになっていきます。そして思わぬどんでん返し。家族の罪が暴露されつくした時に橋詰刑事が言い残す「あなた方は火と怒りと血でもって、思い知らされることでしょう。」という言葉がずーんと響きます。
終盤、時間と空間がずれるような不思議な場面があります。暗い色調の中で展開する摩訶不思議な心理劇でした。坂井真紀さんは昭和のお嬢様が意外にはまり、既に大きな息子さんのいる岡本さんも坂井さんの婚約者で違和感なしはさすが。どの役者さんもうまい!
もしかしたら家族のこの重大な秘密は世間に漏れずに済むかもしれないという安堵感が流れた時の大人たちの表情と、純粋に自分達の罪の重さを思う娘と息子の表情との違いにどきっとさせられました。
シス・カンパニーやはりいいです。段田さん初演出作品とのことですが、この作品を愛し、丁寧に丁寧に演出された感じが伝わってきて、なんだか嬉しい気持ちで新宿を後にしました。










