道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

グリーンスリーヴス

2007-12-20 23:21:46 | 音楽
歌曲で何が好きかと訊かれれば、迷わず挙げるのがイングランド民謡「グリーンスリーヴス」である。
単純な旋律に物悲しさがこめられ、せつなさを素直に歌う。

ヘンリ8世の作という説があるが、恐らくはエリザベス朝期の成立であろうと言われている。
Greensleevesという名の女にフラれた男が、未練たらたらで「ずっと待ってるから戻って来ておくれ」と泣きつくという、めめしい内容である。
「greensleeves(緑の袖)」は当時の隠語で「浮気」を指すとも言う。つまり、間男の歌である。
こういうところから、ヘンリ8世説がでてきたのであろうか。


小さい頃からずっと、出だしの旋律を「G-B-c-d-dis-d(ソシドレミ♭レ)」で記憶していたのだが、CDを借りて聴いてみると「G-B-c-d-e-d(ソシドレミレ)」になっている。
友人にこれを話すと、「えー、4番目の音の次は、全音上がるんだよー。半音だと思ってたのは、そっちの方が自然だから、記憶の中で改変されてたんだよ」と言われた。
うーむ。

それ以来、色々なCDを借りてみて気付いたのは、歌の場合は大抵4番目の音から5番目には全音上がるのだが、リュートやギターだとほとんどは半音。
思うに、もともとは全音だったのだが、リュート独奏に編集された際に、自然な音階で弾きやすいように、半音に改められたのではなかろうか。
――ともあれ、私の記憶が勝手に改変されていたわけではないのだ!

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Alas, my love, you do me wrong
To cast me off discourteously
And I have loved you so long
Delighting in your company

I have been ready at your hand
To grant whatever you would crave
I have both waged life and land
Your love and goodwill for to have

Greensleeves, now farewell and adieu
And God I pray to prosper thee
For I am still your lover true-
Come once again and love me

Greensleeves was all my joy
Greensleeves was my delight
Greensleeves was my heart of gold
And who but my lady greensleeves

ああ、恋人よ、君はなんてひどいことを
無法にも私を振るなんて
君をこんなに長く愛したのに
君と共にあることを喜んだのに

私は心に決めていたのだよ
君が求めたら何でもあげようと
命も財産も賭けたんだよ
君の愛と真心を得るために

グリーンスリーヴス、今は別れ、さようなら
神に向かって私は君を繁栄させてくれるよう祈ろう
私は今でも君の本当の恋人だから
もう一度戻って来て私を愛しておくれ

グリーンスリーヴスは私の全ての喜びだった
グリーンスリーヴスは私の楽しみだった
グリーンスリーヴスは私の黄金のハートだった
グリーンスリーヴス以外に誰が私の女となろうか


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