桃猫堂

きれいなもの、かわいいもの、やさしいもの、ピンクのものが好きです。猫と本に囲まれた日々のささやかな幸せを綴ります。

新しい家族

2017-09-12 15:46:53 | 猫のこと
我が家に新しい家族が増えました。

金曜日の夕方、仕事から帰って部屋でぼうっとしているとどこかから子猫の声が。
まさかと思って外に出てみました。
うちは家の前に道路がありますが、周りはぐるっと山。
両脇を山に囲まれた坂の途中に家があるので家を出て左右どちらに行っても山なのですが、右側に出て坂を少し降りたあたりから子猫の声は聞こえます。
行ってみると本当に子猫がいました。
どうやら3匹いるようでした。
そのうちの1匹は逃げることもなくすぐに抱くことができたので家に連れて帰ったのですがあとの2匹は藪の中に隠れてしまいました。
近くにエサを置いてしばらく様子を見ましたがその日は保護できず。
連れて帰ることができたのは黒っぽいトラ模様の子でした。

翌朝行ってみるとエサを食べている2匹の子猫。
真っ黒な子と白黒、または白にサバトラのブチが入った子でした。
そっと近づくとエサを食べ終わってこちらに近づいてきたので手を伸ばすも1匹目は逃走。
2匹目の真っ黒ちゃんは捕獲成功。
引っ掻くはかみつくはの大暴れでしたが用意しておいたキャリーに入れて家へ連れ帰りました。

残るは1匹。
ちょこちょこ姿は見せるのですがすぐに藪の中に逃げ込んでしまいます。
追いかけて山に入ると茨だらけだし切った木が積み重ねてあるし草は伸び放題だし簡単には入って行けません。
そんな私に対して子猫はすぐに藪の中に入り込んで移動するのでどっちへ行ったのかさっぱりわかりません。
それでもなんとか保護してあげないと一人ぼっちになってしまうし夜には雨が降るって予報だし、とにかく必死で山の中を探し回りました。
体中茨で引っ掻き傷だらけ。
茨や蔓に引っかかって転んだりそのまま落っこちたり、挙句の果てに蜂に刺されるし。

蜂って本当に刺されると痛いんです。
私は前にスズメバチに刺されたことがあるので特に怖いと思っているのですが、痛いと思った瞬間しっかり蜂が腕に止まっていました。
スズメバチではなくアシナガバチだったのでまだよかったかなと思いますが、毒は弱くても痛みは強いらしくほんとに痛かったです。
そんな思いをしても午前中には保護することができず午後再度山に入って気づいた時には数匹の蜂に取り囲まれていました。
痛いと思って蜂に刺されたんだとわかるまでまったくその存在に気づきませんでした。
午前中の1か所に加え新たに3か所刺されましたがそれですんでラッキーだったと思います。
蜂さんにはほんとにごめんなさい。
危害を加えるつもりなんてまったくなかったんだけど蜂にしてみれば確実に攻撃対象でしたね。

そんな怖い思いをしても日が暮れるまでにとうとう見つけられず翌日の日曜日にかけることにしました。

ところが夜中の雨は思っていたよりもひどく、一時は土砂降りでした。
翌朝すぐに昨日、一昨日とずっと子猫がいた場所へ行ってみましたが姿を見せません。
前日までは私が「にゃ~ん」と呼びかけると何度か「みゃあ」と答えてくれていたのに。
あの雨の中でどうなってしまったのか心配でした。
前日は朝から何度もエサのある場所に出てきていたのにお昼になっても姿を見せません。
もしかしたら雨に濡れて弱ってしまいどこかで動けなくなっているんじゃないかと思い、また危険覚悟で山にも入って見ました。
とにかく無事であって欲しい。
もし万が一何かあったとしてもちゃんと見つけてあげたい。

とにかく無事でいてほしいけど何かあったら私のせい。
昨日までに保護してあげられなかったから一人ぼっちで雨の中で怖くて寂しくて寒い思いをさせてしまったんだと思うと子猫に申し訳なくて。

まろやゴロちゃんたち今は天国にいるにゃんこたちにも助けてほしいとお願いしました。
山の神様にも祈りました。

蜂は本当に怖かったし茨だらけの藪の中を歩くのはまるで拷問みたいに感じたけれど必死でした。
泣きそうになりながらとにかく行けるだけ山を登った時、下から旦那さんの叫ぶ声が聞こえました。

「見つけた!」

無事?
元気でいる?
とにかくもう逃げないで。

そう願いながらまた茨の中を通り抜けふもとまで降りてくるとなんと子猫はうちの軒下にいたというのです。
まさか子猫が家まで来るとは思いませんでした。
距離は数メートルしか離れていませんが、間に溝があるし、昨日と一昨日見た時はずっと山にいて家の方に来ることもありませんでした。
それに子猫の目線で雨をしのげる家が認識できるとは思わなかったからです。

でも子猫は家までやってきて縁の下か軒下で一晩過ごしたのでしょう。
ひとりぼっちで震えていると思っていた子猫は思っていた以上に強くて賢くてたくましい子でした。

最後は旦那さんとふたりではさみうちにして無事保護。
それがこの子たちです。






家に連れて入ると雌たちはペロペロ舐めてくれる子もいました「シャア~」と怒る子も。
試しに怪我で療養中のタマちゃんがいる私たちの寝室に連れて行ったところ、タマちゃんがお兄さんぶりを発揮してくれてよく面倒を見てくれるのでお任せすることにしました。

最初に自分から寄ってきた黒トラちゃんはよく慣れて甘えてくれます。
黒ちゃんもだいぶ慣れて逃げなくなりました。
でも白にサバトラちゃんは少しでも誰かの気配を感じるとすぐに見えないところに隠れてしまいます。
たぶん兄弟の2匹もいることだし徐々に慣れてくれるかなとは思っていますが。

そもそもなぜ子猫たちがうちの横に山にいたか。
我が家に毎晩通ってくる雄猫はいますが、今まで子連れの猫なんて一度も姿を見せたことはありません。
うちはポツンと一軒だけ立っている家で近所で生まれた子猫たちが自分達だけでうちまでやってくることもちょっと考えにくいです。
となると考えられるのは誰かが連れてきて置き去りにしたということ。

あの家なら子猫を飼ってくれるだろうと思われたのかもしれないけど、これ以上増えたら猫たちもかわいそうです。
目の前の命を見捨てるようなことはしないけどこんなことが二度とないように願います。