王様の絵日記

猫好き漫画家の毎日のあれこれ

ラズベリー

2008-06-08 00:36:23 | 日記

庭で、ラズベリーがぽこぽこ採れております。


どんどん熟れてくるので、とりあえず何を作ろうかなと思いつつ、ベリーシフォンを作ってみました。
ラズベリーに、ちょっとだけブルーベリーとジューンベリー入り。
甘酸っぱくて美味しいです。


「漫画原稿は美術品」であるとの事で、紛失原稿で出版社を訴えた漫画家さんの話をニュースで見ました。

原稿紛失は、実は割とよくある事のようです。
自分に関して言えば、今回「八犬伝展」で、美術館から展示用に貸与を希望されたうちの一枚の八犬士のカラー原稿が、なんとちょうどその「紛失原稿」でありました。

「八犬伝」は、後半、八犬士が揃った頃からはカラーがCGになっていて、その直前のその絵だけが、最後のアナログ、紙に手塗りの八犬士のイラストだったのですが、当時の編集部(雑誌休刊の為、今はもうありません)に、紛失されてしまっていて。
美術展のご希望が、「8人揃った絵」という事だったので、替わりにコミックス未収録のセル画をお貸しする事となりました。
結果的には、読者の皆様にはほぼ初めてお見せするものなので、かえって新鮮で良かったかもしれませんが。

担当学芸員の方に説明する時もちょっと恥ずかしかったのですが、漫画界ではあまり原画って大切に管理されているものではないようなのです。
何でかなーと思って考えていたのですが、基本の認識がどうも、一点ものの「美術品」というより、どこか「版下」感覚なんじゃないかなって事に思いあたりました。

例えば江戸期の美術なんかでも、絹本等に描かれた日本画や蘭画、肉筆の浮世絵なら、それだけで一点ものの美術品なわけですが、じゃあ同じ浮世絵でも錦絵なんかの木版画はどうなんだろうっていう。
量産品として刷り上がった版画は当時は娯楽品、現在なら美術品として存在しますけど、ではもともとの絵師の描いた版下(版木を彫るために描いた絵)ってどうなっちゃったか。
なんと当時は版木にぺたっと貼り付けられて、一緒に彫られちゃって、はいさようなら、って感じだったようです(悲)。

どうも、漫画界における漫画家の原画も、どこかにそういう「版下」感覚が残っているんではないかという気がしています。

複製原画や、今度展示される原画なんかを見ていただければ分ると思いますが、私の一色(モノクロ)の原画は実に汚いです。
指示だらけで、本当に版下っぽい(カラーはさすがにそこそこ綺麗ですよ、そのまんま印刷されますから)。
まあそれも原画の迫力や面白さではあるのですが。

でもだからといって、ぞんざいに扱っていいとか紛失していいとか、そういう事じゃないわけです。なくなっちゃったら、二度と再現できないですし、編集部にはあくまでお貸ししてるだけですし。
でも、気づいたら自分自身も、印刷終わったものは非常にぞんざいに扱ってしまっていたりして、ちょっと、いや、かなりマズいなと思ったりもしています。

ちなみに、「ブラインドゲーム」のモノクロ原稿も数枚紛失されていたという事実には、他社で文庫になる際に、皆で直しのチェックをしていて気づきました。
複製原画なんて混じってるんだもん、びっくりだよ…。心臓止まるかと思ったよ。
幸い、最近の印刷技術は進んでいるのか、文庫が良い紙を使っていたからか、本になったらほとんど差が分りませんでしたが(そういう問題じゃない?)。


見た目はどうにも版下っぽいかもしれませんが、一応、精魂込めた一点ものですので、どうか大切に扱って下さいね、出版社や印刷所の皆様。

今回みたいに、せっかくありがたい展示のお話を頂いたのに「実は編集部に紛失されてまして…」じゃ、業界的にもちっと恥ずかしゅうございます。







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2 コメント

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びっくり! (ヒメたんママ)
2008-06-08 23:40:01
宝石みたいなベリー、可愛いですね
先生のお庭凄いなぁ~~
ケーキもさすがです。文句なしに美味しそう

漫画の原稿が紛失されるだなんてビックリです・・・。そんなことがあっていいのか・・・いや、よくないんですけども!
私も学生時代少し漫画をいたずら程度に描いていたんですが、まったくプロの漫画家さんとは天と地以上の違いがあるんですけど、原稿を描くのは大変だった思い出があります。
それなのに紛失されてしまうとは。。。
しかもそれって、編集部から報告があったんでなく、先生が自らお気づきになられたんですよね?
まったくもって遺憾です。
版下扱いだなんて・・・
ファンからしてみれば、
「よくもお宝を・・・!」という気持ちです。

Unknown (碧也)
2008-06-12 01:52:29
>>ヒメたんママさま
過失は誰にでもあると思うんで仕方ないし、無くなったものは戻ってこないんですけどね…。
「八犬伝」は当時の編集部からの連絡で気づいたんですが、「ブラインドゲーム」はおっしゃるとおりです。
見つけてすぐ連絡したんですが、とっくに担当の方は居らず、誰もこの事を記憶してる方がいらっしゃらなかったんで…。
幸い、コミックス編集部の昔の担当の方が、動いて下さって助かりましたけど。

二度と同じものは描けないっていうのが辛いところですよね。

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